見逃せない!2024年10月17日の『スーパームーン』

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この秋、夜空に特別な月が現れます。

それが今夜、2024年10月17日のスーパームーンです。スーパームーンとは、月が地球に最も近づいたタイミングで満月や新月になる現象のことを指します。この夜、月は普段よりも14%ほど大きく、30%ほど明るく輝くと言われています。そんなスーパームーンですが、次に見られるのはいつでしょうか?

スーパームーンとは?

スーパームーンは、月が楕円形の軌道を描きながら地球の周りを回っているため、地球との距離が一定ではないことから生まれる現象です。地球に最も接近する時点を「近地点」と呼び、そのタイミングで満月や新月が重なると、普段よりも月が大きく、明るく見えます。この現象は年に数回発生しますが、今回のように特に大きく見えるスーパームーンは約1年半に一度ほどしかありません。

2024年10月17日のスーパームーンの見どころ

この夜、月は地球から約356,000キロメートルの距離に位置します。地平線近くで昇る月は特に大きく見え、ロマンチックな光景が広がることでしょう。雲が少なく晴れた夜であれば、夜空を彩る特別な満月が一層美しく映えると思います。

スーパームーンを観察するのに特別な道具は必要ありませんが、なるべく街の明かりが少ない場所を選ぶと、より一層美しい夜空を楽しむことができます。山や海辺、公園などは理想的な観察スポットです。また、月が昇るタイミングや方角にも注意して、ベストな時間に見ることをおすすめします。スマートフォンやカメラで撮影して、その美しい瞬間を記録してみるのも良いかもしれません。

なぜ月の色は変化するのか?

色は必ずしもスーパームーンが青色とは限りません。

月が青色や赤色、または日によって色が少し異なって見える理由は、主に大気の状態と光の散乱によるものです。これには、地球の大気中の塵や水蒸気、空気の密度などが関わっています。以下に、そのメカニズムを説明します。

1. 赤い月(皆既月食や月の出・月の入り)

月が赤く見えるのは、特に皆既月食の際や月が地平線近くにあるときに見られる現象です。この色の変化はレイリー散乱と呼ばれる光の散乱によって引き起こされます。

皆既月食では、太陽の光が地球の大気を通過する際に短い波長の青や紫の光が散乱され、長い波長の赤い光だけが月に届きます。その結果、月が赤く見えるのです。この現象は「ブラッドムーン」とも呼ばれています。

月の出や月の入りでは、月の光が地球の大気を斜めに通過するため、太陽光が夕焼けや朝焼けで赤く見えるのと同じ理屈で、月も赤っぽく見えることがあります。このとき、大気中の塵や水蒸気が光をさらに散乱し、赤みを帯びた月になることが多いです。

2. 青い月(ブルームーン現象)

月が青っぽく見えることは稀ですが、大気中に大量の塵や煙がある場合、月が青く見えることがあります。これをブルームーン現象と呼びます。

•例えば、大規模な火山噴火森林火災などで空中に細かい粒子が大量に放出されると、これらの粒子が青い光を強く散乱します。通常、大気中の粒子が光を散乱する場合、赤や黄色の光が残りやすいですが、特定の条件では逆に青い光が目立ち、月が青く見えることがあります。

朝霧高原で撮影

3. 日常的な色の変化

月の色が日常的に変わることもありますが、これは地球の大気状態の変化によるものです。大気中に含まれる水蒸気、塵、煙霧などの量が影響し、月が黄色っぽく見えたり、白っぽく見えたりします。特に、月が高く昇っているときは、空気の層を通過する距離が短いため、月はより白っぽく、明るく見えることが多いです。一方、月が低い位置にあるときは、空気中をより長い距離通過するため、大気の影響で黄色や赤色に見えやすくなります。

次のスーパームーンはいつ?

次にこれほどのスーパームーンが見られるのは、約1年半後になります。毎年見られるとはいえ、ここまで大きく輝く月を見るチャンスはそれほど多くはありません。2024年10月17日は、ぜひ夜空に浮かぶ美しい月を見上げてみてください。

天体の不思議

話は少し変わりますが、天体の不思議として、2012年5月21日に起きた「金環日食」を覚えていますか?この日、日本全国で観測された金環日食は、多くの人々にとって忘れられない天文現象となりました。月が太陽の中心部分を隠し、周囲にリングのような光の輪が現れる金環日食は、皆既日食とは異なり、月が太陽を完全に覆わないため、光のリングができるのが特徴です。この光景は「リング・オブ・ファイア」とも呼ばれ、その神秘的な姿に多くの人が魅了されました。

静岡市にて撮影

金環日食と皆既日食の違い

金環日食と皆既日食は、どちらも月が太陽を覆う現象ですが、違いがあります。皆既日食では、月が太陽を完全に覆うため、一時的に昼間が夜のように暗くなります。一方、金環日食では月のサイズが太陽に比べて少し小さいため、完全に覆うことができず、太陽の周りにリング状の光が残ります。この現象は、天体の絶妙なバランスが生み出す奇跡的な光景と言えるでしょう。

天体ショーは自然の贈り物

このような天体ショーは、私たちに自然の偉大さと神秘を感じさせてくれます。夜空を見上げるとき、私たちは日常の喧騒から離れ、宇宙の広大さを思い出すことができます。スーパームーンや金環日食といった現象は、宇宙が与えてくれる小さな奇跡の一つです。忙しい毎日を過ごしていると、つい忘れてしまいがちな天体の美しさを、こうした機会にぜひ感じてみてください。

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