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【試乗記】718ボクスターは正統派ポルシェではない?

ポルシェにもダウンサイジングターボの時代が…。

初代ボクスターはポルシェ968の後継機として1996年に、968型としてリリースされました。

2480ccの水平対向6気筒をミッドシップに搭載して世界中で人気を博しましたが、モデルチェンジを繰り返すごとにパワーやトルクを上昇させて、981型に至ってはボクスターのベースグレードで2706cc、ボクスターSに至っては3436ccと比較的大きな排気量のエンジンとなりました。

ところが今回紹介する718型は、なんと水平対向4気筒の2000ccターボ。
試乗したボクスターSでさえ2500ccです。下がスペック表の抜粋となります。

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718ボクスターのスペック

ボクスター(スタンダード)

水平対向4気筒 1,988 cc ミッドシップエンジン
220 kW (300 PS) / 6,500 rpm  380 N・m / 1,950 – 4,500 rpm
最高速度 275 km/h 0 – 100 km/h 加速 4.9秒 (スポーツクロノパッケージ装着時4.7秒)
全長 4,379 mm 全幅 1,801 mm 全高 1,281 mm

マニュアル 6,580,000 円 PDK 7,104,000 円

ボクスターS

水平対向4気筒 2,497 cc ミッドシップエンジン
257 kW (350 PS) / 6,500 rpm  420 N・m / 1,900 – 4,500 rpm
最高速度 285 km/h 0 – 100 km/h 加速 4.4秒 (スポーツクロノパッケージ装着時4.2秒)
全長 4,379 mm 全幅 1,801 mm 全高 1,280 mm

マニュアル 8,520,000 円 PDK 9,044,000 円

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新型718ボクスターSは加速が遅い?

「で、速いの?」

一部の輸入車好きは短気なので、そういった結論に焦ります。
なにしろ、輸入車の殆どはグレードが排気量やパワーで分けられています。

新型718ボクスターSは速いか?
結論から言うと試乗したものに限って言えば「加速は遅い」です。

従来の大排気量車に慣れている身だと、スポーツモード+を使っても「割りと遅いな〜」という印象を受けます。
実際4発のターボで軽快に加速をしてゆき、ターボラグやレスポンスの悪さはありません。
ミッションも滑らかで全てにおいて完成度が高いですが、直線の加速感はありませんでした。

ですが、例えばBMWで言う実売価格770万円のM2の方が加速感は断然速いですし、それどころか440iの方が速い気さえします。
スペック表を見た限りでは、0-100km/hが4.4秒なので、車両のコンディションが悪かったか、実際にはスピードが凄く出てるけど加速感に乏しかったという可能性もあります。

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コーナリングはどの他社メーカーよりも優れている!

加速感に乏しい、そこで安直にポルシェ718は遅い!とは言いません。
少し試乗しただけでも、恐ろしい程にコーナリング性能が優れています。
ホイールベースが短いコンパクトなボディに、ボディ合成の高さ、クイックなハンドリング。
全てに置いてスポーツカーです。
日本のようなカーブが多い国では、都会から少し離れてドライブするだけで真価を発揮できます。

ハンドルの遊びが極めて少なく、ダイレクトな操作性があります。
そこから応答が遅れることなくタイヤがラインを描いてゆくので運転が好きな人は、思わず笑みがこぼれてしまうはずです。
ミッドシップエンジンのレイアウトと車重の軽さも相まって、中低速域のコーナリング速度は他社のハイパワー車でも追いつけない程です。

サスペンションのセッティングも固めで段差の衝撃は強いですが、路面の状況が手に取るように分かるので攻め込める範囲が掴みやすいのだと思います。
このダイレクト感は本当に素晴らしいです。

筆者は過去にマツダ RX-7に5年間乗っていた事がありますが、ドライブフィーリングが似ていて強く思い起こさせます。ポルシェ718は日本の(昔の)スポーツカーを限りなく雑味を取り除いて、デザインとインテリア、素材などを洗練された感じです。

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外見の美しさは所有感を満たしてくれる

一目見てポルシェと分かるそのスタイリングの美しさは、オーナーの所有感を満たしてくれるはずです。
モデルチェンジしてからライト周りが一層美しいデザインになっています。
また余分な曲線が全くないのがポルシェの良い所です。

ドコとは言いませんが、最近は余分な曲線や不要な空力調パーツが付いた車が多いので、ポルシェの機能美には関心します。

ポルシェマニアであれば、この車を一目見て、「あ!2.5Lターボの新型ポルシェ718ボクスターSだ!」となりますが、一般人からすれば「(新しそうな)ポルシェだ!」となるわけです。
911 GT3 RSと並べようと、パナメーラと並べようと、一般人からすれば同じに見えるわけなので、安心してボクスターを買いましょう。

正統派ポルシェか?

正統派ポルシェが何かという定義は人によって異なると思います。
「空冷ポルシェ以外認めない!モデル993型の911空冷ポルシェが最後のポルシェだ」と言う人も居ますし、ボクスターマニアであれば、「水平対向6気筒に限る」というかもしれません。

筆者の個人的な意見では、サーキットで走っても楽しめる程にワクワクするドライブフィーリングの718ボクスターは正統派ポルシェと言えます。
また、過剰なパワーが無く使い切れるボクスターは、日本の峠を軽快に安全に走るのにぴったりの車と言えます。

718top

関連リンク

http://www.porsche.com

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