9月30日の東京株式市場で、日経平均株価は取引開始直後に一時1800円以上の急落を見せました。これは、先週金曜日に行われた自民党総裁選での石破茂氏の当選を受けた影響が大きいと考えられます。石破氏の政策に対して市場が敏感に反応し、円高と株安の巻き戻しが急速に進行している状況です。
円高と株安の進行
先日私が書いた「自民新総裁・石破氏の経済政策で日本株価は下落?円高リスクと増税の行方」という記事でも触れた通り、石破氏は財政健全化を強調しており、これにより日銀が金融緩和からの脱却を迫られるのではないかとの見方が広がっています。特に、彼の政策により円高が進行することで、輸出企業に対する圧力が増加し、企業収益の減少が懸念されています。
ヒートマップツールを見たところ、現在、トヨタ自動車が-7%、中外薬が-6.19%、ソフトバンクグループが-5.75%など、 時価総額が高い株式でも大きく下落しているのが目立ちます。
法人税増税による株安リスク
石破氏が掲げるもう一つの政策は、法人税の増税です。これにより、大企業の利益が圧迫されるだけでなく、投資家の心理にも悪影響を及ぼしています。特に、輸出依存の企業や投資に依存する企業は、コスト増加の懸念が広がり、株価下落のリスクがさらに高まっています。先週末に円安・株高の傾向が見られたのは、総裁選の初回投票で高市早苗氏が1位を獲得し、市場が金融緩和政策の継続を期待していたからです。しかし、石破氏が決選投票で勝利したことで、この流れは一気に巻き戻されています。
金融所得課税の影響
また、石破氏は金融所得課税を30%に引き上げることを提案しており、これが株式市場への投資意欲を低下させる要因となっています。特に富裕層の投資活動が減少することで、市場全体に悪影響を与える可能性が高いです。
市場の今後の動向
石破新総裁の政策により、今後の日本経済には短期的に不透明感が漂っています。円高や株安がどの程度続くか、また石破氏が掲げる増税や社会保険料の増額が経済全体にどのような影響を与えるかについて、市場は引き続き注視している状況です。
石破氏の政策が導入されれば、企業や個人に対する負担が増えるだけでなく、国内消費や投資意欲の低下を招く可能性が高まります。