夏のシャンパーニュ修行、「サヴァール」と「アンドレ クルエ」の飲み比べ

ワイン

渋谷に出かけたついでに、人気のシャンパーニュを飲み比べしてみました。

平日にもかかわらず、外国人観光客がたくさん訪れており、町はとても混雑していました。以前、渋谷区に住んでいたことがあるのですが、最近は一気に様相が変わり、少し荒れてきた印象があります。外国人観光客が路上に座り込んでいる光景も多く見受けられ、この5年ほどで治安が悪化しているように感じます。以前は洗練された外国人が多かったのですが、最近は難民のような服装の人も見かけるので、少し不安になります。

さて、この場所がどこだか分かりますか?一見すると、静岡市の呉服町のようにさびれているように見えるかもしれませんが、実はここは渋谷の東急百貨店跡地です。

東急百貨店は昨年の1月31日をもって営業を終了しましたが、しばらくはビルが残っており、かつての姿を感じられました。しかし、取り壊しが始まると更地となり、地方都市のような雰囲気に変わりました。元々はこんな風景だったんだなと思うと、少し感慨深いものがあります。

隣接するBunkamuraで美術館の展示を見たこともあるので、目を閉じると当時の思い出がよみがえります。

この跡地には、地上34階建て、高さ156メートルの「渋谷アッパーウエストプロジェクト」として、新しい複合施設が建設される予定です。ここにはショッピングエリアだけでなく、ホテルも入る予定で、上層階は超高級マンションとして分譲・賃貸され、アートとカルチャーが融合したエリアになるとのことです。

渋谷がこれからどのように変化していくのか、楽しみですね。

さて、まずはフレデリック・サヴァールのシャンパーニュを飲んでみました。以前、「サヴァール モン・デ・クレティアン」や「サヴァール ルーヴェルチュール」を飲んだことがありますが、今回のものはまた異なる香りと味わいでした。

まずは特徴を紹介してみます。

Ecueil-Trepail Blanc de Blancs Premier Cru Extra Brut

Frédéric Savartの「Ecueil-Trepail Blanc de Blancs Premier Cru Extra Brut」は、シャルドネ100%で作られるシャンパーニュです。フレッシュでミネラル感があり、エレガントなスタイルが特徴です。香りは柑橘類やリンゴ、白い花が感じられ、味わいはシャープで繊細ながらも豊かな酸味が印象的です。クリーミーな質感と心地よい余韻があり、バランスの取れたシャンパーニュとして評価されています。

フレデリック・サヴァールの哲学は「最良の葡萄から最良のワインを作る」というシンプルなもので、彼のシャンパーニュは伝統的な手法と現代的な感性が融合した、洗練された味わいが特徴です。

テイスティングの感想

抜栓してから3日ほど経った状態で飲みましたが、注いだ直後は若草のようなグリーンな香りが強く感じられ、酸味がかなり力強い印象を受けました。まるで大玉のトマトのような酸味が口に残り、そのパワフルさに圧倒されました。

ただし、時間が経って温度が上がると、白い花のようなエレガントな香りが出てきます。最初の荒々しさが落ち着き、だんだんと繊細になり、干しぶどうのような凝縮した甘みも現れます。味わいはドライですが、アマローネのような香りが感じられる点が不思議です。

最後はブランデーのような蒸留酒の香りに変化しました。このシャンパーニュを楽しむ際は、低温から徐々に温度を上げながら飲むのが良いでしょう。

Andre Clouet Dream Vintage

André Clouet Dream Vintageは、グラン・クリュ地区であるブジーのピノ・ノワールを主に使用したリッチなシャンパーニュです。フルボディでありながら、シトラスやリンゴのフレッシュな香りとバターのような滑らかなフィニッシュが特徴です。瓶内二次発酵が36ヶ月行われるため、深い味わいが楽しめます。

昨今、高額化が進んでいるシャンパーニュの中でも比較的手ごろな価格で入手できることからも、マニアに人気のある一本です。

テイスティングの感想

2009年のヴィンテージは、畳やイグサのようなフレッシュな香りが残り、酸味が少なく、全体的にライトな印象です。

2008年は対照的に酸味が非常に強く、お酢のようなシャープな酸が特徴です。しかし、バランスが取れており、ボリューム感もあるため、しっかりとした味わいが楽しめます。

2004年は熟成が進んでいることもあり、香りは蜂蜜のような甘い香りが目立ちます。 飲んでみると実際に味わいも甘く感じるのが不思議で、他の年数と比べるとかなり落ち着きがあり、蜜の印象が強いです。

トータルでテイスティングしてみると、2004年は料理に合うような気がします。 例えば、紹興酒が少し効いた中華料理や、大海老のエビチリなど、トマトベースの料理にも合うと思います。シャンパンに単体で飲むなら、2008年のさんの強さはチャーミングですし、軽く飲みたいのであれば2009年もおすすめです。

テイスティングまとめ

まだ夏の暑さが残る中でのテイスティングでしたが、どのボトルも大変美味しく、状態も良好でした。普段はノンヴィンテージのシャンパーニュしか飲む機会がないので、こうしてお店でグラス売りをしてもらえるのはとても貴重な体験です。

お店の方にも感謝しつつ、皆さんも少し珍しいシャンパーニュがグラス売りされている際には、ぜひ試してみることをお勧めします。飲み比べてみると、違いがわかって面白いですよ。


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