救急車の適正利用が問題になり、緊急性のない理由での要請が多くなっています。
2年前になりますが、バイクに乗っていた時に隣の軽自動車(ブラジル人)に衝突されて廃車になる出来事がありました。
その時に、救急車に乗っておけば良かった!と切実に思ったので、なぜ軽症でも救急車を呼んだ方が良いか記事にしたいと思います。
パトカーは5秒で到着
なんとまあ幸いにも反対車線にパトカーが居たため衝突音に気づき、わずか5秒で事故現場に到着しました。この道30年のベテラン警官が誘導してくれたため、車とバイクを脇に避けて一般車両に迷惑掛けること無く済みました。
バイクで転倒したので50キロ程度といえ足や腕が擦りむいて血が出ています。とはいってもダラダラ出血というよりは血でぐっしょりと言った”軽症”の部類です。
警察官に「絆創膏などありませんか?」と聞いても「そういうのは無い」と言われて調書を取ることになります。処置は求めてないですが、税金で絆創膏くらい買ってパトカーに積んでおいても誰も文句は言わない気がします…。
特に傷口に服が当たって痛いです。事故でなくても、小さな子供が転んで必要なシーンなどありそうなものです。この事故にあってから財布に絆創膏を数枚入れる癖がつきました。
さてこの調書が曲者で、負傷した状態で適切な状況説明をしなければなりません。これは大の大人であっても中々難しいことです。
「右の車線の自動車が、ウインカーを出さずに左に寄せてきた」と私の言った事を復唱して調書に記入するのですが、よく見ると「自動車」と「バイク」が逆になって書いています。すかさず「間違っていますよ!」と修正を求めましたが、こうやって意図も簡単に冤罪が作られるのだなぁ、と実感しました。
救急車を呼びますか?
そしてここからが本題の「救急車を呼びますか?」と警察官に聞かれます。
「まあ、歩いて帰れるし、こんな事で救急車を呼んだら迷惑か…」と思い断り、現場の処理が20分程度で終了しました。今思うと骨が折れてても調書を取られるのか、その線引が謎です。少なくとも血が出てる程度では20分の調書を取られます。
バイクの回収業者も到着して、タクシーに乗って病院に行くことに。
私は病気もせず怪我もしない方なので、さっぱり病院に詳しくなく、とりあえず近所の総合病院である静岡赤十字病院に行ってみることにしました。
まあ入ると混雑していて受け付けで「事故にあって怪我をしているので診て欲しい」と言うと、「お昼で受付時間を終了しているので救急外来の方ですかね?」と言われます。
警察から診断書を取得した方がいいと言われていたので、その旨を伝えると「救急外来では診断書を取得できません」と断られることに。
「今まさに血が出ているので、なんとかして欲しい」
と、さすがに私も動揺して感情的に伝えても、診断書が出ないと堂々巡りです。
「どうすればいいですか?」と聞くと、「この病院から歩いて10分の所に、まきた整形外科があるから、そこに行って下さい」と言われます。
優しいことに地図をくれるのですが、午後の診察は3時から、今からまだ2時間以上もあります。仕方がないので、一度家に帰って自分で傷口を洗って絆創膏を貼って簡単に処置をします。そして3時に回る少し前にまきた整形外科に到着するのですが、その時には老人で待合室がいっぱい。
保険証を出して問診票を記入して座ると
「あぁ、鈴木さんこんにちは〜〜」「今日も暑いですね〜〜」といった具合に老人クラブや町内会の会合のような状態になっています。次はもらった薬を一つも飲んでいない自慢話がはじまります。
こちらは交通事故にあって出血しているのに優先順位はとくに変わりません。
1時間ほど待ち空が黄色くなってくると、やっと私の順番が来ます。先ほど貼った絆創膏を剥がし、白いフワフワにポビドンヨードを付けてポンポンと塗ってくださります。
午前中に交通事故にあったはずが、診断書を握りしめて帰ることには午後4時。
傷の痛みよりも精神的な疲労でぐったりして帰ったのは言うまでもありません。
ということで、
今まさに足と腕から血が出ていてもたらい回しにされます。
一番良い方法は、交通事故で少しでも怪我を負ったら
大袈裟に痛がって、すぐに救急車を呼ぶ
のがベストです。でなければ、行政と総合病院の対応がひどすぎて、平日の昼なのに家で処置することになります。もし家から遠くはなれた場所で事故をしたら
公園の水道で傷口を洗って、ベンチに座って自分で処置することになります…。
うーん、メランコリック。(おわり)