カメラマンをしていた時、しばし聞かれるのが「ニコンとキャノンどっちがお勧め?」という質問です。
もちろん、それ以外にもソニーやペンタックスなど各メーカーありますが、レンズの豊富さやプロの撮影現場で使用されるのは、その2機種か、もしくは特殊なカメラ(ハッセルのような中判、大判)です。
結論から言うと、「どちらもオススメ」です。
一部のカメラマンは「ニコンしか使わない、認めない」「いやはやキャノンしか…」と言う意見もありますが、実際に使ってみるとレンズのバリエーションやボディのグレードが驚く程に似ているというのを実感します。
ただ、一度メーカーを決めるとそのまま生涯使う事になるケースが多いのです。
資金が潤沢にあるカメラマンでない限り、ボディとレンズが数本揃ってくると、それを全て売却して他メーカーに移動というのは辛い選択です。
それよりも、今あるレンズ資産を活かして、新しいボディを購入したり、より高価で明るいレンズを買うことの方が一般的と言えます。
つまり、どちらでも良いとは言いましたが、気軽に選んでしまわずに、カメラ専門店でじっくりとボタン類の操作性やシャッター音、写真の発色など確認して、好きな方を決めると良いです。
他にもレンズのラインナップをニコン、キャノンと確認すると良いです。
例えば定番の廉価な単焦点レンズですが、キャノンは「EF50mm F1.8 STM」というレンズが実売価格1万3千円程度であります。
ところがニコンだと「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」という同クラスのレンズが2万千円するのです。
このように、ほぼ同等のレンズ性能でも価格が異なる事もあるので、自分の欲しいレンズの価格がどうなっているか比べて置くのも大切です。
もちろん両者ともタムロンやシグマなど社外品のレンズが潤沢にありますが、純正レンズとボディの相性を越すのは難しいと言えます。
ここから先は初心者以上になりたい人への文章です…。
プロになりたい人や写真を極めたい人はボディ選びも重要
もしも一眼レフカメラの用途が、運動会で子供の写真を撮るだけであれば、そんなに高級なカメラは不要です。
Wズームキットという、実売価格が5万円程度のセットを購入すれば、その日から撮影できます。
ですが様々なロケーションに足を運んで感動的なシーンを切り取りたいのであれば、それなりのカメラボディとレンズが必要となります。
また、いずれプロになってみたい、それに準ずる活動をしたい、というのであれば尚更にボディ選びが重要です。
高級機種ほど写真が地味?
入門機(エントリーグレード)から高級機に移行して、こう思う人がいるそうです。
私もまた然り、定価60万円ベースの高級機を買ったのに、なんて地味な絵なんだ…と思いました。
ところが、これは半分正しいのです。
入門機やコンパクトカメラは、パット見でキレイに写っているように見えるように彩度をバンバン高くして、コントラストを付けて、シャープにしているのです。
なので、パット見では美しく見えます。
ところが、高級機はフォトショップやライトルーム、RAW現像ツールでの編集を前提としているために、初期設定での絵はとても地味なものです。
もちろんヴィヴィッドなど設定をすれば派手にする事もできますが…。
これはなぜかというと、ベースの写真が地味な方が加工に向いているからです。
レベル補正やトーンカーブ、トーン補正、シャープネス、ソフトネスなど、どれもノイズが低く地味な写真ほど編集がうまくいきます。
RAWであれば、後からホワイトバランスを設定して厳密にできる位です。
シンクロケーブルとホットシュー、レリーズケーブルなど使うことも
ハイアマチュア向け以上の機種には、入門機には無い接続端末があります。
シンクロケーブルはストロボと同調するケーブル、レリーズケーブルはシャッターを外付けしたりするケーブルです。
前者は室内撮影で必ずと言って良いほど用いられ、後者は屋外で三脚を用いた時に使われます。
ホットシューはさすがに入門機にもついていますが、こうした外部の機材はプロになると当たり前のように使うことが多くなります。
USBやLANをボディとパソコンに接続して、リモート(テザー)撮影も現場では用いられます。
つい数年前は1台のマックブックをスタッフが囲ってチェックしていましたが、現在は各端末で同時に見れる機能もあるそうです。
このように、いずれプロとして活動したいのであれば、予めハイアマチュア以上の機種を選んでおくと良いですね。