一眼レフを使って晴天の屋外でモデル撮影するのは意外にも難しいものです。強い光で影ができたり、黒つぶれ・白飛びの原因となります。
例えば次の写真を見ると明るい屋外で撮影しているにも関わらず、モデルの白い衣服に露光が合い周りの緑が完全に黒つぶれしています。以下に良いレンズやボディを使っても設定や角度・構図・レンズ選びによってはスマホに劣る写真になってしまいます。
1.太陽の方向を意識する
同じ場所で撮影しても、逆光か順光かで雰囲気がガラッと代わります。
上の写真が逆光(光と対面する)で、下の写真が順光(光を背にする)です。
中心のティーポットの明るさは概ね同じにも関わらず、周辺の明るさが全く異なります。
モデル撮影も同じで「順光」「斜光」「逆光」を使い分けるところが肝心です。
こればかりは撮影慣れするしかなく、慣れないうちは様々な角度で撮って一番良い角度を探しましょう。
2.単焦点レンズを開放で撮る
基本中の基本となりますが、単焦点の”明るいレンズ”を用いて開放で撮ると柔らかいボケを得る事ができます。
具体的には35mm換算で50mm f/1.8 のレンズなどです。開放というのはそのレンズの絞りを一番開いた状態です。f/1.8から少しづつ絞ると、像が徐々にくっきりと写りf/10近くなると背景もモデルもくっきりと同じように写ります。レンズの回折現象と言って絞りすぎても像がぼんやり不鮮明になってしまいます。
レンズにもよりますが、つまりf/1.8~2.0で柔らかい写真を撮って、くっきりした写真はf/8~12くらいに絞るのがベストです。一段絞りと言って開放状態から一つ絞ると全体が引き締まった写真が撮れると言われます。
開放で数枚撮影したら、そのまま一段絞って数枚、二段絞って数枚。と少しずつ絞ると後ほど良い写真が撮れている確率が上がります。
3.カメラ本体のコントラストを下げる
最近の流行りはインスタグラムに代表されるようなフィルターをかけたような柔らかい絵が人気です。海外ではヴィヴィットな色鮮やかでコントラストが強い写真が人気ですが、日本では濃淡の少ない優しい風合いが好まれます。そこでカメラ本体のコントラストを下げて、彩度を−1、明るさを+1、輪郭補正を弱、ソフトネスにするのがお勧めの設定です。
すると次のような写真になります。木漏れ日の中鉛筆でデッサンしている女性。色の加工をしていませんが、柔らかく映画のような質感になります。
先程のモデルも同じような設定で撮影するとこうなります。
最初の悪い例と比べると、雰囲気のある写真になりました。
4.撮影アイテムを使う
ポートレート撮影のアイテムに次のようなものがあります。
・NDフィルター
明るい場所で開放すると光が強すぎるのでフィルターで暗くする。
・ソフトフィルター
光を柔らかくする (筆者はお勧めしません)。
・レフ板(白)
モデルの前において光を反射されて影を取るのに使います。
・レフ板(半透明)
モデルの上にかざして影を和らげます。
・外付けスロトボ
逆光のときなどモデルに光を当ててバランスの良い写真にします。
このように撮影アイテムを使うことによって良い写真が撮れたりします。
基本中に光をうまく操作することが写真の肝になります。
5.歩きながら、話しながら撮る
初心者が失敗しがちなのが、「では撮りますね」とポージングをさせて同じ場所で似たような写真ばかり撮ってしまうことです。それも良いのですが、歩きながら先回りして撮ったり、雑談したり話しながら撮ることによって自然な表情、ポーズが撮れます。
簡単そうに見えて難しい屋外ポートレート撮影、コツを掴むと生き生きとした良い写真が撮れるので、このアイデアを参考にチャレンジしてみて下さい。