「引っ越しの多さ」のデメリット、脳にストレスを与える?

ライフスタイル

国家公務員の奥さんが、転勤で苦労している話がツイッターで流れてきました。
一見些細なことのようですが、「スーパーのポイントカードがたまらない」、「病院を一から探さなければならない」、「人間関係を一から構築しなければならない」、など苦労があるようです。

私が思うには、前提として、生涯あまり引っ越ししない方がいいと思います。
10年に1回程度の引越しであれば、そこまで大きなストレスはないかもしれませんが、毎年のような引越しは、かなり大きなストレスを伴います。
私は過去に20回以上引越をしているので、 その経験に基づき実際に大変だったことを書いてみます。

人間関係を構築するのが難しい

生まれ育った故郷というのは、 人生においてとても大切です。
小さい頃から頻繁に引っ越しを繰り返すと、小学校や中学校だったときの友人と会うことが減りますし、 他県に引っ越してしまえば、全く無関係になってしまいがちです。
私は今でも、稀に同窓会のお誘いなどをいただくことがありますが、 地元を離れて何十年も経つと、参加することも憂鬱になってしまいます。

地名を覚えるのが難しい

引っ越してきて地名を覚えるのが、とても辛くなってきました。
私の場合は主に静岡出身だったので、 静岡市を中心とした数百種類の地名を覚えていますが、 その後に東京近郊を点々としていたため、 そこでも色々な地名を覚えます。

引っ越しをするたびに周囲の主要な地名を覚えていたのですが、 だんだんと覚えていくのが辛くなってきました。35歳という加齢のためかわかりませんが、 引っ越しを繰り返すと結構きつい問題です。

地名の読み方が違う

地名の読み方がその地方によって全く異なったりします。
音読みと訓読みが混ざることがあったり、 町名の町がマチという読み方だったり、 パターンが多すぎます。

例えば「紺屋町」だと、「こんやちょう」、「こんやまち」、「こうやまち」など読み方が異なります。昔住んでいた地名に引きずられやすいので、新しく引っ越した先での読み方が異なると、現地で混同しやすいです。
間違っているよ!と訂正されることもあり、 じわじわとストレスがあります。

郵便番号と住所を覚えるのが苦痛

引っ越すたびに新しい郵便番号を覚えているのですが、 以前住んでいた場所の郵便番号と混じって出てしまうことがあり、間違いが増えてきました。

最も間違えないで出てくるのが、「一番初めに住んでいた田舎のアパート」で、 小学生の時に覚えたので、それはスムーズに出てきます。 中学校以降に引っ越しを繰り返した場所の郵便番号は、手前の3桁と後の4桁が混同してしまうことがあったり、 東京に住んでいるのに静岡の郵便番号と間違えてしまうこともあります。

また、渋谷周辺に住んでいたこともあり、その郵便番号が間違って今の住所を書くときに書いてしまったり、だんだんと郵便番号を覚えるのが苦痛になってきます。

商業施設の名前など出てこない

これも地味に苦しいです。
静岡市に住んでいる人は、いまだに「新静岡センター」だとか、「アピタ」だとか言って、それが通じるので問題ないのですが、 引っ越しを繰り返しまくると、いろいろな地域にある商用施設の名前を覚えるため、混在してしまいます。

例えば「越谷レイクタウン」なんかは、何秒か考えないと思い出せない時がありますし、渋谷周辺は最悪で、「渋谷スクランブルスクエア」と「渋谷ヒカリエ」と「渋谷ストリーム」など商用ビルが近くに混在しているので、位置情報を頭の中で一度再現しないとパッとビルの名前が出てきません。

薬局チェーンなど名前が昔の住んでいた場所のものを使ってしまう

元チャッキリなので、薬局のチェーン店を「ハックドラッグ」と呼んでしまいます。
ご当地でチェーン薬局というのは固まって存在しがちなので、一番店舗数が多いところを代名詞として使ってしまいがちです。

今住んでいるところは「ウェルシア」の方が多いので、本来そう呼ぶべきなのですが、頭の中では先に「ハックドラック」が出てきてしまいます。今まで住んでいた 町の薬局名に引きずられてしまい、現在住んでいるところの名前がパッと出て くるのが難しいです。

「どこ行ってくるの?」→「ハック」→「ハックとは何!?」と、おじいちゃんおばあちゃんの会話みたいなことになりがちです。

ゴミ出しや分別などローカルルールがある

とにかく一般人の脳みそのキャパシティは限られているのに、ゴミ出しの分別やローカルルールがバラバラすぎます。可燃ごみと不燃ごみの判定が異なりますし、 ごみの回収日の日程も異なります。

一番厳しい自治体では、「食品トレイとラップを分別することや、 ペットボトルのキャップだけでなくキャップ下のリングを外す、 そしてラベルを外して捨てる。」といったことも強要されます。

一番ゆるい自治体では、 瓶と缶だけ分別して残りはすべて燃えるもの、という楽な自治体もあります。
田舎に行くと 独自の自治体のゴミ袋をコンビニで購入しなきゃなりませんし、不燃ゴミに関しても 有料のシールをコンビニで買わなければならない、A券B券が混在していて、行政に申請するところ 、また行政に電話するだけで無料で回収してくれる自治体もあります。

アイデンティティの喪失

私がまだ若かった頃は楽しかったような気がするのですが、だんだん歳をとってから、自分はどこの人間なのかわからなくなりがちです。
引っ越すごとに対しての抵抗感が全くなくなるので、 気分によってコロコロ進む場所が変わってしまいがちです。レオンの最後のシーンに、形見だった植木鉢をマチルダが庭に植えるシーンがあります。「もう安心だよ、レオン」と、地に根を張って生きれると暗示するのですが、引っ越しを頻繁に繰り返す人たちは、まさにこの植木鉢で生きているような状況で、地に根を張るということはありません。

自分自身の目標や価値観を明確にしていないと、 引っ越し先で自分は何がしたいんだろうと、 自己喪失をしやすくなってしまうので、 鬱病になりやすいです。

メリットは?

メリットは色々な街を体験することができることです。
人生一度きりで、特定の場所にずっと住むのではなく、いろいろな場所を点停とできるのはある意味メリットかもしれません。

また、アイデンティティの喪失の内容と相反することですが、 特定の場所や文化や組織に固着しないので、 全く新しいところで色々な体験をできるというメリットもあります。

私の場合は、イタリアに年に数ヶ月ダラダラと滞在したような時期もあったので、 場所に固着せずに、人生を旅しするように生きるのもまた一つの選択なのかもしれません。

この記事を読んでいる方の中には、 まだ生まれ育った土地を出ていなくて、 つまらないどこかに引っ越したいと思っている人もいるかもしれませんが、 何回も引っ越しを繰り返すと上記のようなデメリットやストレスもあるので、 参考にしてみてください。

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