実名だから正しいとは限らない?実名・匿名アカウントの不思議

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匿名アカウントのSNSは、どこの誰か分からない人が書いているため、情報が正確かどうかは分かりません。それと比べると、実名で運営しているアカウントの人は、その所属する組織や団体としての責任もあり、安易にデタラメな情報を発信することは少ないと言えます。

セクハラ男性講師を野放しにしたお茶の水女子大学の異常な「隠蔽体質」

今さらですが、こちらの記事を読みました。
内容は、とある大学の男性講師にセクハラ疑惑があるというものです。しかし、その大学のハラスメント相談室が機能しておらず、相談室内に疑惑のある講師と通じている内通者がいるという問題が取り上げられています。

この記事の内容の真偽は定かではありませんが、実名や顔写真付きで運営されているTwitterのアカウントに、こうした疑惑があるという事実に衝撃を受けました。

6月末に炎上してから現在まで、そのTwitterアカウントは休止されているようですが、その後どうなったのかは不明です。ニュースになっていないことから、この情報が嘘だった、もしくは再度大学側が隠蔽した可能性が考えられます。

記事で興味深かった点は、本来通報先であるはずのハラスメント相談室を避け、敵対的と思われるアンチフェミニスト寄りの告発者Twitterアカウントに情報が集まっていることです。大きな組織や団体でも、正しい主張が通らないことがあり、このようにインターネット上の匿名アカウントに情報が集まるという行動心理には驚かされました。

匿名アカウントの方が本音情報が聞ける?

ここまで実害のある問題ではありませんが、私も日頃気になっている問題があります。

私はワインが趣味なのですが、ワイン界隈の実名アカウントが必ずしも正しい情報を発信しているとは限らないと感じています。その理由は、日本におけるワインの人口比率や経済規模が他国と比べて小さいため、狭い界隈の中で情報が行き交うことになりがちだからです。

ある有名なワイナリーのワインが実際には美味しくなかったとしても、実名アカウントで活動するプロは、そのワイナリーを敵に回すわけにはいかないため、表面的には「美味しい」と褒めざるを得ない状況があります。

例えば、「サントリーのワインが美味しくない」と書いてしまった場合、その人は永久にサントリーから仕事を依頼されなくなる可能性があり、サントリーと付き合いの深いレストランや酒屋さんとの関係もぎくしゃくしてしまうでしょう。

ワインの難しさは、物理的な技術や数学的な問題と異なり、「美味しさ」が非常に主観的なものであることです。

また、普段ワインを飲まない人にとっては、コンビニで売っているような500円程度のワインがフルーティーで飲みやすく美味しいと感じるかもしれませんが、毎日何万円もする本格的なワインを楽しんでいる人にとっては、それが子供のおもちゃのようにチープで品質が低いものに感じられるかもしれません。

受け取り手の価値観によって「美味しさ」は大きく左右されるため、こうした問題は簡単には解決できません。これらのことから、私は実名アカウントによるワインレビューが必ずしも正しいとは思っていません。

その年に不作で本当に味が劣っていたとしても、コマーシャルやマーケティングの観点から「美味しかった」と書かざるを得ない状況があります。
そのため、むしろ匿名アカウントのワイン愛好家が、その人の価値観に基づいて表現したレビューの方が、本来の味わいを伝えていると感じ、信頼できることもあります。

「美味しさ」や「正しさ」は人それぞれですが、こうしたことを踏まえながらSNSを利用すると良いかもしれませんね。

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