【薬コラム連載】今から始める花粉症の原因と予防・食生活

内服薬

・抗ヒスタミン薬(第1世代):
昔からあり、くしゃみ、鼻水に対する効き目は良いが、鼻詰まりに対する効果はいまいち。
即効性はあるが眠気や口の渇きが強い。
緑内障、前立腺肥大、てんかん及び痙攣の既往がある人は注意が必要。
例)マレイン酸クロルフェニラミン(商品名ポララミン)、シプロヘプタジン(ペリアクチン)フマル酸クレマスチン(タベジール)など

・抗ヒスタミン薬(第2世代):
第1世代よりも後に出てきた、眠気などの副作用が出にくいよう改良された薬。
効き目が出るのに時間がかかる。くしゃみ、鼻水、鼻詰まりに効果あり。
メキタジンのみ:緑内障、前立腺肥大の人は注意。
ケトチフェンのみ:てんかん及び痙攣の既往がある人は注意。
フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン:説明書に車の運転注意の記載なし。眠気が出にくい。
例)フェキソフェナジン(商品名アレグラ)、オロパタジン(アレロック)、レボセチリジン(ザイザル)、エピナスチン(アレジオン)、ロラタジン(クラリチン)エバスチン(エバステル)、メキタジン(ゼスラン、ニポラジン)、ケトチフェン(ザジテン)デスロラタジン(デザレックス)など。

・ロイコトリエン受容体拮抗薬:
鼻詰まりに効果があり、眠くならない。
気管支の炎症も抑えるので喘息の治療にも使う。
(モンテルカストは小児の鼻炎に対しては保険が使えない。喘息なら可)
例)プランルカスト(オノン)、モンテルカスト(キプレス、シングレア)

・漢方薬:
温かいお湯に溶かして飲むと、水で飲むより数倍よく効くと言われる。
小青竜湯は少し酸っぱい味がするが、嫌でなく飲めるなら効果は高い。
(漢方の場合はどの薬も「良薬は口に苦し」ではなく、証(今の体質)に合っていれば割とおいしく飲める。逆に、まずいけれども我慢して飲むようなときは、効き目は期待できない。

・α交感神経刺激薬+抗アレルギー薬:
2013年に発売された、血管収縮剤とアレルギー薬の合剤。
鼻詰まりに対する効果が高く、眠気も出にくいが、長期使用に対する安全性は確立されていない。
続けて使うことでかえって鼻詰まりを起こす。
緑内障や前立腺肥大の人、重度の高血圧、心臓病の人、腎機能の衰えている人などには注意が必要なので、あまりお勧めではない。
フェキソフェナジン+ブソイドエフェドリン(商品名ディレグラ)

・ステロイド薬:
鼻粘膜の炎症を抑える効果が高く、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりに効果がある。
症状がひどいときには一時的に他のアレルギー薬と合わせて飲むことはあるが、基本的には1週間以内が目安。長期には処方されない。
例)ベタメタゾン+マレイン酸クロルフェニラミン(商品名セレスタミン)、プレドニゾロン(プレドニン)など。

・点鼻薬
最近の主流は、ほとんどが抗アレルギー薬ではなく鼻噴霧型ステロイド薬。
鼻の粘膜の炎症を抑え、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりの症状を改善する。
局所に働きかけるので、内服のステロイドに比べて副作用の心配が少ない。
1日1回タイプが多く、小児でも(2歳から)使える薬がある。
噴霧する前に鼻をかみ、噴霧した後には、頭をやや後方に傾けることで薬剤を鼻の奥まで行きわたらせ、静かにそっと鼻から息を吸うと良い。
例)商品名ナゾネックス、アラミスト、フルナーゼ、エリザスなど。

ただ、ここで注意が必要なのが、先ほども登場した交感神経刺激薬の点鼻薬
血管を収縮させるので鼻詰まりが一気に解消され、とても楽になるのだが、すぐに効果が切れて元に戻る。薬を使いすぎると元に戻らなくなる薬剤性の鼻詰まりになるので注意が必要。
症状がひどくてどうしようもないときに1日1~2回、1~2週間までの使用にし、症状が軽くなったら直ちに使用を中止すべき薬剤。
2歳未満には使用できない
市販の点鼻薬に入っていることが多いので、購入時に薬剤師に確認するか、耳鼻科を受診して血管収縮剤の入っていない点鼻薬を処方してもらう方が安心。
例)ナファゾリン(商品名プリビナ)、テトラヒドロゾリン(コールタイジン)トラマゾリン(トラマゾリン)など。

・点眼薬
抗アレルギー薬。内服薬と同じ成分のものが多い。
痒くなったときだけでなく、毎日さすと症状がひどくなりにくい。
基本的に、目に炎症があるときにはコンタクトレンズは使用しない方がよいが、アレジオンだけは塩化ベンザルコニウムという防腐剤が使われていないため、コンタクトの上から使用が可能。刺激が少ないタイプ。
例)オロパタジン(商品名パタノール)エピナスチン(アレジオン)、ケトチフェン(ザジテン)など。

炎症がひどくなったときには、ステロイドの点眼薬も使うことあり。
局所に働きかけるので、内服薬のステロイドに比べて副作用の心配が少ない。
ただ、鼻涙管から吸収され全身に影響が及ぶのを防ぐため、点眼後には瞬きをせず、しばらく目頭を押さえておくとよい。
例)フルオロメトロン(フルメトロン)ベタメタゾン(リンデロン)など。

6.薬以外の治療法も検討する
薬の使用で回復しないときには、主に以下の2つの方法があります。

特異的免疫療法(減感作療法)
原因となっている抗原の抽出液を注射したり、スギ、ダニなどの治療薬を舌の下から吸収させ、徐々に濃度を上げて、その抗原に対する免疫機能を高める。
3年を目安に継続的に実施すると、中止した後も長期に渡り効果が続き、完治も期待できる治療法。

手術療法
鼻腔の形に異常があったり、薬では鼻詰まりが改善できない人に行われる。
鼻粘膜にレーザーを照射したり、鼻粘膜を切開したり、電気で鼻粘膜を焼いたりする方法がある。
ただ、1~2年で鼻粘膜が再生され、効果が薄れる場合もあり。

その他、花粉症のときのアドバイス

花粉症のときには、ホコリ、食品などに対するアレルギー症状も起こりやすくなります。
こまめに掃除機をかけたり、拭き掃除をしたり、カーペットやぬいぐるみなども極力減らし、できればペットを家の中で飼うことも控えると良いでしょう。
そして、食べ物によるアレルギー(花粉―食物アレルギー症候群)が出たときには、その症状により早めに対処しましょう。
口の中の違和感程度なら様子を見てもよいですが、口唇の腫れ、赤み、喉のかゆみ、イガイガ等がある場合は早めに受診。呼吸困難などのアナフィラキシー症状の場合は分単位で一刻を争います。一度そのような症状が出た場合は、医師と相談して自己注射(エピペン)の携帯も考慮すると良いでしょう。

花粉―食物アレルギーを起こしやすい組み合わせは以下の通りです。


花粉:シラカンバ、ハンノキ
果物・野菜:リンゴ、モモ、イチゴ、ナシ、キウイ、アーモンド、セロリ、ニンジン、ジャガイモ、大豆、ナッツ

花粉:スギ、ヒノキ
果物・野菜:トマト

 


花粉症:カモガヤ、オオアワガエリ
果物・野菜:メロン、スイカ、トマト、ジャガイモ、キウイ、オレンジ、ナッツ

 


花粉:ブタクサ
果物・野菜:メロン、スイカ、ズッキーニ、キュウリ、バナナ

花粉:ヨモギ
果物・野菜:セロリ、ニンジン、マンゴー

*豆乳以外は加熱によりアレルギー症状が出にくくなる場合もあります。

また、鼻詰まりがひどいときには、以下の方法も試してみてください。
濡らしたタオルを電子レンジで温めて、首の後ろや鼻に当てる(温められて血流がよくなると詰まりが解消されて楽になる。とても気持ちがよい。)
・洗面器にお湯をはり、ペパーミントのオイルを数滴入れ、蒸気とともに匂いを嗅ぐ。頭からタオルなどを被るとより効果的。お風呂のお湯にオイルを垂らしてもよい。
・寝る前に布団に一滴ミントのオイルを垂らす。
血管収縮剤を使うよりも、ずっと安心で大人にも子どもにもお勧めです。

今回は、花粉症についてまとめてみました。

ポイントは、夏でも身体を冷やさないこと。そして夜遅くに飲食しないこと。
私は、スカートをパンツに変え、夕食後の飲食を止め、大好きな甘いものも控えたところ、ほとんどアレルギー症状が出なくなりました。
また、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師も“命を支えるということ”という講演の中で、「どんな立派な医療センターや機械を増やすよりも、一人ひとりの生活をちょっとずつ変えることが大事。いかに心と頭で理解して行動を変えられるか」とおっしゃっていました。
皆さんも、これからの毎日を快適に納得して過ごすため、これまでとは別の行動を選択してみてはいかがですか?


薬剤師ライター たんぽぽむし 過去の記事はこちら

小児医療に携わって15年。主に薬関係・自然育児について執筆していきます。美味しいもの、きれい&かわいいもの、からだにやさしいもの、そして子供たちの笑顔に触れたとき幸せを感じます。

コメント

  1. […] 目の症状だけでなく、くしゃみ、鼻水などの花粉に対する症状全般を抑えたい方はこちらの記事(薬コラム:花粉症)もお読みください。 […]

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