よく赤ワインには肉や煮付けなど濃い料理、白ワインには魚などを合わせると良い、と教える本を見かけます。
確かにその通りで間違っていないのですが、見落とされやすいのがシンプルな食材です。
料理にもならない一つの食材でもワインに合うこともある
例えばトマトやチーズ、オリーブの実、キャロットラペなど、食べ物が持っているミネラル感が白ワインのミネラルに合っていると単純なものでも感動的なペアリングになることがあります。
赤ワインの場合は、土付きゴボウをゴマ油で素揚げして岩塩をかけただけのもので1本やれてしまうようなこともあります。野菜や魚には特有のミネラル成分を持つものがあるので、力強い赤ワインには地のエネルギーがある土の中の野菜、さっぱりとしてエレガントな白ワインには軽快なミネラルを持つ淡白な魚、ハーブ、フルーツなんかを合わせるのがおすすめです。
中でも簡単なのがドライトマトとオリーブを和えたものに、新鮮なバジルをのせるおつまみ。
ここに鮮度の高いオリーブオイルをかけることで白ワインをあっという間に飲みきってしまいます。
酢の物とオリーブオイルは相性が良く、オリーブ特有の苦味もまた白ワインにぴったりです。
白身では鱧(ハモ)の湯引きに岩塩を少しかけたり、自家製の梅肉をつけてもワインに合います。
ここで大切なのは市販のドレッシングやソースを使うと、ただのお惣菜になりさがってしまうことです。
美味しいワインは繊細な飲み物なので、シンプルな調味料だけを使って料理するのがコツです。
ワインにあわせる乾物を常備しておくと便利
口直しにナッツや全粒粉のクラッカーなどを用意して、それにマーマレードや栗などのジャムをつけても楽しめます。特にナッツ、ドライフルーツ、クラッカー、ジャムは手頃な値段で買うことができ長期間保管できるので常備しておくと便利です。
ここで失敗しやすいのがチョコレートです。チョコレートは確かにワインに合うこともあるのですが、その油分がグラスにうつってワインの味が変わってしまったり、味覚が落ちてしまったりすることがあります。
牛肉もしかり油分の多いものは、非常に重いパワーのあるワインだけに合わせるのが無難です。
例えばオーストラリアのシラーズや南フランスのグルナッシュ、アメリカのジンファンデルといった強烈な濃さを持つワインであれば油分に負けることはありません。ボルドーワインに使われるカベルネソーヴィニヨンやメルローは、意外にも油分に弱く香りが変質しやすいので、ナプキンで口をぬぐってからワインに口をつけて楽しむと変化せずに楽しむことができます。
白ワイン、赤ワインともに刺激物や油分が多すぎる料理には合わないことがあります。
中華料理や韓国料理などには、ソムリエのような適切なワインの知識を持っている人でないと合わせるのは難しいです。そういった料理には無理にワインを合わせることなくビールや、その土地で作られたお酒を合わせるほうが良いかもしれません。
ただ和食はワインに合う料理がおおく、特に淡白な味わい、素材を引き出すシンプルな調理方法の料理はワインに合うことが多いです。ハッサクや甘夏、夏みかんに白ワインをあわせるのも面白いかもしれません。
8月も終わりに差し掛かってきましたが、夏のワインに挑戦してくださいね。