コンパクトで上品なBMW 120iはいかが

乗り物

BMW プレミアムコンパクト 120i (F20)

BMW特製プレミアムカーである、1シリーズ。
1シリーズとは、BMWでエントリーモデルとなる、一番価格設定の手頃な車で
一つ下のグレードに関して言えば116iが308万円から購入する事ができます。
とは言えフルサイズのスバル インプレッサWRX STIが315万円という事を考えると、
いかに輸入車が高価で道楽であるか実感してしまいますね。

主に5シリーズや3シリーズのセカンドカーとして、もしくは車の寸法上、都市部での選択が
1シリーズしか無い場合などに選ばれているようです。
競合するAUDIのA1が275万円からというのを考えると、アウディの価格設定の上手さを感じます。
ですが、競合のA1は1400ccなのでよりパワーも非力でヴィッツクラスの国産に近い排気量となっています。

この120iの特長は、国産ファミリーカークラスのサイズに170馬力のエンジンを詰め込んだ事で、
国産のホットハッチの筆頭であるスイフトスポーツが136馬力であることからも、
120iはこう見えてもかなりの”熱い”モデルです。
更にトルクは25.5kgで、E90の320iを凌ぐトルクで、低速からガッツリと加速する事もできます。
そんな立ち位置の少し不思議な120iを紹介してゆきます。

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BMW 120iのスタイリング

先代の1シリーズよりもより先鋭でシャープなデザインに進化を遂げました。
サイドラインは国産にはないカッチリとした折り目が入り、強烈な印象を与えます。

また、背面のデザインもバランスが取れていて、さすがBMWと思える美しさです。
後部席のリアウィンドウをゆるやかに下げていくという手法をとっている為に、
横から眺めた時に、一見クーペのようなニュアンスを感じる事ができます。

乗車時の居住性や快適性を最重要視する国産車とはコンセプトが異なりますね。
例え予算的に1シリーズしか買えない場合でも、十分にBMWを感じられるスタイリングで妥協は一切ないと感じます。
塗装のアルピン・ホワイトのソリッドカラーもため息が出るほど美しく、パールカラーには無い魅力を感じます。

ドアやリアバンパー、ボンネットに渡るまで鋭利でシャープなラインが入っているため、
シャドウ&ハイライトが綺麗に出て、影のコントラストが芸術品のようです。

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走る喜びはもちろんの事、休日にオープンカフェに停めてカプチーノを片手に眺めても様になるコンパクトカーです。
フロントライトのデザインは奇抜で、慣れるまでに少し時間が掛かりますが、新しさというのも
演出されていて、慣れてしまうととてもかっこ良くみえます。

コンパクトなサイズでありながら、ボディの作りこみがしっかりしているために大きな17インチホイールを履かせてもなんら違和感を覚える事がありません。
さすが走りを重視したモデルなだけあります。

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BMW 120iの走行性能

120iに初めて乗り、走りだした時は驚きを感じました。
黒コショウのように、小さいけれどパンチのある。強烈な加速を体感できます。

3シリーズにある、しっとり感が抜けて、元気!な仕上がりになっています。
ゆっくりアクセルを踏めば、丁寧に乗ることもできますが、アクセルをガツンと開けると
一瞬の遅れもとらずに、ボディが後輪で蹴飛ばされてグイグイと加速してゆきます。

このエントリークラスでもFFを採用せずに、FR駆動にしたというのに感動しました。
残念ながら、走行性能を重視したために車内空間は少し狭く、後部席に関しても
国産のFF車両のように、広々快適、という訳にはいきません。
この120iはセカンドカーのように思えて、ドライバー自身がとても楽しむことができるモデルなのです。

また、3シリーズと比べてコンパクトなので、ワインディングロードを走り抜けても、その走行性能の高さに驚きます。
エコモードからスポーツモードに切り替えると、とたんにアクセルのレスポンスが良くなり、
隠れていたエンジンの素性が露わになります。
「シルキーシックス(直列6気筒エンジン)のBMW」、と評論家などに言われていますが、この4気筒のエンジンでも十分に素晴らしいもので、回転数を上げても息継ぎせずに滑らかに加速してゆきます。
軽量なのも相まって、中速域では強烈な加速を見せ、ハンドリングもFRそのもので、国産の2リッタースポーツカーに近く、素直な操作性を見せます。近年リリースされたトヨタ86を試乗する機会がありましたが、この120iは新型86に追い迫るパフォーマンスを感じさせます。

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1シリーズはどれが良いか。

116iはイニシャルコストこそ安いですが、贅沢を言ってしまうとパワーに不足を覚えます。
この120iが一番バランスの取れたモデルで一押しです。
1シリーズの中にはM135という、直列6気筒3リッターターボエンジンを載せた怪物のようなモデルもありますが、
例えば8割の日常と2割の休日の旅行といったバランスで考えると、120iが一番秀でると言えます。

カタログスペックや、写真ではイマイチかと思っていましたが、実際に運転してみるとガラッと印象が変わります。
興味があればディーラーでも、必ずと言っていいほど試乗車があるので冷やかしに行ってみて下さい。きっと気にいるはずです。

BMW M135i

イベントに参加する機会があり、1シリーズの最上位グレードのM135iに試乗しました。
形状はまさに120iとそっくりで、直列6気筒3リッターで最高出力320馬力というマシンです。

恐る恐る乗ってみると、エンジンは低い音で唸り静かな振動と共に発進します。
坂道を登って行くルートでも、一切車重を感じさせない軽快さでグイグイの登ってゆきます。

峠道を走るイベントルートでしたが、ごくスムーズに回るエンジンと固めのサスペンションによりスポーツモデルというのを意識します。
軽量でコンパクトなボディのため、国産のスポーツカーのようなニュアンスも持ち合わせています。
加速のフィーリングは335iの車重を200キロ以上減らしたようなフォーリングで、まさに軽快と言えます。
ハンドルもグイグイと曲がっていくので335iよりも早いかもしれません。

面白いことに試乗するまでは”120iよりも、よりパンチのある黒胡椒タイプ”と思っていたM135iは、そういったはじけるような感覚は無く、
どちらかというと研ぎ澄まされて、”滑らかなシルク”のようなニュアンスでした。
トルコンのATミッションも以前より格段と改善されているために余計に滑らかでトゲを感じないモデルとなっています。

どちらかと言うと、この120iの方が元気があって、スポーツモードにするとピーキーな楽しいドライブを堪能できると言えます。

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