1878年に高級時計宝飾店として創業した『WEMPE(ヴェンペ)』は、パテックフィリップ、ランゲ&ゾーネ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲ、ロレックス、IWCなどの世界的な有名ブランドの別注品を請け負うなどドイツだけでなく世界的にも有名なブランドです。
4代にも渡る家族経営の会社が現在のウェンペを築くまでに至りました。その歴史について少し触れてみます。初代はゲルハルト・ディードリッヒ・ウェンペ(1878年-1921年)は開拓者とも呼ばれ、時計職人にである彼は1878年の5月5日にElsfleth an der Weserという街に小さな店を構えました。
時計の販売もする小さな工房で、自分の顧客のニーズに合わせて特別なオーダーメイドを受けていたりしました。
しかし経済低迷によって状況が厳しくなり事業を中古時計の売買に集中することにより乗り切り、彼は時計だけでなくビジネスの才能もあったと「GüldenGerd」(Golden Gerd)と周囲の人たちが呼んでいたほどです。
そこで形成した資産によって、お洒落なショーウィンドウを持つ店を構えて最高品質、手広い製品、最高レベルのアフターケアをすることによってブランドを築いていくこととなります。
1907年にはドイツ・ハンブルクに新店舗をオープン。ビジネスの才能があるウェンペは大都市でも売上を伸ばし、ハンブルクに4店舗を構える時計とジュエリーディーラーとなりました。彼はこのときには世界的な都市に店を構える野心があったそうですが、第一次世界大戦によって諦めざるを得ないことになりました。
ハーバート・ウェンペ(1921年-1963年)は世界的な経済危機から乗り越えるために投資や買収などをして国際的に競争力のあるクロノグラフの技術獲得に乗り出しました。有能な職人へのトレーニング施設も整備して技術向上をしました。
様々な苦労を乗り越えたのですが再度戦争によって崩壊して、1939年に独立で維持できなくなり、1945年には買収されることになりました。
驚くことに最年少の息子Hellmut Wempeが13歳で会社の最初の責任を引き受け1950年に18歳で入社しました。なんと新しいビジネスは成功して1960年代初頭までの期間に会社はハンブルク中に10の支店を設立しました。世界中に29の支店を構えるまでに至りました。
2003年以来は娘が引き継ぎコンセプトである高級時計と宝石を愛しつつ、現在のジュエリーラインのブランディングを築きました。
会社全体では2003年の1億6700万ユーロの売上が2012年には4億4100万ユーロに至るまでに成長しました。ウェンペの作る時計は所有しているグラスヒュッテの天文台と隣接した自社工房で製作されて厳しい規格をクリアしたものだけが出荷されます。