今どき分からないことがあれば、グーグルで検索すると多くが解決できるようになりました。しかしSEO目的のキュレーションメディアや商品の販売目的のための情報サイトが上位に出てしまい、本当に得たい情報が見つけられないこともあります。例えば「ダイエット サプリメント」などで検索すれば、その結果がどんなに汚染されているか想像に難くないはずです。そこで、本当に知りたいことはグーグルで検索して、ウィキペディアなどを読んだ後に、J-STAGEやCiNiiで検索しています。
論文から必要な情報を探す
これらは国内外に発信される論文を検索できるサイトで、ワードを入力すると関連した論文を表示してくれます。
発行機関によって登録しないと抄録しか読めない文献もありますが、PDFで全部読めるものもあります。このサイトの良い所は、内容の真偽は必ず確かとは言えないのですが、情報の出処については正確に公開されていることです。発行機関情報の組織名や所属、連絡先、ジャーナル名、執筆者の氏名、発行日、公開日が必ず載っています。論文は誰かが簡単に公開しよう!とできるものではなく、学術的に間違いが無いか査読(審査)されるので、当ウェブマガジンも含め独断で公開できるメディアより情報が信頼できます。
詳しく検索したいときに便利
例えば、グーグルで「ワイン 香り」で検索すると、以下のような検索結果が出ます。どれも入門者用のカジュアルな情報で、本屋のワイン入門にあるような文の引用ばかりで、何ページ読んでも全然新しい情報が見つかりません。
しかしJ-STAGEなどで「ワイン 香気成分」と検索すると、少々古い情報ですが専門的な論文を読むことができます。
ほんの数ページ読むだけで、ぶどうの醸造工程からアルコール醗酵、マロラクティック醗酵、熟成に至る過程で、香気成分の主要成分が生成されることが分かります。化学的には揮発フェノール類、ヘキゼナール類、テルペン類、アルコール類といった化合物から、1リットル当たりの生成量、香気への寄与など、一連の流れを掴むことができます。
もちろん、こういった情報は大学図書館などの専門書を読めば同じ内容を読んだり、より詳しい情報を得ることができますが、インターネット上で簡単に入手できる中ではとても有意義と言えます。
また文献によっては情報が古すぎることもあります。2000年代ならまだしも、1980年代や1950年代の情報まで…。新しければ良いというものではありませんが、化学や生理学、医学については日々進歩しているので、古いすぎるものは参考程度に読むべきです。
という訳で、もしグーグルだけで調べ物をしているのであれば、合わせて論文も読んでみて下さい。