二輪免許を取得したのは、もう今から15年以上前の2008年頃なので、現在とは情報が異なっているかもしれませんが、当時の話として紹介してみます。
16歳で原付免許取得
高校ではバイクの免許取得は禁止されていましたが、免許を取得したからといって公安委員会から学校に連絡が入ったり、行政の指導が入るわけではありませんでした。 実際に、法律上16歳を超えていたら高校生だとしても免許は取得できると言う法律になっているので、曖昧になっていました。
そんなわけで、こっそり取得する計画を立て三日間本で勉強をして、無事取得することができました。 1つ衝撃的だったのが、免許を取得すると1時間ほどの原付に乗っての練習があるのですが、全員が書類試験しか受かっていない状況でバイクに突然に乗るので、事故が起こらないかハラハラしていました。
中型自動二輪免許取得記
原付バイクはレッツ2というスクーターを購入して、半年ほどでホンダのNS-1というミッション車に買い替えました。 50ccでもマニュアルバイクというのは楽しく、この時にバイクの楽しさを知りました。
この頃から、「もっとパワーのありカッコイイ、中型バイクが欲しい」と毎晩ネットで情報を収集していました。
当時17歳で、本当にお金がなくバイト代も月に30,000円程度でしたので、とてもでは無いですが教習所に通って免許取得することは不可能でした。 いろいろ調べてるうちに、教習所に通わなくても、試験場で筆記試験を合格すれば「一発試験」と言うものを受けられるということを知りました。
原付の問題は非常に簡単でしたが、中型自動二輪の筆記試験は普通免許(車)の問題と完全に共通です。 そのため難易度はかなり高く、一般的な人たちは教習所で講座を受けますが一発試験を挑戦する人は、自分で独学をしなければなりません。 今でこそYouTubeや動画の講義を探すことができますが、当時はそのようなものはなかったので書店で3つほど本を買って1ヵ月以上勉強しました。
筆記試験に1回落ちる
筆記試験も、技能試験も平日しかやっていないので時間を作って朝8時に運転免許センターに向かいます。残念ながら1度目は筆記試験の時点で落ちてしまいました。 この試験にも確か5000円ほどかかっていたので、何度も落ちるとあっという間に負担が大きくなってしまいます。2回目はかなり真剣に勉強して無事に通過できました。
ここからが本当に難しい技能試験の始まりです。 今でこそ、運転免許センターの試験では、バイクに乗車しながらスピーカーで指示を受けて曲がる方向を教えてもらえます。 ところが2008年当時受けた運転免許センターでは、まだその仕組みが導入されておらず、早朝に3種類のコースから1つが張り出され、試験内容が発表されます。
今思うと非常に厳しい試験で、5分程度のコースを短時間で丸暗記しなければなりません。 道を間違えてしまうと、戻るまでもカウントされてしまい、それだけで不利になり多くはパニックになりミスを連発してしまいます。
乗車時に既にマイナス点
試験は減点方式で、軽微なミスでは5~10点のマイナス、車の前に飛び出したり信号無視したり、車線を間違えたりすると即時停止になります。 この技能試験を6回ほど受けたのですが、毎回の試験人数は10人程度でした。 その中でも2〜3人は、この危険運転と言うことで即時試験中止と言うペナルティーを受けていました。
教習所での試験よりもかなり厳しく、落とすための試験と呼ばれていますが、これは本当です。 まずバイクに乗車する時も、いちど後ろを振り向いて車が来ていないか確認してバイクに跨ぎます。そしてスタンドを戻したり、エンジンを付けたりするのですが、ウインカーをつけて発車時にも再び後方確認が必要です。
受験者の中には、この時点で既に減点されている人が目立ちました。 バイクの試験では右足を着くときは必ず後方確認が必要になります。一時停止等でも例外ではなく、この時に点数をとられている人がいました。
当時のネットの情報では、「一本橋やS字カーブが難しい」、「急停車が難しい」など言われていましたが、 この基本的な部分を確実に抑えていないと合格は絶対に不可能になります。
精神を削られる難しさ
無事に走り終えたとしても、自分が合格するかどうかと言うのは発表まで分かりません。 今日こそ合格するだろうなと思っていても、掲示板に自分の番号が表示されない事が何度もありました。
3回程度のチャレンジで免許が取れるだろうと思っていたので、かなり精神を削られましたが、そもそも原付免許しか持っておらず、中型バイクで練習する機会が全くなかった状態での挑戦なので難しいのは当然です。NS-1とCB400SFでは何もかもが異なります。
ついに合格
何度も諦めずに試験に挑戦して、ついに合格しました。 うろ覚えですが確か4~5万円程度、3~5ヶ月掛かったように思います。 この後に教習所で合格者の講習のようなものを受けなくならず、その予約が1ヵ月以上先でひどくがっかりしたと言うのを覚えています。 この教習所の講習を受けて正式に免許をもらうことができます。
結局なんだかんだ最初に挑戦してから半年近くかかったような気がします。そして免許証をもらったその日に、バイクショップでカワサキZRX-2を購入しました。 ちなみにこのZRXがバイク人生で最も楽しい期間で、走行距離も5万キロ以上と、嬉しさのあまり朝起きて夜寝るまで何度も乗車していました。
大型自動二輪免許の一発試験
しばらくZRX-2に乗っていたのですが、 このバイクでも十分に早くて楽しいのに、これ以上の排気量のバイクはどんなに素晴らしいんだろうと憧れ続け、峠やツーリングの最中でも隣に大型バイクが止まるたびに悔しさが思い上げてきました。
中型自動車免許の悪いところはコンプレックスにあります。好きで中型に乗っていても「この人はバイク好きなのに、中型しかないんだ」と思われているのではないかと、疑心暗鬼になってしまいます。
大型自動二輪の一発試験は、既に学科が免除されているので実技だけという気の楽さです。 非常に難しいと言われていますが、正直言うと原付から中型を取るよりはるかに楽だと思います。 なぜなら、たいていの参加者は既に400ccを公道で乗っています。400ccと750ccのマルチエンジンでは、50ccと比べるとそんなに代わりがなくリラックスして運転できました。
それでも、揚げ足取りのような減点をされてしまい、結局3回ほどで大型自動二輪免許が取得できました。
そしてゼファー750RSや1100と乗り換えて今に至ります。
「中型・大型自動二輪免許」の試験場での一発試験合格は難しい?
原付スクーターしか経験がない人が、突然中型自動二輪免許を受けるとしたら、ほぼ99%不可能だと思います。
この試験というのはとてもおかしなルールで、公道で乗ってはいけない上位のバイクで試験をするので、多くの人が50ccで練習するのです。東京など一部では、貸し出しするような施設があるそうですが、地方では中型バイクを持っている友人に河川敷や私有地で指導してもらうほかにありません。
つまり中型自動車免許のマニュアルを取得するのであれば、50ccのミッションで無理やりイメージで練習する、もしくは施設で400ccを練習する、もしくは友人に指導してもらう、のいずれかでないと合格は不可能です。
400ccから750ccの限定解除は、比較的簡単だと思いました。
適切にバイクに乗車する技術があれば、3~4回行けば合格できるのではないでしょうか。当時は2~3万円もかからず、あっさり取れたように覚えています。
ただ、これもZRX-2を5万キロ乗っていたから余裕に感じただけかもしれませんが……。
今は当時よりも情報もあり、動画もあるので楽だと思います。興味があるひとは、ぜひ挑戦してくださいね。