私は平凡な高卒で文章を書く機会が少なく、文章のルールについてあまり意識していませんでした。しかし、あるとき、東京大学院で文系の研究をしている方から「すべてを漢字で書くのは避けた方が良い」とアドバイスを受け、文章のルールに関心を持つようになりました。それ以来、少しずつ勉強を始めています。
そこで今回は、新入社員が知っておきたい、漢字では書いてはいけない言葉について考えてみたいと思います。
仕事をがんばってる新入社員に「漢字で書いてはいけない言葉 」をおしえてあげました。 pic.twitter.com/uAzxW4MDC9
— ホワイト@キャリアアップ (@white_career) October 5, 2024
昨日のTwitterでも、このように、ひらがなで書くべき言葉というのを一覧にして紹介している方がいました。
例えば、「何時(いつ)」や「後程(のちほど)」といった言葉は、メールで漢字のまま送られると読みにくく感じることがあります。こうした表現は、ひらがなで書いた方が伝わりやすく、相手にも優しい印象を与えます。Twitterで紹介されていたリストはすべてが完璧ではないかもしれませんが、私も多くの点で共感できる内容でした。
なぜひらがなを使うのか?
私たちは、普段何気なく文章を書く際に、漢字を使いすぎてしまうことがあります。
特に、新入社員がビジネス文書を書く際、「正確に、そしてきちんとした表現をしなければならない」との思いから、漢字を多用する傾向があるかもしれません。しかし、これは実は逆効果になることもあるのです。
漢字が多すぎると、文章が堅苦しくなり、読みづらくなることがあります。適度にひらがなを使うことで、文章が読みやすく、柔らかい印象を与えることができます。
書いてはいけない漢字とは?
では、具体的にどのような漢字をひらがなにした方が良いのでしょうか?ここでは、一般的にビジネス文書や論文でひらがなにすることが推奨される言葉をいくつか紹介します。
•「既に」→すでに
「既に」という漢字はよく使われますが、ひらがなで「すでに」と書く方が柔らかく読みやすいです。
•「出来る」→できる
「出来る」は漢字にしがちですが、日常のビジネス文書ではひらがなの方が適切です。
•「更に」→さらに
「更に」を漢字で書くと、重々しい印象を与えるので、「さらに」とひらがなで書いた方が良いでしょう。
•「従って」→したがって
接続詞は特にひらがなにするべきポイントです。「従って」ではなく、「したがって」と書くことで、文章がスムーズに読めるようになります。
•「恐らく」→おそらく
この言葉も、ひらがなにした方が読み手に優しい印象を与えます。
これらの例を見てもわかるように、漢字で書くと堅苦しく感じられる言葉を、あえてひらがなにすることで、文章が読みやすくなり、より自然な印象を与えることができます。
公的機関の発行している文章でも、このように「ひらがな」になっているものは多く、読みやすく変換されています。
参考になるサイトを探していたところ、非常にわかりやすいページを見つけました。「かぐら坂編集室」という印刷会社のプロが紹介しているページです。こちらを確認すると、文章の校正方法がよくわかります。
例えば、常用漢字外の漢字はひらがなで書く、形式名詞はひらがなで書く、接続詞もひらがなで書くなど、理論的に文章の校正方法を説明しています。
新入社員に向けたアドバイス
新入社員として、ビジネス文書を作成する機会が増える中で、「完璧な文章」を目指すのではなく、「読みやすい文章」を心がけることが大切です。先輩や上司にとっても、わかりやすくて柔らかい印象の文章は好感を持たれやすいものです。特に、初めてメールやレポートを作成する際は、漢字の多用を避け、ひらがなを使うバランスを考えることが重要です。