私がプロカメラマンを自称してから早7年。2013年頃に東銀座の某出版社にカメラマンになりたい!と伝えると、「とりあえず来て」と呼ばれ右も左も分からないままノコノコと繰り出し、静岡市民にも関わらず通いで雑誌の撮影をさせて貰えることになったのです。
初めてのスタジオ撮影で、写真学校に行っていない私はスチルの物撮り技術なんて微塵もなく、現場のAスタジオを覗いて”プロのカメラマン”を見様見真似したものです。そのとき「カメラマンで絶対に必要なモノってなんですか?」と尋ね、「グレーカードと露光計だよ」と的確なアドバイスをもらったのですが、「君どこから来たの?(なんでここにいるの?)」と聞きかえされてしまいました。
それからコツコツ機材を揃え、今ではライティングを組んだ物撮りからテレビ局の撮影、結婚式から建築物の撮影など一通りは問題なく仕事ができるようになりました。ただ超高画質のスマホが普及して「国民全カメラマン時代」となったので受注する仕事はとても少ないのが実情ですが…。
前ぶりが長くなりましたが、写真撮影のかたわら動画でも始めようと思い6Kカメラを勉強している今日このごろです。タイトルにある Blackmagic Pocket Cinema Cameraを導入してみました。
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K – Tokyo Ginza Sukiyabashi 銀座 数寄屋橋交差点 カール ツァイス Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ZF.2 BK
この銀座 数寄屋橋の作例は、カールツァイス単焦点レンズを付けて車のダッシュボードにカメラを固定しました。
画角は50mmですが結構絞らないと絵がシャープにならないのと収差が出ます。プラナーはツァイスの中でも設計が古く、最新の一眼レフカメラやフィルムカメラではいささか役不足です。平成のレトロな雰囲気を出すには良いのですが、本格的な撮影には向いていません。純正の単焦点レンズの方が動画には向いていそうです。
Milvusミルバスの方はデジタル対応設計のために色収差や歪曲収差が出にくく、フレアにも強く絵もシャープです。映像作品として撮るのであればミルバス以上が最適です。欲をいうとカールツァイスのOtus1.4なんかあると最高なのですが、レンズ1本40万円以上という高価格と重量があるので、少し移動するだけでもヘトヘトになってしまいます。
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K – Tokyo Roppongi Test 平日夜の六本木を撮影テスト
お次は夜の六本木。レンズはCANON EF14mm F2.8L II USMです。
専門学校に行っていないので映像の作り方はド素人なのですが映画やドキュメンタリーを見ていると、フィックス(固定)とパン・ティルト(縦横ふり)、ドリー(横縦移動)を交互に入れて構成されていることが一般的です。
視聴者に飽きが来ないように、寄りの固定、引きの固定、動きのある絵、といった具合にメリハリのある映像が求められます。今回はレンズ1本で出かけたので全て広角レンズになっています。
また14mmという超広角レンズなので画面端の描写が甘く、こちらも絞らないとシャープな絵が撮れません。ただ夜間に絞るとISOを上げなくてはならず、アイリス、ゲイン、シャッタースピードの相関が完全に理解していないと適切な設定ができません。ただでさえ初心者なのに設定が全てマニュアルでコーデックも様々な独自規格、複雑な操作設定でチンプンカンプンです……。さきほどの銀座の動画ではフレームレートの設定ミスで、カルティエの照明(蛍光灯?)がチラついています。滑らかでない部分もあるので、まだまだ勉強が足りません。
こちらの作例は、上記と全く同じ動画をDavinci Resolveで映画風のフィルターをかけたものです。
なんか2000年代のドラマみたいな雰囲気が出ています。今までニコンD4やキヤノンEOS-Rなどで動画を試し撮りしたことはありますが、Blackmagic Pocketは一眼レフカメラでは再現できないような色調や設定なので煮詰めていけばかなり良い映像が撮れそうです。
そんなわけで良い動画が撮れたら更新してみます。