【完全版】PRS ポールリードスミスのギターの話

 

【レビュー&評価】PRSポールリードスミス SC250 シングルカットの実力

 

PRSポールリードスミスのちょっとマイナーなモデルに、シングルカットSCというのがあります。

今回はその中でもSC250を中心に、レビューと試奏をしてみます。

◯概要

PRSポールリードスミスはダブルカッタウェイのCustom24というシリーズが人気ですよね。

そのCustom24の陰に隠れてしまったCustom22の、さらに陰に隠れたMcCartyの、その陰に隠れたマイナーモデルがSingleCut/SCのシリーズです笑

私は個人的に大好きなモデルですが、どうして人気がないのか!?というところも含めてレビューしていきます。

◯シングルカットとは??

シングルカットは、ギブソンのレスポールに近い形状を持つシリーズに付けられている名前です。

現在販売されているのは、SC58、SC245、SC250などのモデル。

SC58は最近開発されたヴィンテージ系のピックアップを搭載した新しいモデル。

SC245は根強いファンを持つ、レスポール的サウンドのモデル。

SC250は分厚いサウンドと、ドロップチューニング対応の現代的なモデル。

 

◯SC250という存在

SC250は、PRSポールリードスミスのギターの中でもマイナーなシングルカット、その中でもマイナーな、言わばほとんど存在しないモデルです笑

本家全米のオークションサイトを見ても、出ているギターは8本のみ。対しPRSのCustom24は360本という検索結果ですから、単純に計算すると45分の1の本数しか出回ってないわけです。

日本のヤフーオークション、ヤフオクではPRS Custom24が131本、それに対しSC250は0本。1本もありません。

「どうしても人と同じギターは使いたくない!」というアーティストが選ぶモデルに最適です。

◯SC250の外観

PRSポールリードスミス SC250はレスポールに非常に似た外観を持つギターです。

しかしギブソンのレスポールに比べると表面のカーブが大きく、造形が滑らかな曲線を描いている部分がより多いです。

ギターのバックもカットが入れられていて、構えたときにしっとりと体に馴染みます。

ネックヒールは大きめです。

にしても、相変わらず美しい杢目。

こちらはBlack Cherryという深いレッドの10topですが、本当に見とれてしまうほど綺麗。

特にライブでスポットライトが当たったときや、強烈な光に当たったときにものすごい鮮やかな色になります。

普段は控えめな、木目の細かいフレイムメイプルが美しい。

◯SC250の機能

セレクター関係はレスポールと同じ。

シンプルなノブです。

操作は全てレスポールと同じで、ハム+ハムの組み合わせが非常に取っ付きやすい。

ペグはおなじみ、PRSオリジナルのロックペグ。PRS Phase II Low Mass Locking Tuner

抜群の安定性と、完璧な弦の張りやすさを誇ります。もう他のペグはいらない、と思ってしまいます。

 ◯SC250のサウンド

このサウンドこそが、PRS SC250の最大の特徴であり、最大の不人気の理由です笑

まずピックアップはハム+ハムのみ。PRS SC250専用の結構ゲインの高いモデルです。

PRSなのにタップも付いていなければ、5wayロータリーも付いてない!

これだけで多くの人はやめてしまいます。

 

このSC250のピックアップは結構アグレッシブなトーンです。

普通だったらクリーンになりそうなセッティングで弾いていてもちょっとした歪みが乗ってくる。

コンプレッションの掛かったパンチのある音です。

ちょっとボリュームをしぼって上げると、クリーンでも非常に綺麗な音になります。

例えて言うなら、ブースターを通したときのような飽和感。アルペジオは3 Doors Down(3ドアーズ・ダウン)系の音にピッタリです。この辺は3 doors downのChris Hendersonがシングルカットを愛用しているあたりからも分かります。

 

それからボリュームを戻し、ちょっと歪ませるとクランチ。

これは滑らかな感じではなく、荒々しいクランチです。

メサブギーのヴィンテージアンプが合いそう。

 

さあ、そろそろ面倒なのでオーバードライブをすっ飛ばしてディストーション。

本領発揮です。

タイトな低音と、鋭く刻む高音。レスポンスがよく、ザクザクと刻める。

またノイズはあまり無いし、あっても音楽的な雰囲気のあるノイズ。

今回はENGLとレクチファイアーでのテストですが、どちらも絶好調です。

特にENGLのディストーションとの組み合わせは凄い。

ENGLのスタックアンプはもともとタイトでキレの良いディストーションが気持ち良い音なのですが、この締まった低音と荒々しいゲインが相まって最高にかっこよくなってます。

やっぱりこのSC250はそういうギターなんだな、と思いました。

PRS Cutom24の良くも悪くも「モサッ」とした歪みではなく、がんがんと粒が立って攻撃的なサウンドです。

 

と、ここまでほめておきながら、さっきは「音が不人気の理由だ」なんて書いてますよね。

そうなんです。

これならレスポールでも良いんじゃん。

と言われると返す言葉がない。

レスポールと同じ機能、ほとんど同じ形状。

音はもちろんPRSらしいけど、だったらCustom24にすればもっと多機能。

ちょっと中途半端な立ち位置のギターです。

◯総評

シングルカットは人と被らないものを使いたい人にお勧めです。

もちろんPRSが好きで、レスポールの形が好きな人にはSingleCutは最高の選択です。

音の面からも、ユーザビリティからも、レスポール的な使い心地が完璧に体と心に馴染むでしょう。

 

そして何より、一目惚れした人。

もうきっとあなたには、シングルカット以外の選択肢はないでしょう笑

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