経済学入門、『弾力的』と『非弾力的』の違いを解説、需要と供給の基本を理解する

経済・投資
経済学における「弾力的」と「非弾力的」は、需要と供給の関係を理解するために重要な概念です。これらは、特定の商品の価格が変わったときに、消費者や生産者がどの程度その変化に反応するかを示す指標です。以下に、それぞれの概念について詳しく説明します。

弾力的とは?

「弾力的」とは、価格の変動に対して消費者や生産者の反応が大きい場合を指します。
具体的には、商品の価格が少しでも上がると需要が大幅に減少したり、価格が下がると需要が大幅に増加する場合を「弾力的」と呼びます。
例えば次のようなものがあります
•贅沢品(例:高級時計やブランドバッグ): 価格が少し上がると、多くの消費者が購入を控えるため、需要が大きく減少します。逆に、セールや割引があれば、需要が急増することもあります。このように、価格に対して敏感に反応する商品は「弾力的」とされます。
•外食やレジャー: これらのサービスも価格の変動に敏感な消費者が多く、価格が上がれば需要が減少し、価格が下がれば需要が増えるため、弾力的といえます。

弾力的な商品の特徴:

•代替品が豊富である(例:ジュースの価格が上がれば、消費者は水やお茶を選ぶ)。
•価格が高く、贅沢品である。
•消費者がその商品を「必需品」と見なしていない。

非弾力的とは?

「非弾力的」とは、価格の変動に対して需要や供給がほとんど変わらない場合を指します。つまり、価格が上がっても消費量はあまり減らず、価格が下がっても消費量がほとんど増えない商品が「非弾力的」とされます。
例えば次のようなものがあります
•必需品(例:ガソリン、医薬品、電気): ガソリンや医薬品は生活に欠かせないため、価格が上がっても需要はそれほど減りません。たとえ高価になっても消費者は購入せざるを得ません。このような商品は「非弾力的」と呼ばれます。
•公共交通機関: 都市部でのバスや電車の利用者は、価格が上がっても他に利用できる手段が少ないため、需要に大きな変動がないことが多いです。

非弾力的な商品の特徴:

•必需品であり、消費者にとって代替手段が少ない(例:医薬品やガソリン)。
•消費者がその商品を購入しなければ生活に支障が出る。
•価格の変動に関わらず、一定の需要が存在する。

例えば「サノレックス」は厚生労働省が承認した初めての食欲抑制剤で、正式名称はマジンドールです。肥満に対する薬としては国内で唯一の薬です。このような薬はどんな値段でも需要があります。

供給における弾力性と非弾力性

同じように、供給の弾力性も考えられます。供給の価格弾力性は、価格が上昇したときに生産者がどれだけ供給量を増やせるかを示します。
•供給が弾力的な商品: 価格が上がると供給者は生産量をすぐに増やすことができる商品です。工業製品や加工食品など、短期間で生産量を調整できるものが該当します。
•供給が非弾力的な商品: 価格が上がっても、生産量をすぐに増やすのが難しい商品です。農作物や鉱物など、生産に時間がかかるものが例として挙げられます。

経済への影響

弾力的か非弾力的かは、政府の税制や価格政策にも影響を与えます。例えば、政府がタバコに税をかけた場合、タバコが非弾力的な商品であるため、需要はあまり減らず、政府は安定した税収を得られます。一方、弾力的な商品に同じ税をかけると、消費が大幅に減少し、期待するほどの税収を得られない可能性があります。

これだけ世界的な禁煙やタバコ規制がされて、値段が上がり続けても需要があるため、日本タバコ産業の株価は上昇しています。(冷凍食品や輸出事業もありますが……)

まとめ

•弾力的商品: 価格の変動に対して消費者や供給者が敏感に反応する商品。価格が上がれば需要や供給が大きく変わる。
•非弾力的商品: 価格が変動しても需要や供給にほとんど変化がない商品。必需品や代替品が少ないものに多い。
弾力性を理解することで、消費者行動や企業の価格戦略、政府の政策効果をより深く理解することができるようになります。
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