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『一眼レフで雰囲気のある写真を撮る』ボディよりもレンズ選びが大切

年々デジタルカメラが高画質になっていくにつれて、何故か反比例するように撮影する楽しさが減っている気がします。最新のiPhoneは一昔前のハイエンド一眼レフよりも高性能になり、手ブレ補正と優れたISO感度の増感によって光源のない真夜中でもキレイに撮影できるほどになってしまいました。

なぜ若者はレトロフィルターを使う?

これほど写実的で再現性が高いカメラと画像処理エンジンが搭載されているのに、若者たちはなぜかレトロなフィルターを使っています。酷いとせっかくデジタルカメラが普及したというのに、フィルムカメラを誤って感光されたようなエフェクトを使って写真を撮っていることもあります。なぜレトロフィルターを使っているのか考えてみたのですが、カメラが高画質化して目で見る現実との差が少なくなったことと、そのアンチテーゼとして古いものが良く見えているのではないかという結論になりました。

カメラ屋の墓場にあるような古いデジタルボディと古いレンズで本格的なレトロが楽しめる!

何度か大人本でも紹介しましたが、キヤノン EOS 5Dという古いボディ(中古品の実売価格2~3万円)と、ZEISS Planar T* 50mm f/1.4 ZE(中古品の実売価格4万円)という組み合わせで雰囲気のある写真を撮影してみます。

まずは比較用のiPhone 12 Pro Maxの写真を載せてみます。
写実的で固く、シャープかつコントラストの高い絵になっています。

ポートレートモードを使うとこんな感じです。
手前がくっきり、奥がボケて一眼レフ風になります。

こちらもです。リリース直後のポートレートモードは精度が低くとても使えたものではありませんでしたが、2021年にもなると画像処理た対象の検出精度が上がり信じられないほどに自然な雰囲気になっています。
ただ、面白味のない写真ではあります。

ZEISS Planar T* 50mm f/1.4 ZE×Canon EOS 5D

めっちゃかわいい!色味と境界線の溶け具合、前と後ろのボケが柔らかく硬い硝子が溶けてしまっているようにさえ感じさせます。映画の一コマのような描写です。

こちらも素敵な写真に。プラハのカレル橋で画家が水彩で描いているようなタッチになりました。
輪郭さえも溶けてしまってバラの絵だけがくっきりと写り、後はぼかしているように見えます。

収納のガラス戸棚越しに撮ってもこんな雰囲気になります。

吸い込まれそうな深い蒼色は彩度が低く、落ち着い気があり重厚な存在感があります。
横の切子細工のガラスは途中で描くのが面倒になった画家の作品のように抽象的に変化しています。

無垢紫檀キャビネットの戸の彫刻。
拡大するとその細かさと、点描に圧倒されます。

生活感あふれる写真ですが、冬の昼過ぎのベッド横なんだなぁと思わせる色味です。
光の入る角度と空気の感覚で、撮影した季節や時間が推測できます。

ZEISS Planar T* 50mm f/1.4 ZEは開放では幻想的なボケをみせますが、絞ると古臭いフィルムカメラのような彩度の低く沈んだ写真になります。それが今となっては新しく感じるのですが、使い方は本当に様々です。

お昼の雑に入れた自分用のアイスティー
拡大すると光が差し込んだ部分がキレイに反射しています。

お昼ごはん変わりの冷凍ポテトを揚げただけの写真。
しっかり絞るとこんな硬い描写になります。このレンズだけで一年間のライフログを取ったら、なんか今の世界が別の方向から見える感じになりそうですね。

最新のボディと最新のレンズの組み合わせは、制限が無く便利で報道写真のような高品質な写真が撮れます。そんな高画質にうんざりしてしまった人には、少し古いレンズで遊ぶと低予算で雰囲気のある写真が楽しめますよ。

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