しばしばネットでも話題になる「西麻布」都心に住んでいる人にとっては馴染みがあるかもしれませんが、地方に住んでいる人にはサッパリ何か分からないはずです。せっかく静岡から南麻布に引っ越したので周辺の雰囲気や、西麻布とは何か書きたいと思います。
西麻布って何
「雑誌でも特集されて、さぞかし華やかな街なんだろうなぁ〜〜」と思うかもしれませんが、実際は非常に地味な街。
(地図の赤い丸で囲った地点から高木町方面を撮影した写真)
左手に聞いたこともない国の大使館とリニューアルしたばかりの成城石井、セブンイレブン、うなぎのチェーン店があるだけで意外にも殺伐としています。
表参道や原宿のように通りが栄えているという訳ではなく、なぜか地名だけが独り歩きしている謎のエリア。
西麻布ってどこ
都心に来るまでは「麻布エリア」の位置自体があいまいで六本木の近く?程度にしか感じていませんでした。西麻布は港区ですが、渋谷駅からタクシーで5〜10分、自転車でも15分〜20分、徒歩でも30分ちょいで行ける距離にあります。
具体的には南青山、六本木、広尾、南麻布、元麻布に囲まれています。
東京に住んでいない人にも分かりやすく乱暴に言うと、「渋谷」と「銀座」と「品川」の中間に位置しています。飲食店が多く、青山や表参道、六本木に囲まれたオシャレな街というイメージです。
実は麻布エリアにはカースト制度が根強く残っており、町並みの雰囲気や住んでいる人たちが全く異なります。
最も上位カーストに位置するのが「元麻布」と「東麻布」。地価は元麻布の方が高く、まとまった土地が売り出されようものなら一坪500万円〜900万円というハイプライスが付きます。麻布十番の200万円〜400万円と言う地価と比べても格段に高いことが伺えます。
元麻布は高台に位置して閑静な住宅街になっています。土地の建物の区切りが大きく、余裕で300平米以上ある屋敷が連なっています。ちょっとした一軒家を立てるだけで土地代が2〜3億円は必要になるほどです。
東麻布は地味なエリアですが、元々の地主or気軽に言及すべきではない人しか存在していないので念のため上位カーストにしておきました。再開発はぼぼ手付かず、マンションも少なく、昔ながらの一軒家ばかり。レストランも喫茶店も無く静かです。
次は南麻布の仙台坂と愛育病院付近。こちらも元麻布と同じように高台に位置して静かな住宅街になっています。交通量も少なく緑が多く、庭付きの広い家が建ち並びます。それもそのはず、有栖川記念公園という都内でも有数の広い公園の周辺で、都心の便利さと緑に囲まれるという贅沢を両立した希少な土地です。
麻布十番は商店街で、六本木にも近く飲食店やショップも豊富です。しかし住む場所ではありません。人通りが非常に多く、車も多く、道も狭い。休日にも慣れば観光客で溢れかえり疲れてしまいます。
最低カーストは南麻布とは名ばかりの古川橋近辺(もはや誰も麻布エリアとして認識していない)と、西麻布全域。
広尾駅前の有栖川記念公園周辺は高級ですが、白金・高輪に面している方は元々工業地帯でした。
東京・港区の白金や麻布は、かつて一大工業地帯だった…麻布十番は「花街」だったhttps://biz-journal.jp/2018/06/post_23792.html
南側の古川沿いは工業地帯であり、川は東側の海沿い(芝浦など)に流れていき、やはり大きな工業地帯として発展した。白金台は高台でセレブでも、白金は低地であり、工場地帯だったのだ。麻布区の一部も古川沿いであり、南麻布の南端は古川沿いで、今も小規模な工場や倉庫や銭湯がある。(ビジネスジャーナルより一部引用)
南麻布の白金側は元々工業地帯で日雇いの人が工場で働いていたり金属の加工や自動車関係の工場ばかりであったそうです。今でも工場が少し残っていたり雰囲気が感じられます。汚い古川橋に沿っている南麻布の一部はカーストの低いエリアで、単身マンションや投資向けマンションが乱立しています。
そしてタイトルの西麻布こちらも高級住宅地とは呼べないエリアです。
こういったカースト制度が根強く残っているので、「西麻布(マンション)に住んでる俺、カッコイイ」と悦に浸っていると田舎っぺということがバレてしまいます。引っ越しても黙っているのが懸命です。
西麻布村とは…。
西麻布には普通の人が入れる美味しい料理屋はありません。
しかし、お金持ち風のオジサンが女子大生や20代前半の女の子を連れて飲食から出てくるのを連日見かけるという謎のエリアなのです。
つい先日も清楚風な女の子を連れたオジサンが某広尾団地を指しながら「ここ、結構いいマンションだよ…。芸能人とか住んでてね。」と謎の解説をしていました。騙し騙され欲望の渦めく街・・・?