12月を間近にして暖かい日があったので、静岡市駿河区にある「Sunpu Marina Karting」というカートに行ってきました。
レーシングカートというには、いささかコンパクトなコースで4ストローク200ccの車両ですが充分に楽しめる内容でした。
まだ遊んだことの無い人に説明すると、遊園地にあるようなゴーカートを大人のためにスピードアップしたようなものです。ヘルメットをして乗車しますが、壁にぶつかっても怪我をしにくい設計になっています。
コースと言っても広い駐車場にクラッシュパットという空洞のプラスティックのような板で作ったサーキットで、ぱっと見「こんなん??」と思うのですが、これがまた奥が深い世界です。
Youtubeに投稿されていた動画を埋め込みましたが、このように非常にスピード感があります。
最高速度が60km/gでも実際には100km/h以上に感じる!
外から見ているとスピードも遅く見えて簡単そうですが、いざ乗ってみると500馬力の車を操るよりも難しいです。BMWで200キロ出すよりも迫力があります。
費用は時間にもよりますが5千円〜1万円あれば借りることができます。
高級車・輸入車乗りが陥りやすい”怠慢”な生活
ABSもトラクション・コントロールもサスペンションも無いカートは簡単にブレーキロックしてスピンしてしまいます。そして非力なパワーなので、できる限りスピードを落とさずにコーナーを曲がらなければ良いタイムが出ません。
普段ハイパワーな高級車(輸入車)に乗っている人ほど、この罠に陥りやすく「自分は運転が速い」という幻想を打ち砕かれます。パワーのある高級車は、冷暖房の効いた心地の良い車内でアクセルをひと踏みすれば何百キロというスピードを簡単に得る事ができます。
しかしカートの世界はそれらの快適装備が全てなく風と振動と荷重の世界、また非力なエンジンで勝負しなければいけません。踏んでもパワーが全然無いので、いかに短距離でスムーズにブレーキして旋回し、すぐに加速に戻れるかが全てです。
なので快適な車で怠慢な生活をしていた人ほど、カートではタイムが出にくいと言えます。
冒頭のタイトルのように、カートは車よりバイクに近いと言えます。
特にHONDA NSR-50など2ストロークの50cc(原付き)バイクに乗っていた人は、とても速く走らせることができるはずです。遅くて古いバイクは、快適装備は一切付いておらず、パワーも6馬力しかないのでカートと同条件で生活していることになります。昔のバイクにはABSがついていないので、自分でブレーキをロック寸前まで体で判断しなければいけません。
真剣にバイクに乗っていた10年前の私のカワサキZRX
今回カートに乗ってみて、ある程度のタイムを出すことができたのですが「贅肉が付きすぎたなぁ〜」と強く実感しました。10代の頃に真剣に400ccのバイクに乗っていた時の方が遥かに良い結果が出たと思います。
漫画頭文字Dで次のような名言があります。
「どれほどの技術を習得していても..
これでもういいと思ってしまえば その状態を維持する事もむずかしい..
常に上を向いて 努力をつづけていなければ..
上のレベルに移行する事はできない..
道を極めるという事はそういう事だと思っている」
頭文字D/しげの秀一
時に「俺はすごいぞ!」という自信も大切ですが、自分を過大評価し過ぎずに”常に上を向いて努力を続けない”と、現状を維持することも難しい、そんなセリフを実感しました。
手頃なコストで運転に没頭して、自分と戦うことができるレーシングカートは中々楽しいですよ!