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道路渋滞と若者のMT者(マニュアル)離れ【国産車・輸入車】

20年前は高速道路から山道、吉野家の駐車場までMT車が数多く走っていました。2021年になる今では、都心で走るMT車の数は非常に少なくなっています。一部の軽自動車やバンにはマニュアル車設定がありますが、現行の市販車ではカローラスポーツ、86、C-HR、ヤリス、フェアレディZ、シビックタイプR、S660、コペン、ロードスター、それにマツダの一部車両などにとどまっています。
本当に数えるほどしか発売されてない実情がマニュアル離れを物語っています。

慢性的な渋滞が原因?

私も5年以上マニュアル車に乗っていたのですがBMWに乗り換えるときに、ついに楽なオートマチックを選んでしまいました。2008年頃からオートマチックの性能が急激に向上して、加速のロスが少なくなりマニュアル車に近い性能を持つようになりました。またDCT(デュアルクラッチトランスミッション)やセミオートマチックのように、実際にクラッチが内蔵されているけれど自動で変換してくれるような機能も普及しました。
とくにDCTはGT-Rが採用したことで有名ですが、普通の人がマニュアルで操作するよりも変換速度が早くサーキット走行でも良い結果を出せることが証明されてパラダイムシフトが起こりました。

ただし、個人的な意見ではマニュアルが減った原因はオートマチックの性能向上だけでなく、もっと根本的な問題があると思っています。
東名高速道路は90年代から次々と工事によって道が改良されて、新東名高速道路まで開通して分散するようになりました。ところが、実際に走ってみると2000年初頭と比べると混雑しているように感じます。実際にネクスコの資料を見ても、コロナウイルス感染症で外出が非常に少なくなった2020年でさえ2008年頃よりも混雑しています。2019年のまま順当に推移した場合は1,000時間を超す勢いです。

https://www.e-nexco.co.jp/activity/safety/detail_07.html

道がきれいに整備されて、ETCの普及による料金所の混雑解消、電光掲示板の普及やネットワークによる混雑状況の把握と告知、SAの混雑状況モニター、車の性能向上やナビの普及など様々な渋滞解消の要因があるにもかかわらず、混雑しているのは車一台一台が、状況に応じて適切な走行ができなくなったという原因もひとつに挙げられます。

またトラックのスピードリミッターの義務化や、デジタコによる運行管理によって速度が出せなくなっているにもかかわらず荷物の納品時間などで右車線を塞いでいることも渋滞の原因のひとつです。高速道路を乗るとトラックが追い越すのに3分以上かかるケースもよく見かけます。

渋滞のマニュアル車は地獄

一度渋滞すると、気持ちの良い運転ができるはずのマニュアル車は地獄のクラッチトレーニングに成り下がってしまいます。マニュアル軽自動車のクラッチであれば軽いので良いですが、スポーツカーなんかは膝を痛めるほど重いものもあります。
混雑していないときは全く気にならないクラッチも、一度トロトロの大渋滞に巻き込まれると「二度とマニュアルに乗りたくない」とさえ思ってしまうほどに大変です。一時間以上も半クラッチと停車を繰り返すと、腕で膝を押さえてしまうほどに疲れてしまいます。

そのためか慢性的な渋滞になりやすい都心ではマニュアル車が少ないです。むしろ混雑しにくい田舎に行くといまだに元気に走るスポーツカーを見かけます。駐車場の費用や車種の嗜好なども影響しますが、渋滞による影響もあるはずです。

今後もっと憂鬱になる日本の交通事情

日産のプロパイロット2.0をCMで見かけたことがあると思いますが、手放しの自動運転も少しずつ普及しています。今後さらに自動運転の普及が加速すると思いますが、問題もあります。

例えば首都高速道路は制限速度が60km/hですが、実際には大型トラックさえ80~90km/h。通勤時のカローラなんかは100km/hで走行しています。それもたまに速い車両があるのではなく、数十台単位で日常的に速度超過をしているのです。
もし二車線とも50km/hで走行したらあっという間に渋滞してしまい、パトカーさえも「もっと速く走りなさい」と指示するかもしれません。このダブルスタンダードが問題です。

自動運転の場合は法定速度に合わせて走行するので、どんなに空いている首都高速道路でも59km/h未満、空いている山道でも30km/hの規制があればそのスピードで走行します。
国道1号線も60km/hで走行するので、普及するほど道路が混雑するという寸法です。

これではまるで「エスカレーターの右側を立ち止まる条例」を発令しながら、右側は歩いて上る人用に空けて置くのがルール!としている鉄道会社と同じです。矛盾する2つのことを求めているので渋滞は悪化するばかりです。

マニュアル車は空いている田舎の嗜好品になる?

私自身マニュアル車は大好きですが、今後乗るか?と聞かれたら「よほど田舎に引っ越したら」と答えます。地方都市でも高齢化や自動運転、スマホ操作やテレビみながら運転などで、日常的に道路が混雑するようになりました。
むかしは高速道路の右車線もガラガラで、渋滞も少なくメリハリのある運転だったなあと懐かしみながら、オートマチックのクルーズコントロールでだらだら走るようになってしまいました。

マニュアル車離れは数多くの理由や事情があるかもしれませんが、その中のひとつは道路の渋滞が影響していると思います。

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