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【渋谷 松濤美術館】デミタスカップの愉しみに行ってきました

お久しぶりです、はっしーです!こんばんは
え?最近の記事ほとんど、はっしーじゃねえかって?
まあそういった意見もありますよね……

開き直って、本日は渋谷の高級住宅街といわれる松濤にある美術館に行ってきました!目的は流行りのデミタスカップ展です。一応、カップ&ソーサーマニアを自称しているので開始前から見に行きたいなと思っていました。

「デミタスカップの愉しみ」

濃いコーヒーを飲むための小さなコーヒーカップ「デミタス」。19世紀のヨーロッパにコーヒー文化が浸透すると、デミタスにも多彩なデザインが誕生しました。
本展では2000点以上のデミタスを所蔵する村上和美氏のコレクションから、ジャポニスムや、アール・ヌーヴォー、アール・デコのデザインを中心に、厳選した約380点をご紹介します。当時の流行を反映したもの、“超絶技巧”ともいえる繊細な装飾が施されたもの、様々な意匠を凝らしたものなど、小さな世界に凝縮された美しさをお楽しみください。

※新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、土・日曜日、祝日および10月5日(火)以降の最終週は「日時指定制」となります。詳細はこちらをご覧ください。

デミタスカップの愉しみ

ティーウェアの中での絞り込んだコレクション

枕草子『うつくしきもの』を引用して、小さいものは可愛い=愛しいという解説をしていましたが、日本には小さいものは可愛いという概念が存在します。
カップ&ソーサーは東洋からヨーロッパに伝わった茶器ですが、そのなかでもデミタスカップというのは珍しいものでした。コーヒーを飲む前は貴族がチョコレートカップを使って朝からホットチョコレートを飲んでいたのですが、次第にコーヒーや紅茶を嗜むようになりました。

デミタスカップを使うようになったのは、19世紀初頭にナポレオンの大陸封鎖令によって植民地からの砂糖やチョコレートの供給が著しく減少してしまい、飲める容量を減らしたことから普及したといわれています。

19世紀末に流行したアイスクリームの「ペニーグラス」も同じように、ごく小さな底上げグラスが1ペニーで、ひとなめ分楽しめるようになっていました。量をへらすという食器という意味では少し似ています。

デミタスカップだけを集めたコレクションで、その大半が村上和美氏が集めたもので、一部がアンティーク商のロムドシンやリボンアンティークス(ポスター)が所有するものです。

2000客以上のカップ&ソーサーを所有する村上和美氏のコレクションですが、どれも素晴らしいものばかりでした。
時代ごとに展示されていて、古典的なシノワズリからアール・ヌーヴォー、アールデコと推移するように飾られています。状態も良く、一部貫入など入っていましたが実際に使えるようなコンディションのものばかりでした。

こんな事をいうと怒られてしまうかもしれませんが、「デミタスカップの愉しみ」は夢がある展示だと思いました。
なぜなら私が所有しているカップ&ソーサーが3客ほど展示されていて、小学生のように「わ!これ持ってる!」となってしまいました。カミーユ・コローやウジェーヌ・ブーダンのなどバルビゾン派の風景画を所有している人はまず見かけませんが、カップ&ソーサーであればそれが19世紀のものであっても入手が可能だということです。

美術館に展示されているデミタスカップは非常に希少な1点ものも存在しますが、世の中に数百個以上流通しているものも混じっています。そういった意味では、美術品を数万円のコストを支払うだけで飾ってあるものと同じものを手に入れれる可能性があるので、よりワクワク楽しむことができました。

同じようなコレクションでラリックやバカラ、フランソワ・コティなどの香水瓶コレクターがいますが、こちらはマニアが世界中におおく一つ当たりのオークション取得価格が天文学的数字になってしまいます。ちょっとした香水瓶でも数百万円することを考えるとカップ&ソーサーのコレクションは数万円から10万円もあれば十分に美術品級を手にいれることができるのでコスパが高い趣味といえそうです。

マイセン、KPM、ミントン、ウェッジウッドなど名門コレクションが多数

関心したのがカップ&ソーサーの解説パネルで2階にあった、各ブランドの派生解説図です。マイセンからの分離した流れや、ロイヤルウースターひとつとってもバー期、フライト&バー期など細かく時系列に沿って解説しています。
B&Gとロイヤルコペンハーゲン、ミントンとウェッジウッドなど混同しやすいブランドがひと目で分かるようになっているのは勉強になりました。

まあそんなわけで、展示を見て帰りに喫茶店で早速カップ&ソーサーでコーヒーを飲みたい気分になったのでした。

コレクションの展示即売会や、帝国ホテルのようにアンティーク食器を使った喫茶部門などあったらより楽しめたのですが、コロナや様々な事情により難しいのでしょう。村上和美氏は今までも何回か展示会をしており、前回の図録も所有しているので次回の展示も愉しみです。

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