デザート – 新しいスコーンのお披露目
デザートはイチゴのスコーン、コッツウォルズ・ハニー・チョコレート、英国大使館産夏みかんのカード添え。
ウェッジウッド・ストロベリー・ティー・ジンジャーエールと共に。
食器は、ウェッジウッドの定番ワイルド・ストロベリーです。
駐日英国大使公邸専属、吉田龍貴 シェフが料理したこの話題の途切れないデザートについて、まず何から説明したものか。そうですね、その皿の「どこに」スコーンがあるか。ここから始めましょう。
英国を代表する菓子であるスコーン。
これをご存知ない方はいらっしゃらないでしょう。
しかし今回のデザートプレートではそのスコーンがずいぶんと違った形になっています。例の見た目のものもなければ、クロテッドクリームもジャムもない。
そう、この細長いスティックのような形のものこそ、スコーンなんです。
非常に軽やかなさくっとした食感で仕上げられていて、今までのスコーンとは一味違います。スコーン特有のずっしりとした重い感じがなく、むしろこの棒型こそが大英帝国の再興を促すのではないかと密かに思案してしまうほど。
ちなみフルーツソースは駐日英国大使館の庭で採れた夏みかんを使ったもの。これを英国産とするか、日本産とするかは意見が分かれるところでしょう。
蜂の巣をかたどっているのは、コッツウォルズの蜂蜜を使用したチョコレートです。以前コッツォルズを訪れたときには、蜂蜜色をした石造りの街並みに驚いたものですが、まさにその蜂蜜です。
華やかな甘みがメインでありながらも、なんとなく樹木やナッツを思い浮かべる香りがわずかに。可愛らしいハチをデザインしたデコレーションは、茶目っ気が効いていてなかなか素敵ですね。
ウェッジウッドのストロベリー・ティーは、そのままではなくジンジャーエールと割って。
英国ではジンジャーエールのことをジンジャービアーと呼び、アルコール有無はどちらも選べます。しかし共通して言えるのは、生姜の風味とスパイスが効いていることです。
ストロベリー・ティーの甘酸っぱさにピリッとした生姜の辛味と香り。これは思いの外マッチしていて、家でも試したくなってしまう組み合わせですね。
The Dinner を終えて
さて、長くなってしまいましたが、これで英国大使公邸で開催されたウェッジウッド主催パーティ THE DINNERのコース料理の紹介は終わりです。
バラエティに富んだメニューは決して英国の伝統料理ではありませんが、英国の魅力的な食材と調理方法、そして味覚そのものを取り入れた「新しい英国料理」です。
今ロンドンの街を歩けば、その食のバラエティの豊かさに驚かされます。
フランスには芸術的なフランス料理とプライドがあり、イタリアには強い愛国心とパスタがあった。そのときロンドンに、それらに匹敵するものはありませんでした。
しかしだからこそロンドンは今、世界中の食を他のどの国よりも柔軟に吸収し、類稀なるオリジナリティをもって、他の国にない素晴らしい食事を生み出しているのです。
また英国に、その新しい食文化を後押しするものがいくつも存在することも見逃してはなりません。その一つがウェッジウッドの食器です。
今回のTHE DINNERの素晴らしい作品たちが、ウェッジウッドの美しい食器をなくして実現することができなかったのは、自明の理と言えるでしょう。そしてこれからも数々の新しい英国料理を飾っていくのは、ウェッジウッドなのです。
英国料理は美味しいか
最後にもう一度、これについて考えてみましょう。
英国料理は美味しいか?
私は間違いなく、一寸も疑うことなくYESと答えるでしょう。
しかしこの英国料理とはあなたが考えるフィッシュ&チップスとも、キドニーのパイとも違うものです。
英国の食への情熱が生み出す、新しい英国料理。
実は今回のコース料理の2品目と、4品目がそれぞれ、鴨川グランドホテル THE GUNJO RESTAURANTとNobu Tokyoで期間限定で特別に提供されます。
詳しくは「大人になれる本」にて追って紹介いたしますので、ぜひ皆さんも新しい英国料理を体験してください。
英国料理は美味しいか?
体験すればきっと、あなたもYESと答えるはずです。
(英国アンバサダー、次回はウェッジウッドについて執筆します。お楽しみに!)