アンティーク・ヴィンテージ家具の買い方と選び方

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ささっとメモ書き程度ですが、アンティークやヴィンテージの家具の買い方と選び方を紹介します。

東京の一等地でアンティーク家具を買ってはいけない

余程、予算が潤沢にある場合は別として都内の一等地でアンティーク家具を買うのはお勧めできません。なにしろ土地代が高すぎて従業員や店の維持費が直接的に家具の価格に反映されています。
例えば栃木県の那須高原の某店で売られているイギリス製1950年代頃、マホガニーの丸テーブル。
那須高原では3万円+税、都内の某百貨店に入っているアンティーク屋では同一のものが28万円+税で売られていました。なんと10倍近い価格になってしまう事もあるのです。

百貨店でピカピカに磨き上げられて丁寧な対応を受けて、配送も無料なので便利ではありますが、手頃な価格で欲しい!という人にとっては高価であると言えます。人件費などを考えると仕方のないことです。
一方で那須高原の店は、工場の跡地のような僻地にあり乱雑に積み重ねられて、ホコリまみれの中で掘り出すという状況です。イギリスから輸入されたまま積み重ねられています。中間マージンや経費などが削減されているので極限まで安い価格で手に入るのです。どちらが正しい訳ではありませんが、予算に限りある場合は安いものを掘り出すのも楽しいです。

年代もしくは、せめて国を統一する

まるで教会の調度品を思わせる、重厚な英国のゴシック様式の家具と、フランスの綺羅びやかで色鮮やかなロココ様式のソファーなど、時代や国がチグハグになって揃えている人をしばしば見かけます。
特に美術や歴史について詳しくない人は陥りやすいミスです。テレビ番組などでアメリカ人が「和風」と称して中国や韓国、タイなどの様々なテイストを取り入れた部屋を作ったりするのを見たことがあるでしょうか?
同じように見る人が見ればどの年代か国かすぐに分かってしまいます。

ゴシックなら全てをゴシック様式に、飾る絵画まで中世のものを選ぶと良いです。軽快な雰囲気を出したければ近世のイタリア家具なんかは揃えやすいです。30~100年ほど前のイタリア家具は、象嵌細工や突板貼り、彫刻などエレガントでありながらロココのようにくどくないので揃えやすいテーマです。絵画もルネサンス時期のイタリアを選べばハズレはありません。もちろんそれ以前や新古典主義や古代ローマ建築をモチーフにしても良いです。

ファブリックは古すぎないものを

そうは言っても古すぎるファブリックは汚い可能性が高いです。ゴブラン織りなどネットで適当に買うとボロすぎてハウスダストになってしまいます。意外にも椅子についている生地でさえ古いと汚いものです。張り替えてあるものや、2000年前後のものを選ぶと綺麗です。
難しいところは、年代が新しすぎると品質が落ちることです。特に彫刻や鋳物の型抜き、木材、象嵌の細かさなど最近のものはめっきり良いものが減りました。

理想的なのは1900~1960年代の手彫りのものや、貴族や屋敷に向けて作られたものをリメイクしたものです。当時数百万円相当でオーダーされたであろう家具が、ネットで10万円程度で手に入ることもあるので、根気強く探すことです。

ガラスは古いものは美しい

問題はガラスです。古くて薄いガラスはため息が出るほど美しいです。少し歪んていて気泡が入っているような時代が良いでしょう。四方に角度がついている処理がされているものなど様々です。歪曲して作られているキャビネットなどもあります。これらは非常に繊細で運搬中に破損したり、些細な衝撃でいとも簡単に割れます。

そして割れると絶対に再現することはできません。現代のガラスで修復すると違和感が残ります。ガラスを確認するときも手をグーにしてノックするのではなく、中指でコップを弾くようにして軽く叩く程度に留めておくべきでしょう。
購入後は信頼のできる業者か自分で車を借りて取りに行くのがベストです。毛布やエアキャップを活用して運搬すれば、割れる確率はぐっと下がります。

買ったあとはどんどんメンテナンスしよう

買ったあとは好きにメンテナンスするべきです。多くの人は家具のメンテナンスに対して無意識なので、買った状態ではバサバサのカピカピでひどい事もあります。オイル仕上げであればオイルを足したり、汚れを取ったり、浮いた部分を接着したり、紙やすりで磨いたり、鋳物をブラッシングしたり簡単な作業で綺麗になります。腕が器用であれば、椅子のファブリックの張替えなどもDIYでできるそうです。

シンプルな家具の場合はカスタマイズも可能です。例えばガラスのキャビネットを買ったならば奥に布の壁紙を張ったり、革を貼ったり、金具をゴールドに塗り直したり、少しの手間でぐっと雰囲気が良くなります。

ちなみにボロすぎて臭い家具はベランダなどに出して次亜水をかけて、数日放置するとマシになります。直射日光は本来は家具に良くはありませんが、そういったニオイの緊急事態の場合は直射日光に当てると原因のニオイが分解して改善することもあります。ニスなど塗料をばんばん塗ってしまうという方法もあります。

アンティーク家具、どこで良しとするか・・・

最大の問題はどこで妥協するかです。家具を買うと、カーペットや床材が気になり、壁紙やモールディングが気になり、アンティークのシャンデリアを購入したり、オールド食器を揃えたり無限にやりたい事が出てきます。
ですが現実は家の間取りを六角にはできませんし、数百平米の天井3メートルにはできません。窓から見える景色もコッツウォルズのような湖畔という訳にもいかないので、どこで妥協するかです。あっさりと絨毯+壁紙程度で満足してしまうのがベストかもしれませんね。あ、でもシャンデリアも欲しい…。という無限ループなのです。

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