こんばんは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。本日このサイトを訪れて初めて気がついたのですが、この「大人になれる本」は累計6000万PVという実に素晴らしいアクセス数を記念していたのですね。
そこで「大人になれる本の功罪 – ブラック編集部の真実」という単行本を執筆し、多額の印税を手に入れようと考えているのですが、この原稿は一体どこの編集部に持ち込んだら良いのだろうか?
そう考えているうちに私はまた、「やはり原稿という物は無条件に、大人になれる本編集部に持ち込むものだ」という実によく鍛えたれた大人本精神を発揮して、いつもと変わらず大人になれる本に寄稿している最中なのです。
さて、それは良いとして今回は私が愛してやまないサルトリアを皆さんにご紹介したいと思います。
Sartoria Piccirillo サルトリア・ピッチリーロ。この仕立て屋を聞いたことがあるのは、おそらく当店のお客様かブログ読者の方でしょう。
私が言うのも考えものですが、このサルトリアは日本では全く知られていないのですから。
しかしそれは逆に、この工房がナポリだけで完結した、現地で本当に愛されているサルトリアだということでもあります。
実際ナポリにはサルトリア・ナポレターナを自称しつつその実、海外の顧客だけ相手していたり、有名ブランドにOEMの既製服をおさめることしかしていない工房も少なくないのです。
Sartoria Piccirillo サルトリア・ピッチリーロは違います。このサルトリアは、逆に言えばナポリの洒落者しか殆ど訪れることのない、非常にローカルな仕立て屋なのです。
Sartoria Piccirillo サルトリア・ピッチリーロ そのローカルなこと
Sartoria Piccirillo サルトリア・ピッチリーロは、ナポリでも是非とも足を踏み入れて欲しくない、控えめに言っても非常に庶民的で、観光地とはかけ離れた雰囲気のところにあります。
数百メートル先は、かの有名なフォルチェッラ。ナポリのマフィア本拠地と言われ、昔は「流れ弾に当たるから行かない方が良いよ」などと言われていた場所です。
今でもその名残があるらしく、この付近で何か事件があるとニュースでは「フォルチェッラで事件!」と書き立てると言います。
さて、そんなところで仕立てを続けるSartoria Piccirillo サルトリア・ピッチリーロの顧客は、マフィアではなく少しだけ裕福な現地の紳士や、一般庶民です。
私がSartoria Piccirillo サルトリア・ピッチリーロでよく見かけるのは、弁護士や公証人といった人々が多いですが、しかしそれだけではありません。
5月や6月にもなれば、イタリアは結婚式の季節なので、Sartoria Piccirillo サルトリア・ピッチリーロの工房はタキシードでいっぱいになってしまいます。
普段は贅沢なスーツなど着ないという近所の庶民的な家族も、ここぞという結婚式に合わせて美しいタキシードをオーダーするのですね。日本にはタキシードの文化はありませんが、ナポリではサルトリアがこれほどまでに生活に密着しているのです。
Gianni Piccirillo ジャンニ・ピッチリーロ ただ美しい服を仕立て続ける
9歳の頃に仕立てを始めた。
サルトリア・ダルクオーレで修行と仕事をして、22歳のときに自分のサルトリアを開いた。
ときより冗談を言って笑いながら、朝から晩まで服を仕立て続けるジャンニ・ピッチリーロは、生粋の職人だ。
1994年には『Forbici D’oro 金のはさみ賞』も受賞しているが、そんなことは気にかけていない。
彼にとってはより美しい服を仕立てることだけが、人生だからだ。
サルトリア・ピッチリーロではジャンニ・ピッリチーロと弟のマウリツィオ、その他2人の縫い手が働いています。
注文を受けた全てのスーツはジャンニ・ピッチリーロがカットし、彼自身が中心となって作り上げていきます。
ジャンニ・ピッチリーロはまだ50代前半ですが、もはやマエストロになりつつある偉大な職人です。ナポリが半世紀以上前から引き継いできたハンドメイド、手縫いの文化をそのまま続けるサルト。
効率化とコストダウンのために、芯地の据え付けやハ刺しなど見えない部分にはミシンを使うサルトリアが多い中、頑なに手縫いを続けるジャンニ・ピッチリーロは、まるで時代に取り残された職人のようです。
ちなみに彼が使っているiPhone 4sもよく家族や親戚に「美しく古いビンテージだね!」とネタにされていますが、彼は時代の流れにまるきり興味がないのです。サングラスも、15年くらい前に買った古い形のものをずっと使っています。
ジャンニ・ピッチリーロの仕立てる服は、柔らかい。
その柔らかさは、見えない部分に息づく職人の手仕事によって生み出されるものだ。
ハ刺しや縫い合わせはもちろんのこと、芯地の縫い付けからしつけ縫いまで全てを手縫いでこなしている。
あるときサルトリアでカフェを飲みながら雑談をしていると、80歳にもなるおばあさんが「ちょっと荷物を置かせて」と入ってきた。
それからジャンニが仕立てる姿を見て、「なんてこと!私がお針子をしてた10歳の頃と、同じ仕立て方よ」と驚いたのだった。
ハンドメイドを守って真摯に服と向き合う限り、ナポリ仕立ての伝統は変わらない。
そしてジャンニ・ピッチリーロは何一つ、変える気などないのだ。
ナポリでさえもはや希少になってしまった、本当のハンドメイド。
常に真摯に手作業と向き合ってきたジャンニ・ピッチリーロの作る服には、本物のナポリ仕立ての伝統が息づいています。
Sartoria Piccirillo サルトリア・ピッチリーロ MTM
Professore Rambaldi プロフェソーレ・ランバルディ静岡は独占でサルトリア・ピッチリーロのスーツを日本初展開。
これほどまでに手間のかかったハンドメイドスーツでありながら、MTM(サイズゲージを使用した採寸)とすることで、手の届く値段を実現いたしました。
たったの一針分も省略せず、ビスポークと同等の品質にてお納めします。
10年後には誰もがマエストロと呼ぶであろうジャンニ・ピッチリーロのスーツを、今一緒に仕立ててみませんか?
※品質維持のため、月間5着限定での受注となります。
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JACKET – ¥299,000(税込)
SUIT – ¥349,000(税込)
TROUSER – ¥78,000(税込)
WAISTCOAT – ¥78,000(税込)
サイズゲージを使用したMTMスーツ
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#納期 約3ヶ月
#フルハンドメイド
#専用ガーメントケース付き
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当店ではHolland & Sherry等バンチ他、多数のビンテージ生地をストックしております。