最近、SNSで「ショッピングビルに隣接したマンションが最強」という話題を目にしました。実際に商業施設のすぐそばに住んだ経験があるので、その利便性や感じたことを紹介したいと思います。
メリット: 便利すぎる生活
これまで、徒歩1分以内に百貨店がある場所や、◯◯ヒルズ地下街のすぐ近く、さらに家の前にスーパーや繁華街があるようなさまざまな立地に住んできました。
家の前に便利な商業施設があると、結局そこに頼り切ってしまう傾向があります。例えば、伊勢丹の近くに住んでいたときは、毎日の買い物がすべて伊勢丹になり、他のスーパーにはほとんど行かなくなりました。たとえ徒歩10分以内に別のスーパーがあっても、便利さに負けてしまうのです。
料理中に卵や牛乳が切れたときも、サンダルを履いてすぐに買いに行けるのは本当に便利でした。また、駅直結の商業施設だと、買い物だけでなくレストランやバーがすぐそばにあり、さらには他の駅まで足を伸ばしてショッピングを楽しむことも簡単です。
東京では車を所有している人も多いですが、実際に敷地から出るまでそれなりに手間がかかります。
特にタワーマンションの場合、駐車場から外に出るまでに5〜10分かかることが一般的です。セキュリティの関係で複数のロックやシャッターが設けられているため、ちょっとした買い物に車を出すのは億劫になります。
また、出かけた先の駐車場も混雑していたり、停めるのに時間がかかります。このため、徒歩圏内に商業施設があると、その便利さを強く実感します。
デメリット: 利便性がもたらす落とし穴
商業施設のすぐそばに住むことのデメリットもあります。
近場の便利な施設ばかり利用するため、少し遠くに行くのが面倒に感じることが多くなります。例えば、タワーマンションの駐車場に車を停めていても、わざわざ車を出して買い物に行くのが億劫になり、結局徒歩圏内の施設しか利用しなくなってしまいます。
また、大規模マンションに住んでいると、エレベーターがなかなか来なかったり、敷地が広いため外に出るまでに時間がかかったりと、買い物に行くモチベーションが低下することがあります。豪華なマンションでも、利便性と快適さが必ずしも比例するわけではないのです。
最も大きなデメリットは、周囲の生活リズムと自分のリズムが合わないことで浮いてしまう点です。例えば、朝にスウェットとサンダルで牛乳を買いに行くと、スーツを着た出勤中の人々とすれ違い、「タイミングが悪かった」と感じることがあります。また、伊勢丹の地下で買い物をするときも、周りはおしゃれをしているのに、こちらは髪がボサボサでラフな格好だと、少し居心地が悪く感じてしまいます。
タワーマンションの高層階であれば人目はあまり気になりませんが、低層階だと、通行人の視線が気になることもあります。特に通勤時間帯には多くの人が行き来するので、カーテンを閉めたままにしてしまうことが増えます。
また、2LDKで数億円するような超高級マンションでも、徒歩圏内にスーパーがない、または小さいピーコックやまいばすけっと(イオン)しかないケースもあります。地価が高すぎて、コンビニサイズで、品揃えも悪いので、結局宅配サービスや通販、または時間を掛けて買い出しにいくしかありません。
家政婦さんに料理を任せているような人であれば気にならないと思いますが、 自分で買い物をして料理をするようなクラスの人には、なかなかに不便です。
どんな立地が理想的か?
もしマンションを購入するのであれば、駅に近く商業ビルの前という立地は資産価値が高く、将来的に値上がりする可能性も高いです。しかし、生活の視点から見ると、周囲との生活リズムの違いが気になることもあるため、住みやすさという点では必ずしも最適とは言えないかもしれません。
現在私が住んでいる場所は、周囲に緑が多く、自転車でいくつかのスーパーを回れるほどの距離感で、生活にちょうど良いバランスが取れています。近場にいくつかのスーパーがあり、それぞれ特色が違うため、買い回りを楽しむことができ、気分転換にもなります。魚に強いスーパー、生肉に特化した店、地元の野菜を扱う八百屋などが揃い、料理が好きな人にとっては非常に快適です。
当時居た、都内の高級マンション地下コンビニですが、おしゃれな食材や高級ワインが並んでいました
一方で、東京都心の駅直結や商業施設隣接のマンションは、頻繁に外食をする人や、夜のお店に通う人、駅ビルでおしゃれな惣菜や弁当を買いたいというニーズがある人には最適でしょう。ただ、単に「便利そう」という理由で住むと、後悔することもあるかもしれませんので、慎重に考えることをお勧めします。