今年になって初めて「ファーイーストバザール」の存在を知りました。お土産でミックスナッツとドライフルーツを食べたのですが、信じられないほどに香りが豊かで濃厚な甘さ、この世のものとは思えない鮮烈な体験でした。調べてみるとファーイーストバザールは材料を世界各国から買い付けているそうですが、特にトルコやエジプト、パキスタンなど中東の市場から持ってきたドライフルーツは食べたことのない香りを楽しむことができます。
中東やギリシャ、スペイン、アメリカ、ウガンダ、ペルーなど世界各地から厳選されたドライフラワーが並べられています。100gから購入できるので、好きなものだけ詰めてもらえます。
今回の狙いは、椰子の花蜜で甘さをつけたジェラート。
持ち帰りもできるのですがイートインスペースで、アラビックコーヒーと一緒に注文してみました。
イートインで頼むと、飾り付けにドライフルーツを添えてくれるんです。
好きなジェラートを二種類選べるのですが、抹茶とパンプキンにしてみました。初めて食べる人は椰子の花蜜バニラがおすすめです!
ドリップコーヒーも選べると案内されたのですが、ここは古式にアラビックコーヒーを選んでみました。長いハンドルがついた銅のポットに、グラインドの豆が混ざったコーヒーが提供されます。
それを自分で右のトルコ風カップに移し替えて楽しむという本格的な演出です。
インドネシアなど東南アジアの一部でもこのようにフィルターしないコーヒーを飲むそうですが、最初は「不味いかな?」という印象を受けていました。
ところが一口のむと、焙煎したアーモンドのような甘い香りとともに濃厚なコーヒーの味わいが本当に美味しいです。フィルターのコーヒーはサイフォンやネルなど様々なものを飲んでいますし、エスプレッソもイタリアでさんざん飲んできましたが、このようなコーヒーの味わいは初体験でした。
ジェラートは素材由来の香りが濃厚で、市販のアイスとは全くもって香料の方向性が異なることが分かります。良いフランス香水のパルファムに近い、凝縮された香りと旨味を感じます。
また花蜜由来の糖分のためか、単に甘いアイスクリーム屋とは別物の深い甘さで、それが飽きること無く食べ続けることができます。
唯一失敗したなと思えることは、自身の環境です。乾燥した砂漠を歩き続けて体の水分も大量も限界まで失った状況こそ、真の美味しさを味わうことができます。
標高のある山を2キロほど歩いたことがあるのですが、1時間以上全身の筋肉を使った後に食べる一欠片のチョコレートはいつも食べている味とは全くことなりました。
そこまでストイックになる必要はありませんが、飽食の時代で精製された糖分をいつでも簡単に手に入れられます。ですので、ファーイーストバザールでジェラートを食べるのであれば、行きの電車を2~3駅離れたところから乗ったり、午前中に空腹のまま数時間歩いてから食べれば本当の美味しさを得ることができると思います。