葉巻の値段「高級=美味しい」とは限らない?

一人暮らしの教科書

「千日の稽古をもって鍛とし、万日の稽古をもって錬とす。」鍛錬の語源にもなっている宮本武蔵の名言ですが、何事も日々修行!仕事や学問はもちろんですが、茶や酒や煙草もしっかり修行を積まないと本質に辿り着くことはできません。わたくし三十歳になるまで嫌煙家として煙草を忌み嫌っていたのですが、人生苦しいことの連続で三十路になってついに葉を嗜むことに決めたのです。それでもシガレットの臭いだけは許すことができずに未だ葉巻一本です。

葉巻の魅力というのは市販のシガレットと異なり不純物がないということです。大きなタバコの葉を収穫後に選別、葉脈を取りトリセドールと呼ばれる巻き師が手作りで葉巻を作るのです。中にはビンテージ年数を銘打つものもあり、葉の状態で何十年も熟成させて別の産地の葉と組み合わせて作られるシガーも存在します。
外を覆う葉をラッパーといい、中の葉をフィラー、それを支える部分をバインダーといいますが全て同じ葉を使うことがおおいですが、全く別の年数の別の葉を使いオリジナルの香りをブレンドすることもあります。

葉巻の値段「高級=美味しい」とは限らない?

まず日本で流通している葉巻の値段は海外の2倍近い価格がつけられることがあります。少し大きなたばこ店で売っているダビドフやコイーバは、アメリカやイタリアで買うよりも1.5倍ほど価格が高いです。それらの国の空港免税店では日本の価格の半額近い価格で売られることもあります。

また日本はタバコの法律上で販売価格が決定されていて値引き販売が絶対にできません。タバコの値段は全国で一律になるように操作されています。ところがアメリカなどは過剰在庫やプロモーション用として、ダブついた在庫を安くセールで販売することもあるのです。

さて話を戻すと、日本では1本6,000円近くするダビドフのロブストが国外では3,000円以下で流通していることもあるのです。そしてダビドフの例では正式名称が「ダビドフ オブ ジュネーブ」となっている通り、ブランドがキューバやドミニカにありません。いわば買い付けの葉でシガーを製造して販売しているのです。そうなると価格は高価なのに、キューバで製造直売をしている小さな葉巻生産者のほうが良質なシガーを作ってることもあるのです。

ですので、無名で美味しい1,000円の葉巻と、銀座のダビドフ直営店で買った6,000円の”ブランドモノの”葉巻の味が同程度ということもあり得るのです。これはワインやウイスキーなど洋酒にもありがちなことですね。

同じブランドでも修行度合いによって味が違う?

上記写真はロッキーパテルのヴィンテージ、ヌーメロ6、ハムレット、エッジ、クオーターセンチュリー、スペシャルエディションなどが写っています。
私自身まだまだ初心者なので、入門用の”エッジ”の口当たりがライトで煙もマイルドで気に入っています。日々真剣に葉巻の修行をこなしている吸い手であれば、ヴィンテージ1990、そこからハムレットやクオーターセンチュリーの方が美味しく感じるそうです。ヌーメロ6は某葉巻代官様は「ロッキーパテルシガーの中では、最もあっさりした喫味だと言ってよいだろう。午前のティータイムを愉しみながら、気軽に喫すると良い。」と総評を残していますが、初心者が2時間掛けて吸い切るころには確実にニコ当たり(ニコチン酔い)で床に倒れてしまいます。

実際に私がヌーメロ6を一本吸った後、あまりのニコチンの強さに床に倒れ込んでしまいました。初心者にはエッジのカンデラから初めると午後の日差しの中ビールでも飲みながらスパスパ楽しめて気軽で良いですね。そんなワケで、葉巻はブランドや吸う人の熟練度によって美味しさが左右するので必ずしも「高級=美味しい」とは限らないのです。

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