土佐備長炭(白炭)で室内焼き肉をしてみた結果は……?

一人暮らしの教科書

ウマい焼き肉がしたい!と買った高級備長炭

生産者に失礼なのですが、高すぎるけど便利なものと言えばこの「白炭土佐備長炭 」です。
炭がたった2kgで4千円……。今まで屋外BBQをすると決まればホームセンターで5kg500円の爆安の炭を買っていました。
美味しい焼き肉のため、指が震えながらも、この遥かに高い炭を注文したというわけです。

恐らくこの現象は私達がマングローブ炭やオガ炭に慣れてしまっているからだと言えます。スーパーに行くとニンニクが中国産と青森産で値段が5倍以上違うことに驚くことがありますが、結局使う量を少なくしてでも青森県産を選んだ方が後悔しないのです。同じように用途は違っても安ければいいという事ではないのです。

備長炭を手に取ると、ずしりと重いことに驚きます。木からできているなんてのは到底信じられません。外国人が持ったら確実に金属だと思うはずです。目を閉じたら私でも金属だと疑わないでしょう。さらに炭同士を軽くぶつけると、カキン!と高い音が響くのです。これは…確実に金属…!(嘘)

なんというか密度が非常に高く、鉛筆の芯の比重を10倍にした感じです。黒くしたステンレスの塊のような感じです。そんな質感でありながら表面は一見普通の炭。整った炭なので、頭がバグります。購入したのは以下の商品で、アマゾンにはこのような紹介があります。

国産 白炭 土佐備長炭 小丸2kg 無水洗 バーベキュー・火鉢・囲炉裏・燃料用 木炭 火持ち抜群!強力火力!信頼の国産品 備長炭グッズのお店

土佐備長炭 小丸 約2kg14本前後 消粉付  直径 23cm 長さ 24cm前後  ※天然素材の為、形、サイズ、重さなど若干異なる場合がございます。ご了承下さい。

「取扱い説明」及び、初心者向け「着火方法説明書」付属
「備長炭グッズのお店~豊栄」 自社契約窯により製炭、選別、包装。  ※粗悪・類似品にご注意ください。
火持ち抜群!跳ねが少ない 信頼の国産品 火力が強く、火持ちが大変良い。微妙な火加減の調整が可能。バーベキュー、鰻蒲焼など調理用として最適。国産品。

紀州南部、高知土佐など、備長炭に代表される「白炭」。約1300度で炭化。窯出し後、白い灰をかぶせて急速消火します。表面が白く、美しいことから備長炭を別名「白炭」と呼ばれています。

炭火を安全に楽しむために(アマゾン商品ページより引用)

白炭土佐備長炭は火起こしが難しい

輸入木炭に慣れてしまっていると、備長炭の着火は困難を極めます。コンロと網で火おこしをするのですが、ゆっくり温めないと爆ぜて大変危険です。弱火でじっくり火を入れていき、十分に温まったら火を強めてゆき着火します。取扱説明書を見ながら始めて備長炭に火を起こしたのですが、30分から1時間近く時間が掛かります。

ホームセンターで売られている格安の輸入木炭は火付きも良く、ものの3~4分で火が付くのです。少し良い和食の店に行くと、カウンター越しで備長炭で料理してくれますが、簡単に見えて火起こしが大変なのだと実感しました。

火起こしの後も火力が弱く悩むことに…

一度火が付くと、段々と時間を掛けて温かくなってきます。急いではできない作業なので、本当に根気が必要です。夕方から焼いたり飲みたいのであれば午後3時くらいから作業しても良いほどでした。輸入木炭に慣れていると火力の弱さも気になります。マングローブ炭などはすぐ火が付き、火力も強く、炎がどんどんと上がります。備長炭は3本、4本と増やしていっても、ほんの少しずつ温度が上がり中々焼ける段階になりません。

6本ほど敷き詰めてみて、温度も上がってきたので実際に野菜や肉を置いてみます。

備長炭BBQ衝撃の結末が……!

「どれを焼いても上品すぎる!!」

室内でトボトボ焼くのに向いていません。大失敗でした……。
イチボやシンシンなど赤みを買って焼いてみたのですが、何だか優しい味というか、BBQという感じではありませんでした。

これってもしかして、高級鮮魚(鯛など)や鰻(うなぎ)を焼いたら非常に美味しいのでは?
と気づくころには手遅れ、すっかり謎のBBQで疲弊してしまいました。

使用上の注意・・・
1 木炭を燃焼すると一酸化炭素などのガスが発生します。室内での使用は、1時間に2~3回程換気をしてください。
2 着火した木炭から火花が飛んだり、弾け飛ぶ場合があります。顔や衣服はあまり近づけず、紙やプラスチックなどの可燃物は火元から離してください。
3 自宅で使用は「火起し器」を使うと用意に着火できます。ガス火は必ず弱火から。特に備長炭(白炭)はいきなり強火をあてると爆ぜやすいので注意してください。火鉢等で使用の場合は火種の近くに置き、充分に温まってからご使用ください。
4 使用後の木炭は完全に消化してください。「火消し壷」を利用すると次回の火種として繰り返しお使いいただけます。水をかけて消火した炭は再利用しないでください。
注)火鉢等、灰をかけての消化方法は未完全消火につき危険です。
5 あまった炭はできるだけ空気を遮断し、暗所に保管ください。

食べ終わったあとにも苦労が

備長炭というのは信じられないほどに持続性があります。安い炭は少し放置すればあっという間にボロボロにクズになって火力を失うのですが、この備長炭は5時間経ってようやく調子が出てきた感じです。マングローブ炭がエンジンが1秒でついて30分乗れる車だとすれば、備長炭は暖気に3時間掛かって、そこから24時間走行できる車みたいなイメージです。

火消し壺という専用の壺があれば消火して何度も使えると書いてありましたが、空気を遮断できれば何でも良いと書いてあったので、アルミホイルなどで蓋をして1時間以上待ってみたのですが、全く消える予兆がありません。さすがに火を放置して寝るわけにも行かないので、仕方無く少量の水をジワジワ掛けたのですが全て蒸発して全然消火ができない状況です。これはやっちまった!と思いました。
炭のチョイスと使用目的を完全に間違え、子供の河川サッカーの送迎にランボルギーニで来てしまった感じです。想定以上に熱を持ちやすく、そこらの外的要因では熱を取り除くことは不可能ということです。冬に氷点下10度以下になる場所に住んでいたことがありますが、もし真冬に外で一夜過ごせと言われたら備長炭10キロくれと言いたいほどです。

今日中に消火しないと怖くて寝れず、時間をかけて少しず冷やし、最後は大きな寸胴鍋に水を7リットル以上張り一本ずつ沈めたのですが、信じられないことに上記の1本の炭で寸胴鍋の水を沸騰させれるほど熱があるのです!
備長炭の維持力がいかに凄まじいか実感しました。火消し壺を使った正しい方法で消火すれば何度も使えると書いてありますが、炭素純度の高さ、国産の技術力と言えます。

用途としては高級な食材をじっくり時間を掛けて焼く、もしくは業務用としてウナギや魚を連続して焼くのに向いていると思いました。

備長炭をキッチンに残し、翌朝にある思い付きが

先日の「本当に美味しいアイスコーヒーの作り方 〜ドリップ編〜」でも紹介をしましたが、水で消化した炭であっても丁寧に洗い流せば浄水として使えるのです!
部屋やトイレの消臭に使えると書いてありましたが、もっと実用的な活用方法があると思い、水出しのポットに突っ込んで数時間後に飲んでみると。

ウマい……

なんだこの滑らかさ…。今まであんなに臭くてまずかったTOKYOウォーターが、劇的に改善されるではないですか…。今ではこれが無いとお茶もコーヒーも飲みたくないほどです。とは言え、やはり4千円は高いような気がするのです…。これだけお世話になっているのですが。

そんな訳で昨年8月に購入したこの炭は以後BBQで使われること無く、数ヶ月に一回水出しポットに引っ越しして頂き、更には水出しポットも買い増しして、毎日のコーヒーや料理用として残りの余生を過ごしたのでした。(はっしー)

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