銀座松坂屋跡地に銀座シックスがオープンしてから4月で3周年になります。銀座を訪れるたびに何度か寄っていますが、今日はこの銀座シックスについて「どんな客層なのか」「観光に向いているのか」「屋上テラスはお勧め?」といった観点から書き留めてみます。
銀座シックスとは
観光や買い物といえばやはり銀座四丁目。四丁目交差点は1坪2億円超という日本一地価が高いエリアとしても有名ですが周囲には銀座三越や和光本店、NISSAN CROSSING、リコーなどがあります。
銀座シックスはそこから徒歩で2~3分、銀座六丁目にあるのでGINZA SIXと命名されました。元々は松坂屋銀座店がありましたが、都市再生緊急整備地域として再開発され、オフィス、商用施設、観光拠点としてJ.フロント リテイリング、森ビル、Lリアルエステート、住友商事の4社一体で建てられました。
興味深いのが二街区一体化による都市機能の高度化という公共施設の付け替えで、みゆき通りと交詢社通りの間にあったあづま通りの上を跨ぐ形で銀座シックスが建てられています。その代わりとして新設されたバスターミナル(観光バス乗り降り所)周辺などを公共化して、さらには貫通通路として再整備して今までと同じように通行できるようになりました。このような権利変換計画認可は一般的には難しいことで公共の土地を跨ぐようにして商用施設を建てられた例はほとんどありません。詳しくは「2つの街区を一体開発『銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業』着工」に解説があります。
フェンディや三井住友銀行などは同じく銀座シックスにありながら外からしか入れません。写真上のバスターミナルの二階も建物からしかアクセスできず、既存のビルと比べて意図的に通り抜けを制限しています。道を挟んでいるからか分かりませんがエレベーターも停止階が乗り場によって異なります。初めて行く人は迷子になりやすいはずです。
銀座シックスのオフィスエリア
オフィスは入り口が裏手のバス乗り場側にあります。コワークスペースのwework(ウィーワーク)など個人事業主やSOHOで借りれるスペースもあります。大和証券、日本空輸、オリックス銀行、リンクアンドモチベーション(コンサルティング)などが入居しているようです。
銀座シックスの商用エリア
商用部分の内部は2階から5階までが吹き抜けの構造になり、開放的な雰囲気を出しています。中央上部にあるオブジェクトは数ヶ月に一度定期的に入れ替えられて立体的なデザインになっています。オブジェクトはエスカレーターで移動するときに多角的に見えるように考えられていて商用施設の新しい内装デザインを感じさせます。
メンズ、レディース、ファッション&ライフスタイルとテーマによって分かれています。天井高もあり、他の百貨店と比べるとゆとりのある作りになっています。
6階は「銀座 蔦屋書店」とレストラン中心に
700坪の売り場面積を誇る「銀座 蔦屋書店」とスターバックス・リザーブが融合した空間になっていて、ここでも天然木材を用いた立体的な空間が演出されています。数万冊以上の国内国外の書籍が並ぶ蔦屋書店は専門書・学術書などは殆どありませんが、デザイン関係や写真集などは豊富で余り見かけることのない輸入本に出会えます。
中央のイベントスペースは美術館などとタイアップして期間限定で展示や催し物などが開催されています。訪れたタイミングではゴッホのひまわり展の告知などが行われていました。
銀座シックスのショッピングフロア1~5階は常に空いている印象を見受けますが、この6階は書店とカフェが中心ということもあって休日になると混雑する傾向にあります。特にスターバックスは常時満員で席が足りないことも多いです。
スターバックスは手前に通常の店舗、奥にリザーブのカウンターが設置されていてメニューや価格なども異なります。時間貸しの有料席など他店では見ないシステムなども導入しているようです。銀座シックスの1〜2階にも同様にスターバックスが入っています。
銀座シックスのレストラン
レストランはJASMINE 和心漢菜などの有名店が揃っていますが、面白いのが330坪の大ホールには鮨、うなぎ、すき焼き、焼鳥、ステーキ、韓国料理など7店舗が集結して、高速道路のサービスエリアのように席を共通で利用できます。
予算はランチで2,000~5,000円程度でしょうか。13階にもレストランはありますが、こちらのフロアは高級店だけ選ばれいて夜であれば30,000~50,000円以上もの予算となりそうです。
13階はシックで薄暗い照明で高級感を演出しています。THE GRAND GINZAはフレンチからスイーツまであるレストランで、記念日や会席などで使われています。ミクソロジーサロンという店は実際に行ったのですが、フルーツや野菜、ハーブ、スパイス、お茶などを調合して作るカクテルで、日本をイメージした緑茶などのカクテルも多く揃っています。訪ねた時は外国人観光客が多く英語での会話が多かったです。
1階にはツーリストサービスセンターや観光バスターミナルがありますが、その影響か分かりませんがレストランにも多くの外国人観光客が訪れているようです。
GINZA SIX ガーデン(屋上庭園・屋上テラス)
屋上テラスではまるで公園のような緑が広がっています。約4,000㎡の屋上庭園ではイルミネーションや招待制イベントなど様々な用途に使われるようです。新宿伊勢丹などにもありますが、銀座シックスの屋上は非常に広く、一周5分~10分程度で散歩できるほどの広さがあります。
お昼ごはんを食べている人や子供、ペットと遊ぶ人など様々です。
四方が開放されていて、ところどころに椅子があり景色を眺めることもできます。
銀座の景色を写真撮影したい人にもお勧めです。小さいですが東京タワーも見ることができます。
銀座シックスの地下3階には観世能楽堂があります。定期的に公演があり、アクセスも良く設備も最新です。
地下1階は化粧品やビューティー系のショップが、地下2階には食品やお菓子、エノテカなどのワインショップがあります。車寄せやバレーパーキングサービスもあります。バレーパーキングは1回2000円と駐車料金が必要ですが、入出庫が楽なのでホテルライクで頼むことができます。
銀座シックスの駐車場
平置きの平面駐車場や機械式駐車場、ハイルーフなど様々な車が入庫できます。西銀座駐車場と同じように1時間600円という安さで駐車でき、通路も広いので駐車が簡単です。銀座三越は平面駐車場がなくベントレーやロールスロイスなどの駐車はできません。休日に来るとトヨタセンチュリーやロールスロイス・ファントム、ベントレー・ミュルザンヌなどの超高級車が揃って何台も平面に置かれているのを見かけます。駐車券のサービスもあるので買い物のときは車で来るのも良いです。
銀座シックス(GINZA SIX)の店舗・屋上、本当に観光にお勧め?
1階にはヴァンクリーフ&アーペル、ショパールなどのグランメゾン、ジャガールクルトやロレックスなどの高級時計、セリーヌやロエベ、MOYNATなどの高級鞄ショップがありますが、2階以降はやや印象が薄い印象があります。ライカやヤコブコーエンなどのやや個性的なショップもありますが、ニッチな店舗が揃っているような気がします。
そのお陰かいつ行っても空いている印象があり、全体的にインバウンド需要を狙った施設のような気がします。日本人だけでの買い物やデートはもちろん良いのですが、外国人の友達などを連れて来るのに向いています。
東京に久しぶりに観光に来たりするのであれば、銀座三越や日本橋三越、新宿伊勢丹なんかの方が買い物の物量があるような気がします。レストランも少し個性的、独創的な店舗が多いので挑戦的と言えます。その点では有楽町の東急プラザのほうが安定しているような気がします。
客層もスタバに通っているようなカジュアルな大学生から、本当の富裕層が買い物や食事をしたりと、玉石混交の状態と言えます。軽いデートコースなどには良いかもしれません。
もしまだ銀座シックスに行ったことが無いのでしたら、ショッピング、レストラン、書店、屋上庭園など見て回ると2時間ほどは充分に楽しめるのでは無いでしょうか。ということで銀座シックスのまとめでした。