ANAマイルを貯めてはいけない理由

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私の書いた過去の記事に、大きな誤りがありました。
今から10年近く前に、「ANAマイルを貯めた方が良い」と記事でゴリ押ししましたが、間違いでした訂正します。

ANAカードのマイルは複雑かつ難解

ANAカードを契約する前、私は利用金額の◯◯%が自動的にANAマイルとして付与されるものだと思っていました。しかし、実際はそうではありませんでした。

ANAカードは三井住友VISAカードがベースとなっており、利用金額に応じてまずVポイントが付与されます。その後、このVポイントを応募方式または自動移行方式でANAマイルに変換する仕組みです。

しかし、この変換プロセスは非常に複雑です。カードの種類や選択する移行コースによって、交換レートが大きく異なります。

また、移行には手数料がかかる場合もあります。ANAカードと名乗っているにもかかわらず、マイルへの変換に手数料が必要なのは納得がいきません。

アメリカン・エキスプレス系カードもまた、メンバーシップ・リワード・プラスへの登録などで変換レートを上げることができますが、こちらも複雑です。また、年間のマイル移行上限が4万マイルと制限されており、毎月何十万円使ったとしてもビジネスクラス以上のマイルを貯めるには最低3年かかります。

一方、JALカードの場合、利用金額に応じて直接マイルが貯まるので、利用者にとっては分かりやすいと言えます。

出典元:https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/anacard/merit-anacard/?tabitem=asw-tab__item-box-2

こちらのページで、毎月の利用金額でどれくらいマイルが貯まるのか計算することができます。

出典元:https://www.ana.co.jp/

例えば、毎月10万円を通常のANAカードで利用した場合、年間の合計マイル数は6000マイルとなります。レギュラーシーズンにヨーロッパ旅行する場合は、115,000マイル必要となります。つまり、毎月10万円利用だとマイルが貯まるまで20年近くかかる計算となります。

ANAマイルの変換率が最も高いANAカードプレミアムの場合、 毎月70万円使うことで1年間で12万6000マイルに到達します。つまり年間840万円利用して、やっと1名分のヨーロッパ旅行のビジネスクラスになる計算です。

マイル貯めるのに人生を捧げた日々

それでも、どうしてもマイルで旅行したい!という方もいるでしょう。

私が初めて「ANAマイレージカード」を手にしたのは16歳のときでした。このカードはクレジット機能が付いていないポイントカードです。数年に一度のフライトでマイルを貯め、あとは陸マイラーとしてコツコツとマイルを貯めていました。

その後、「ANAカード」、「ANAゴールド」、最終的には「VISAプラチナカード」までステップアップしました。

年会費は88,000円ですが、「ご入会ボーナスマイル:10,000マイル」と「ご継続ボーナスマイル:10,000マイル」が付与され、マイルも順調に貯まりました。VISAプラチナカードでは、交換レートも「1ポイント=3マイル(移行手数料無料)」と最上級です。

何年もコツコツとクレジットカードを利用して、辛抱強く貯めていたため、 ついに30万マイル以上貯めることができました。BMWの車検やタイヤ代、賃貸の初期費用をクレジットカードで払うなど、大きな金額を利用することに力を注いでいました。

たくさんマイルを貯めたから、あとはハッピー!とはいかないのがANAマイルの難しいところです。

どうやら世の中には、会社の出張で頻繁に飛行機に乗る人や、ANAカードを法人で利用して毎月数百万円を決済する事業者、資産家など、マイルを大量に獲得している人が存在するようです。

そのため、今度はそうした人たちとの「マイレージで国際線特典航空券を取る競争」に参加しなければなりません。

ビジネスクラスの直行便予約が極めて困難

10年以上ANAカードを利用していますが、ANAの「国際線特典航空券」の直行便をマイルで取得するのは非常に困難です。1年先の便まで瞬時に予約が埋まってしまい、キャンセル待ちしか見ることができません。

ある人のブログによると、1便につきマイルのビジネスクラスの空きが1席から2席しか設定されていないことが多く、これが争奪戦であっという間に埋まってしまうようです。

特に人気があるのは「ロンドン」「パリ」「ハワイ」「シドニー」「ニューヨーク」などのビジネスクラス直行便で、Pythonなどで予約BOTを組まない限り、通常の方法での取得は困難です。予約ができなさすぎて、電話での窓口相談を試みましたが、直行便目当ての方が多く、もはやジャニーズのチケットに当選するよりも難しい状態です。

アメリカのグリーンカード抽選プログラムと同程度の当選確率かもしれません。

ファーストクラスのマイル予約が極めて困難

さらに難しいのがファーストクラスの予約です。ANAのファーストクラスは就航路線が限られており、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ロンドン、ホノルルしかありません。座席もビジネスクラスよりも非常に少ないため、予約が難しいです。

私の場合、ロンドンのファーストクラスを2往復できるほどのマイルを持っていますが、結局、1年間のどのタイミングでも予約は不可能で、何らかの裏技を使わない限り取得は困難です。

いつでも休みを取れるような自由業の人でさえこの状態ですから、社会人が、お盆などの休みにマイルでファーストクラスに乗る確率は、天文学的な数値と言えるでしょう。

出典元:https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/flight_service_info/int-service/f/seat/

家族や夫婦2名でのマイル予約が極めて困難

ビジネスクラスであっても、家族や夫婦2名以上でマイルを予約するのは困難です。これは直行便だけでなく、スターアライアンス加盟航空会社でも同様で、26社の中から探しても2席を予約するのは至難の業です。

つまり、数千万円をANAカードで利用しても、夫婦二人でビジネスクラスで旅行に行くのは非常に難しいということです。

救済として、不人気の加盟航空会社はビジネスクラスが予約しやすい

では、絶対に救われないかというと、そうでもなく、直行便の予約が難しくても、加盟航空会社で多少予約が取れることがあります。空きのある代表的な航空会社は、「中国国際航空」「ターキッシュエアラインズ」「ルフトハンザドイツ」「スイスインターナショナルエアライン」などです。

この中でも、中国の航空便は不人気のためか空きが非常に多いです。予約が空いている!と糠喜びすると、だいたい中国を経由するような便になっています。次に空きが多いのが「ターキッシュエアラインズ」です。
私の場合はヨーロッパを狙って、イスタンブールを経由する旅行が多く、合計で6回ほどターキッシュエアラインズのビジネスクラスに乗ったことがあります。

サービスは良いですし、ある程度快適なのですが、 とにかく機材が古く、 20〜30年前じゃないのか!と思うほどボロいシートに当たることもあります。ショート動画で流れてくるような、プライベートな空間のビジネスクラスを想像していると、そのギャップにがっかりすると思います。

あとは、ルフトハンザとスイスですが、こちらはレア度Aクラスで、ANAの直行便よりは見かけるのですが、 旅行期間を2ヶ月間に広げて、いろいろ選択してもごくたまに出てくるレベルで、貴重な機材です。

ANAマイルを貯めてはいけない理由

結局のところ、出張で頻繁に搭乗する人を除いて、マイルでビジネスクラスに乗るのには、ANAカードを1,000万円以上利用しなければいけません。

努力してそれだけマイルを貯めても、普通の人が予約できるのは中国の航空会社やトルコの古い機材で、想像しているビジネスクラスとは異なります。ANAの最新機材の直行便やファーストクラスは、 ごく一部のマイルを攻略しているような人たちしか予約ができないです。

ファーストクラスの特典航空券は少し難しい(2)

「往路(検索的に往路だけど、実際の私の旅程では復路になる)」の日付ボタンを延々押し続けて、「空席待ち」がついていない日程をメモする。
>複数都市クラス混在で経由便
>最終手段として355日前の9時にファーストを発券する
出典元:SFC修行→貯めたマイルで世界一周日記 https://ameblo.jp/tsukizou2018/

マイル修行をしている人のブログを見ると、このように裏技が存在するようですが、 ブログを読んだ限りでは、予約が開始する355日前の、9時ちょうどに電話しても発券できなかったそうです。

この方は少し難しいと言っていますが、 複数都市を跨いだ方法や、1年前のぴったり9時に予約を開始するなど、 一般人からしたらかなり敷居が高いように思います。

また、そもそもこれだけのお金をANAカードに費やせるのであれば、最初から定価で乗りたいビジネスクラスを普通に予約した方が良いと思います。

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