三倍楽しめるボルゲーゼ美術館の予約方法と周り方

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こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

今日はみなさんに美術館のお話をしましょう。それも私が世界で一番好きな美術館、ボルゲーゼ美術館です。

この美術館についての基本的な説明はもう必要ないかと思います。ローマのテルミニ駅から約1.5キロほど、広大なボルゲーゼ公園の敷地内にあるのが、このボルゲーゼ美術館です。

規模で言えばバチカン美術館やフィレンツェのウフィッツィ美術館には到底かなわないどころか、ナポリのカポディモンテ美術館と大差ないとも言えるでしょう。

しかし収蔵されているのは美しいベルニーニの彫刻の数々、そしてルネサンスやバロックの傑作ばかりです。

さて、この収蔵品についてはまた詳しくご紹介するとして、今日はこのボルゲーゼ美術館の「美術館としての楽しみ方」について少しご紹介いたしましょう。

というのはこの美術館を楽しむには、少しコツがいるのです。

手ぶらかカメラのみを持って行く

ボルゲーゼ美術館には貴重な彫刻や絵画が多数収蔵されていますが、他の美術館に比べても非常に近くで見ることができるようになっています。

その代わりに手荷物の持ち込みは完全に制限されており、どんな小さなハンドバッグでも持ち込むことができません。カメラは肩に直接掛けて、財布や携帯電話が入る上着を着て行きましょう。

ちなみにこんな時に役に立つのが、サファリジャケットです。

CAMICERIA PICCIRILLO “SAHARIANA(サファリジャケット)”

ポケットの中に色々なものをしまってもシルエットが崩れず、しかもエレガントに美術館を巡ることができます。ボタン付きであれば防犯性も高く、パスポートや財布等もしまえるのでとてもおすすめです。

事前予約で9時〜11時のチケットを買う

ご存知の通りボルゲーゼ美術館は完全予約制です。2時間ずつ区切られており、その時間の中で楽しむ仕組みですね。当日行ってもチケットは買えないことが殆どで、10日前くらいに全て売り切れてしまうことが多いようです。

そのため事前予約はもちろんする必要があるのですが、この際朝一番早い時間帯の9時〜11時のチケットを予約しましょう。

2時間制ということもあって、ボルゲーゼ美術館の入場は大勢で一気に行われます。また、退場も一気に行われます。ボルゲーゼ美術館ではどんな小さな手荷物も持ち込めず預ける必要がありますので、朝一番であれば良いですが、11時以降の入場の場合には出る人と入る人で大混雑するのです。

バルやショップ等は9時前から空いていますので、8時40分頃到着し、チケットオフィスでチケットを発券して、先にバルやショップ等見て待つと完璧です。

入場箇所は二箇所あるので注意

ボルゲーゼ美術館の場合は事前に予約をしておき、そのメールの控え等を見せて、地下のチケットオフィスでチケットを発券してもらって入場します。

この時、地下から直接入場する入り口と、一度建物の外に出て階段で登ったところの入り口と二つあります。

地下の入り口から入ると入場開始後10分くらいは一階への入り口が閉じてあり、二階の絵画ギャラリーの方まで直接登る必要があります(9時15分頃行くと普通に一階へ入場が可能)。エレベーターは車椅子専用で、長い螺旋階段なので足腰の弱い人に地下からの入場はおすすめできません。

最初からベルニーニの彫刻を見たい人は一度外に出て、地上正面玄関から直接一階に入場しましょう。

見る順番を考えると快適

ボルゲーゼ美術館のような一斉入場の場合、入場したあとどのように見て回るかによってかなり快適度が変わります。

個人的におすすめなのは、9時に入場したら地下から二階へと直接登り、登って左手のルネサンス絵画から見始めるのこと。

基本的に観光客にとって目玉であるベルニーニの彫刻(プロセルピナの略奪)やカラヴァッジョなどは最初に非常に混雑します。その間、このルネサンスの部屋は一人きりで見られるほど空いていることも多いです。

レオナルド・ダヴィンチの「レダと白鳥」でさえ、一人で見ることができるくらいです。全く、ゼウスになった気分ですね。それが終わったら、今度は絵画ギャラリー反対側のカラバッジョの有名作品や新古典主義的な絵画たちを見に行きましょう。

そして10時前くらいになったら、今度は一階に降りて行きベルニーニの彫刻を見ます。ちなみに10時半にもなれば、一階にいた団体客が全て二階に登っているので、一番有名なプロセルピナの略奪でさえも、閑散としています。

団体客の声を聞きながら見るのとは異なる、圧巻の体験をできるはずですよ。

何度も歩き回ろう

ボルゲーゼ美術館は収蔵品だけでなく、その美術館自体の装飾が素晴らしい。この点がとても気に入っていて、私も何度も見に行ってしまうのです。

もともとベルニーニが活躍した時代の「バロック」というのは、舞台装置としての芸術と言われています。そのためこの美術館の天井や壁面には、立体を駆使した舞台装飾が余すところなく施されているのです。

もちろん部屋の収蔵品に合わせて天井画の雰囲気も変わっており、ルネサンスが多いところはグロテスク模様を中心としたルネサンス風の装飾、新古典主義絵画のところは同じく古典的題材の天井画、そしてベルニーニの絵画のところにはいかにもバロック的な立体に満ちた建築や神話的題材の天井画。とこのようになっているのです。

そして面白いことに、どの場所から見るかによってその雰囲気は随分異なります。

そのためゆっくり一度回って終わりという見方よりは、何度も何度も繰り返し歩き回る方が、この美術館の良さを感じられるかと思います。

 

収蔵品の数は限られているわりに予約制、一斉入場と少し大変な美術館ですが、ボルゲーゼ美術館の独特な雰囲気には大変な魅力があります。

人類の歴史の中でも最高傑作と言われる彫刻と、それを最も美しく演出する舞台装置。いくら彫刻の写真を見ても、その良さというのはこの空間の中で体験しないとわかりにくいものです。

ぜひみなさんも、ローマに来られる際はボルゲーゼ美術館に立ち寄ってみてください。

それでは、ご機嫌よう。

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