35歳が見たガチャガチャの進化、100円玉からタッチ決済『かぷえぼ』への変遷

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ミドサー世代の私が幼い頃、ガチャガチャといえば100円が定番でした。おもちゃ屋さんの片隅や駄菓子屋の玄関に設置されていたガチャガチャは、当時の子供たちにとってささやかな楽しみでした。

私の記憶では、特に目を引くのは、小さなプラスチックのフィギュアやミニカーでした。これらの商品は、今から考えるとかなりチープで、車輪がきちんと回らなかったり、フィギュアの塗装が剥がれていたりしたものです。今思えば恥ずかしい金属ダイキャストのピストルや剣のようなものもあったような気がします。

それでも、その100円玉を投入し、ハンドルを回す瞬間のドキドキ感は何にも代えがたいものでした。

2000年代から徐々に品質と価格が上がる

ガチャガチャの価格も200円、300円と少しずつ上がり、商品自体の質も向上しました。2000年から2002年頃だったと思いますが、特に印象に残っているのは、当時登場した電子ゲームのカプセルです。

小さなテトリスのようなゲームが大当たりとして入っており、外れた場合にはスーパーカー消しゴムやスーパーボールといった、少し残念な商品が出てくることもありました。

この時期から、カプセルのサイズが大きくなり、ガチャガチャの進化を実感し始めました。これらのアイテムは、当時の私にとっては冒険のようなもので、何度も失敗しながらも、大当たりを引く瞬間を待ち望んでいました。

真っ黒に塗装されたカプセルは、緊張とともにがっかりすることも多かった憎たらしい存在でした。

子供の体験と、大人の趣味へ2極化する市場

ところが、時代はさらに進化し、ガチャガチャは単なる「子供の遊び」から「大人の趣味」へと変わっていきました。

2024年現在、駅構内や大型ショッピングモールには、500〜1,000円を超えるプレミアムガチャガチャが並び、組み立て式フィギュアや精巧なプラモデルなど、クオリティの高い商品が出てくるようになりました。

当時の私が知っていたガチャガチャは、もはや別次元のものとなり、子供向けのおもちゃから、コレクターズアイテムへと変貌を遂げたのです。

完全キャッシュレス決済の新しいガチャガチャ「かぷえぼ」

そんな中、私をさらに驚かせたのが、完全キャッシュレス決済の新しいガチャガチャ「かぷえぼ」の登場です。

「かぷえぼ」は、従来のガチャガチャのように硬貨を入れてハンドルを回すのではなく、タッチパネルを操作して電子決済を行うという、まったく新しい形のカプセルトイマシンです。株式会社イオンファンタジーが運営する「TOYS SPOT PALO」や「モーリーファンタジー」といったアミューズメント施設で展開されており、2021年の時点では全国423店舗に導入されています。

この「かぷえぼ」の最大の特徴は、電子マネーやQRコードを使った完全キャッシュレス決済です。現金での支払いには対応しておらず、WAONやiD、PayPay、LINE Payなどを使って購入できます。これにより、財布に100円玉がなくてもガチャガチャを楽しめるだけでなく、非接触型で操作できるという衛生面でも優れたシステムです。

さらに、「かぷえぼ」はハンドルを回す必要がなく、タッチパネルで商品の選択から決済までを行います。決済が完了すると、自動的にカプセルが払い出され、手軽に商品を手に入れることができます。また、「かぷえぼ」専用の商品も展開されており、最大8種類のアイテムから好みのものを選べる楽しさもあります。

私は実際に「かぷえぼ」を目の当たりにしたとき、最初はその派手な液晶モニターに圧倒されました。モニターには子供たちを魅了する迫力ある映像が映し出され、商品の魅力を存分にアピールしています。

その映像は、どこか懐かしさを感じさせるもので、特に2000年代初頭に流行したFlashアニメーションのような、軽快でスピーディーなエフェクトが施されていることに気づきました。Flashで作られたウェブアニメが盛んだった時代を思い出し、かつての技術が現代のガチャガチャにまで取り入れられていることに、少し感慨深くなりました。

価格は500円から600円といった商品が多いのですが、内容を見てみると、その価格に見合うクオリティの高さが感じられます。特に、トヨタの「ベルファイヤー」をモデルにしたガチャガチャは598円という設定で、まるでスーパーの特売品のような価格設定で驚きました。

こうした新しい形のガチャガチャを目の当たりにすると、私が子供の頃に楽しんでいたあの「100円ガチャガチャ」が、ずいぶんと遠い過去のものに思えます。祖父母に千円札を崩してもらって、100円玉が10枚手に乗ったときの高揚感や、ハンドルを回す瞬間の期待感は、今の時代の子供たちには異なる形で体験されるのでしょう。彼らは現金の重みではなく、QRコード決済のサウンドやタッチパネルの操作感で、同じような喜びを感じているのかもしれません。

こうして、ガチャガチャは時代とともに進化し続けています。「かぷえぼ」のような完全キャッシュレス型のガチャガチャは、私たちの世代にとっては驚きとともに新鮮な体験ですが、現代の子供たちにとっては、これが当たり前のガチャガチャの形になるのかもしれません。私たちが昔から知っている「ガチャガチャ」のワクワク感が、どのように今後変わっていくのか楽しみです。

完全キャッシュレス決済・抗菌施工の「回さないガチャ」カプセルトイマシン「かぷえぼ」を全国423店舗に展開(PR Times)

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