王道感のあるフォント
ブランドのロゴを作るとき、堂々とした印象のある文字が必要なときにオススメなのが、Trajanです。
ね?堂々としていて綺麗でしょう。
これには一つ、大きな理由があります。
◯Trajanは古代ローマ皇帝の文字
Trajanはトラヤンと読みます。これは英語ではなくラテン語なので、jをyと同じように読むようです。
そしてこのトラヤンというのは2000年ばかりも昔、古代ローマ帝国を統べていたトラヤヌスという皇帝のために使われていた文字なのです。
歴史上でこのトラヤヌスというのは非常に優れた皇帝とされています。中世キリスト教においても認められた皇帝というのは珍しいですし、近代においても評価が高いと言います。「五賢帝」という言葉と一緒に世界史で覚えた人物だと思いますが、その「五賢帝」という言葉を生み出したイギリスのギボンが賞賛している人物です。
その人柄もすばらしかったと言います。
そんなトラヤヌス帝のイメージを借りれることが、文字自体の美しさに相まって、価値のあるフォントになっています
イタリアに残る碑文。このような文字がモデルです。
◯Trajanの美しさには理由がある
歴史的な話をさておいても、このTrajanというフォントは美しいですね。
これはどうしてでしょうか。
理由はぱっと考えただけで2つあります。
まずは大文字しかなく、小文字がないこと。このような堂々とした威厳のある文字は小文字と組み合わせると迫力がなくなってしまうことが多い。
小文字が存在しないおかげで、この迫力を秘めた美しさがあると言っても良いでしょう。
もう一つは文字幅。
例えばMやOを見てください。もう、ほとんど全角と言っても良いくらいに幅が広い。
それに比べEやSやTなどの文字は半角っぽい幅の狭さ。
この対比があり、かつ文字間が開いているおかげで絶妙なバランス感のある美しさになっています。
◯必殺技で使おう
この文字は、碑文などの格式高いものに使われていたフォント。
ですからやたらめったらに使ってしまうと、フォントのインパクトを生かすことができません。
例えばロゴにこれを使い、文章はtimesにするなどの工夫をして、このフォントの良さをしっかりと生かしてください。
それにしてもTrajanは美しいです…
Trajan Pro