マンションインテリアの基本とは、「基本がない」ということです。日本でのマンション文化は、1950年代からスタートしましたが、特に普及したのは1960年代後半です。この時期の日本は、戦後復興と高度経済成長期に突入し、マンションが徐々に都市部の生活スタイルとして浸透していきました。1950年代の都市住宅開発や建築法改正は、住宅需要の急増に応えるために進化し、分譲マンションが新たな住まいの形として登場したのです。
日本と西洋の建築様式の影響
西洋建築はゴシックやルネサンス、バロックなど様々なスタイルを経て、20世紀に入ると近代建築が広まりました。特に、日本でも影響を受けたのが「インターナショナル・スタイル」です。これは、機能性や経済性を重視し、装飾を排したシンプルなデザインが特徴で、現在の高級ホテルやマンションデザインにもその影響が見られます。
ル・コルビュジエの「住宅は住むための機械である」という言葉が象徴するように、20世紀初頭から日本でもこのスタイルが影響を与えました。彼の影響を受けた建築家たちによって、シンプルで機能的なデザインが日本の住宅建築にも広がりを見せています。
日本のマンションインテリアの現状
戦後の日本では、住宅供給が急務となり、プレハブやパネル工法を用いた大量生産住宅が主流となりました。その結果、和洋折衷のインテリアスタイルが広がり、欧米のデザインを取り入れたが、実際には「本格的な西洋建築」とは異なる、独自の「洋風」が定着しました。これは、地震大国である日本の建築基準法による制約や、輸入品の調度品が高価で手に入りにくいことが一因です。
一方で、最近のマンションでは、北欧家具のようなシンプルなデザインが一般化していますが、その多くが中国製の大量生産品です。質を求める場合、現代のインテリアは、雑誌やインターネットで理想的なスタイルを見つけ、それを自分の空間に合うように再現するのが現実的なアプローチです。
まとめ
日本のマンションインテリアは、まだ短い歴史しか持っておらず、特定の「基本」というものは存在しません。しかし、戦後の復興期から高度経済成長期を経て、徐々に西洋の影響を受けたスタイルが定着していきました。とはいえ、本格的な西洋様式を再現するのは困難であり、多くのインテリアは日本独自の「洋風」として進化しています。マンションインテリアを理想的に仕上げるためには、自分の好みに合ったスタイルを見つけ、それを可能な範囲で再現することが重要です。