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ワイン選びに『サクラアワード』は警戒?最高賞がイマイチだったときはどうする

え!? 本格シャンパン製法の美味しいクレマンが税込2,000円に収まる!?また釣られてしまったのである……。

さすがにボルドー農業コンクールのような謎の金メダルに引っかかることは無くなりましたが、日本の女性ソムリエ達がブラインドテストで点数をつける「サクラアワード」なら大丈夫だろう!と高をくくって購入してしまいました。

美味しいスパークリングワインの見分け方

あまり名指して不味かったとレビューしても仕方ないことなので、「安いクレマン・ド・ボルドーは危険」とだけお伝えしておきましょう。
一口飲んだ瞬間に、エグ味を感じて10分もしないうちに頭がガンガンしてしまいました。格安のスプマンテやプロセッコ、クレマンにありがちな強烈な酔い方は添加されているリキュールのせいなのか、混ざっている物質が原因なのか分かりませんが、とにかく悪い酔い方をします。

本当に良いワインは、仮に一人で1本近く飲んでも頭がガンガンするような痛み方はしない傾向にあります。ハーフボトルの375ml程度であれば、一切頭痛や気持ち悪さが無く、翌朝も心地良く起きれるほどです。
悪いワインというのはグラス1杯飲んだだけで、頭痛がしたり、気持ち悪さが出たり、肌が痒くなったり、強烈に赤くなったりするのが特徴です。品質が低いほど頭痛が酷く頭が割れそうに痛むワインもあります。

翌朝に感動できるワインは、真に美味しいワイン

スパークリングワインというのはインチキが通用してしまいます。その理由はガンガンに冷やして、炭酸も入っているので、あまり美味しくないワインでも飲めてしまうのです。
例えばコカ・コーラなんかは、炭酸が抜けた常温では絶対に飲みきれませんが、キンキンに冷えていると350ccを飲み切ることもできますよね。同じように冷えている炭酸は飲みやすいのです。

ワインが瓶に少し残ったままであれば、翌日そのままの温度で口に含んでみてください。
「わぁ、芳醇な花々やフルーツの香り!熟れた果物のような甘さと酸っぱさがある」
翌朝、炭酸が抜けたスパークリングワインを飲んで、このような感想が出たら1流の素晴らしいワインです。たいていアルコールの質が良く、身体にも良いです。

問題は、翌朝のんで「うわ!何これ!?こんなの昨日飲んでたの!?」ってほど不味いワインです。口に含んだ瞬間、シンクに吐き出してうがいしたくなるようなスパークリングワインも世の中には数多く存在します。
それらは良くないワインです。常温で飲めないものは本来冷やしても飲んではいけません。

本当に美味しいスパークリングワインは翌日の昼すぎに氷を浮かべて飲みたくなる

例えば高価格帯で優れたシャンパーニュなんかは数日間飲むことができます。サロンやクリュッグ、アンリ・ジロー、エンクリ、エグリ・ウーリエなど1万円以上のシャンパーニュは極めて質の高いものが存在します。

今年の夏に「プレミアムシャンパンくじ」という企画ワインを10本ほど引いて、様々なシャンパンを連続で飲み比べてみたのですが、安くても美味しいシャンパーニュ、高くても添加アルコールのような強烈な味のものなどが混在していました。この例では協同組合のサンガールNVが強烈な添加アルコールで頭痛がしました。他の生産者は美味しいものが多かったです。

シャンパンは美味しくて、安いスパークリングが不味いか?と聞かれればそうではありません。
ジョルジュ・グラントネイの「クレマン ド ブルゴーニュ」なんかは、最初に紹介したサクラアワードのワインと同じように「クレマン」という単なる発泡ワインのくくりです。ですが、飲むとその鮮やかな洋梨のような香りと白い花々が、ぱっと浮かび上がってきて感激を受けました。今度2人で飲む用として試飲をするつもりが、あまりの美味しさと高揚感で1人で1本(750ml)のほとんどを開けてしまいました。
不思議とそれだけの量を飲んでいたのに、頭痛は全く無く翌朝もすっきり目覚めることができました。ジョルジュ・グラントネイは、ブルゴーニュのヴォルネイに拠点を置く優れた赤ワインの生産者ですが、彼らがいかにワインを丁寧に作っているか、専門外といって良い発泡ワインでさえ感動を与えるレベルのものでした。

このグラントネイのクレマンは最後1グラスほど残っていたのですが、翌日の昼に恐る恐る瓶に鼻を近づけると、中から今度は熟れた洋梨の香りが出てきてうっとりしてしまい、平日の午後なのに氷を浮かべてクイッとやってしまいました。

コンクールは一つの目安にするのがベスト

全てのサクラアワード受賞ワインを飲んだわけでないので、一概にダメだと思いませんが、「ダイヤモンド(受賞数はエントリー数の約1%)だから絶対に美味しい!」という先入観で決めつけてしまうのはもったいないと思います。

日本人は昔からグランプリや品評会が大好きで、一時モンドセレクションが人気を博しました。あの超有名ビール、プレミアムモルツもモンドセレクションの金賞受賞を謳っていました。モンドセレクションは2017年度の応募数が2965点。応募のうち2691点が最高金賞、金賞、銀賞、銅賞のいずれか授与されて90%以上がなんらかのメダルが貰えます。世界のコンクールという割には日本が半数以上を占めているので、最近はあまり宣伝効果が乏しくなってきているそうですが。
少し話がそれてしまいましたが、コンクール受賞だから美味しい!受賞していないから不味い!と決めつけてしまうのはもったいないです。

コンクールに出品さえしていない生産者でも、丁寧に作って心の底から本当に美味しいと思えるワインも数多く存在します。一方でサクラアワードのようなコンクールは日本人女性が実際に試飲して評価しているので、統計学上では日本人女性の味覚に高い確率で合致するともいえなくはありません。

私のような曲がりなりにも洋酒に文句をつけている男性には口に合いませんでしたが、一般的な女性にプレゼントするのであれば上記のワインが適切かもしれません。
そんなワケで、コンクール受賞ワインを試してあれ?と思ったら、コンクールに参加していないワインも試してみてくださいね。

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