2回目のビジネスクラス体験で気づいた謎の感覚とは…?
今回2回目のビジネスクラス体験となりました。先日はマイルを使っての搭乗で、今回はアリタリア航空の前日のアップグレードオファーです。意外と知らないビジネスクラス・ファーストクラスの真相について明かしてゆきます。
航空会社や機材によって大幅に異なるサービス
仕事やプライベートで頻繁にビジネスクラスに搭乗している人には当たり前の事ですが、航空会社や機材によって大幅にサービスが異なります。今回のアリタリア航空のビジネスクラスは非常に苦しいもので、驚きの体験でした。
実際にどんな違いがあったのかリストにしてみます。
・食事がコンビニ弁当よりも不味い
・お酒の種類も少なくシャンパーニュも無い
・シートは革製でボロくてベタベタ
・モニターの画面は壊れて操作できない
・ベッドメイキングもしてもらえない
・ティーサービスが無い
・アメニティがしょぼすぎる
・プライオリティの荷物が遅く出てくる
私が以前搭乗したターキッシュエアラインズは、ロウソクのようなランプで演出したり、カトラリーも美しくティータイムも華やか、ベッドメイキングでは白いシーツを敷いてくれて、ノイズキャンセリングヘッドホンの貸出で寝る時は上空が無音に…。人気の洋画を見たり、音楽を楽しんだり、控えめに言っても最高の体験でした。
ターキッシュエアラインズのティータイム写真
かわいいランプと軽食
下の写真はボロいアリタリア航空の機材
ビジネスクラスは闇を抱えている
一見憧れの対象とも言えるビジネスクラスですが、大きな闇を抱えているのもまた事実です。私のようにマイルを使って登場したセコい客や、グレードアップをして搭乗したセコい客。
会社の経費で乗れる中間管理職やワガママな経営陣、もっともっとワガママな定年退職をして海外旅行をする団塊世代夫婦。定価のチケットを買ったお金持ちの乗客。一言も声をだすことのないビジネスクラス慣れているキャリアウーマン。
このように様々な人たちが乗り合わせる小さなバスのような状態なのです。
団塊世代夫婦は特に危険…
初めてビジネスクラスに乗った(と思われる)団塊世代夫婦は、初めてリッツカールトンに泊まった客のように「このシートは私の願いをなんでも叶えてくれる!」と思い、シートの移動から料理の指示や飲み物、その他様々なリクエストをして、そのたびに「申し訳ありませんが、ただ今〜〜」と謝罪するキャビンアテンダントの姿を見ます。
「俺は上客だぞ!」と言わんばかりの踏ん反り返った態度を取る日本人も見かけました。
確かにエコノミークラスであれば10万円のチケットを、旅行代理店で40~50万円出して乗っていると特別なリクエストをしたい気持ちも分かります。「リッツカールトンの秘密」といった類の本で、夜にプールを空けてもらった、たこ焼きを出前させた、ベッドに薔薇をちらしてもらった、など特別な対応が書いてあるので同じように初めて乗った人が「何か俺に特別なことをしろ」と言いがちです。
「食べ物おかわり!」「飲み物おかわり!」「食べ物おかわり!」「飲み物おかわり!」というのはエコノミークラスでは見かけない特有の症状と言えるでしょう。
飛行機を降りるときも「俺は偉いだ」オーラが出ていて、還暦を過ぎているのにゴルフのサングラスのようなものを掛けて肩で風を切って歩くのを見ました。
ビジネスクラス慣れしている人は尽く静か…
見かけた中でも「こりゃ相当慣れているな」と思ったキャリアウーマン的な女性は、搭乗時にはジャージ姿にスニーカー、ベルト着用ランプが消えると軽く運動をして、本を読んだり書類に目を通しています。食事にも殆ど手を付けずにメリハリのある行動をしています。反対側の白人男性もずっと寝ているだけでリクエストは一度もありません。やはり何十回と乗っているとやや広い座席程度にしか思っていないようです。
ファーストクラスの客層とは……。
断っておきますが、私はファーストクラスには乗った事がないので、ここはR氏からのヒアリングに基づいて書き起こしたものです。
「今回、初めてビジネスクラスに乗った感想は?」という質問に対して「とても苦しい」と答えるR氏。ハイヤーから空港に降りた時から言葉の重みが異なります。
「あれ?荷物の迎えこないの?」
信じられない事にタクシーまで担当者が荷物を取りに来るそうです。帰りの某国のタクシーでも「ファーストでしたら担当者を呼んできますが?」と英語で聞かれたので、界隈では割と一般的なようです。
エコノミークラスはキャリーバッグ1個、ビジネスは2個、ファーストは3個という航空会社がありますが、確かにファーストクラスに搭乗する人が3個のキャリーバッグを押す事は無いですね。そして当たり前ですが専用の部屋でチェックインして保安検査など行います。あまり公にはできませんが、内容も忖度が図られるとだけ申しておきましょう。
ギリギリに空港につき離陸直前に搭乗する人もいるそうです。
そして搭乗すると何をするでもなく退屈して、持ち込んだ荷物を空けることもあるそうです。とにかく料理がまずく、まともに普段食事をしている人なら手を付けないそうです。ですのでファーストクラスの多くの客が、ほとんど食事や酒に手を付けないか、軽く食べて済ませる人ばかりだそうです。酒も例えばANAの一例だと「シャンパーニュ・クリュッグ 2004」「シャトー・レオヴィル・バルトン 2012」「シャンボール・ミュジニー ブシャール ペール エ フィス 2013」「シャブリ プルミエ・クリュ・シャントルリ・ドメーヌ ラロッシュ 2014」などクリュッグなんてうんざりするほど飲み飽きていますし、二級のボルドーを機上で飲む人の感性も疑われます。シャンボール・ミュジニーにシャブリ、これらも普通のフランスワイン店で当たり前のように出てくるものです。それらに手を付けることは無いそうです。
他にも服を収納するスペースがあったり、着替えが用意されたり、荷物の収納があったり私達庶民から信じられないサーヴィスが存在するようです…。
緊張するのは飛行機を降りるとき。駐機場に到着してからもののすぐ開いて、文字通り最初に降りれるのですが、中にはのんびり降りる準備をする人や、年配の人では少し休憩してから降りたい人も居るそうです。しかし機内後方には数百人の一般客が降りれる瞬間を「まだかまだか」と待っているのです。さすがのファーストクラスでも乗務員がややピリピリしたムードになっているそうです。さながら「私達がここで5分食い止める、先にいけ!」という事でしょうか。
お金持ちはファーストクラスに乗らない問題は…
「お金持ちは同じ到着時間なのに数百万円もするファーストクラスに乗らない」といった議論がなされますが、確かに数億円の資産がありながら格安航空会社のエコノミーに乗って格安ホテルに泊まる人も知っています。(それを楽しんでいる節もあります)
しかし一方で大した金額の差じゃないしファーストクラスに乗る人もいます。例えば私達が東南アジアに旅して、快適なバスの料金が2,500円、狭くて大人数だけど100円で乗れるバス(どちらも3時間)があるとします。「まあ、大した違いじゃないし快適な方がいいか」と2,500円払う人いるのではないでしょうか?
お金持ちの収入や所有資産からすると、250万円(ファースト)も60万円(ビジネス)も10万円(エコノミー)のチケット代も誤差の範囲、という人も居るのです。例えば72ft のメガヨット(クルーザー)は購入価格だけで30~50億円以上です。年に何回使うか分かりませんが……。
とにかく、バスに乗る感覚でファーストクラスに乗っている人が居ることは確かですし、ビジネスクラスのようにガツガツとしたり、威張ったり、無意味なリクエストをしたりする人が少ないことも確かです。
ビジネスクラスに乗る時はお弁当を持っていくのがお勧め
やはり日本発のビジネスクラスはなんと言っても弁当を自分で用意できるということ。三越などで美味しい弁当を前日の夜か、当日の午前中に購入して持参しましょう。そうすることで機内でのQOL向上間違いなしです、また睡眠導入剤を飲むことでヨーロッパへの到着時間を13時間から30分に縮小することが可能です。これはかなりの豆知識です。お試しあれ。