顔が大きいのがコンプレックス?
自分の体型や顔に本当に自信がある人というのは、それほど多くないはずです。
少し太りすぎている、反対に貧相すぎる、足が短い、肩幅がせまい等、多くの人は何かしらのコンプレックスを抱えていると言います。
そしてその中でも、自分の容姿に自信を持てなくなるような大きなコンプレックスの一つが、顔が大きいというものではないでしょうか。
個人的にも顔は大きいので、その気持ちは大変良く分かります
女の子に「顔でかいね」と言われたときの破壊力ときたら、もはや肩眉を剃り落として山に籠って修行をしようという気にさえなりそうなものです。
しかしラッキーなことに、人間は裸で生活しているわけではありません。服を着ている限りは、その着こなしで顔の大きさをカバーすることが出来ます。
今回は、顔が小さく見えるスーツの着こなしを紹介します。
本当に顔が大きいのか?
着こなしを紹介するといっておきながら何ですが、あなたの顔は本当は特別大きくないのかもしれません。
というのも、皆さんは自分の顔が大きいというのを、鏡や写真を通して感じたか、あるいは人に言われて気にするようになったはずです。
顔の面積を測ってみて、それを研究機関が発表した平均データと照らし合わせた、という人はそれほど多くはな’いでしょう。
ここではまず、本当に顔が大きいのか?これについてもう一度考えてみましょう。
とりあえずリンパマッサージをしましょう
実は人間の顔は本人の気づかないうちに恐ろしいほどむくんでいるものです。顔の頬骨の下や輪郭の部分には免疫、抗体を作るリンパ腺があり、風邪を引いたとき等には腫れることによって、免疫力を高めたりすることは皆さんご存知だと思います。
しかしそれだけではなく、リンパ腺は体調が優れないときや、睡眠不足のときにはむくんでしまいます。そして本人にそういった自覚がないときでも、むくみが継続的に発生していることは多々あります。
このむくみをリンパマッサージで改善するだけで、顔が一回り小さくなった!なんていうことは嘘ではなく、本当にあることです。
怪しい道具や健康グッズのようなものが溢れかえっているせいで、特に男性は「リンパ」という言葉を聞くだけで眉に唾をつけたくなってしまいますが、実際にはリンパマッサージは非常に効果的です。
ネットなどで調べて、是非挑戦してください。
スーツが似合う正しい姿勢を知る
また顔が大きく見える理由は他にもあります。猫背に代表される、悪い姿勢です。
皆さんもご存知「遠近法」というものがありますが、猫背等の悪い姿勢では顔が前に出るので、当然顔が大きく見えるようになります。
試しに鏡の前でしっかりと胸を張り、顎を引いて立ってみましょう。耳と肩と、くるぶしを一直線上に持ってくるのがコツです。
どうでしょう、顔がちょっと小さく見えたとすれば、普段悪い姿勢のせいで顔が大きく見えているということになります。
最近では電車に乗れば10人中9人が、大した目的もなくスマートフォンをいじっています。その姿勢を見てみましょう。肩は丸まり、首は垂れ、胸の詰まるような猫背です。「そんなもの捨ててしまえ!」と叫んでしまいたくなるような恐ろしい光景です。
あれでは姿勢が悪くなるのも当然ですし、そのせいで顔が大きく見えてしまうのも分かります。
え、『大人になれる本』を読んでいるって? それでは仕方がないので、スマートフォンを目の高さに持ってきて顔を上げて読みましょう。
普段から正しい姿勢を心掛ければ、顔の位置も正しくなり今より小さく見えるはずです。スーツの似合うスタイルを目指して、気をつけていきましょう。
顔が大きい人に似合うスーツの種類
さて、それでもやはり人よりも顔が大きいのが気になるという人は、スーツの選び方に工夫をしましょう。いったいどんなスーツであれば、顔が大きいコンプレックスを解消できるのか。それをこれから紹介していきます。
ラペルがやや幅広の、クラシックなスーツ
顔が大きいのを気にしている我々にとって、最も効果的なのは「全体を大きくして、顔を相対的に小さく(普通に)見せる」ということです。
現在スーツの流行はスリム&ショートにあり、ラペルの幅は狭く、肩幅も狭く、全体的に細くコンパクトなものになっています。
今トレンドのLARDINI ラルディーニ、TAGLIATORE タリアトーレなどといったインポートブランドのスーツなどは、ラペル幅こそ一時よりは太くなったものの、依然として着丈が短く肩幅の狭いスタイルです。
こういったバランス感のスーツは、顔が大きな人にはかなり不利です。コンパクトな印象のスーツの上に大きな顔が乗ったら、相対的により大きく見えてしまうのは簡単に想像がつきますよね。
ではどうすれば良いかといえば、クラシックなスーツを着るのが良いのです。
クラシックなスーツは身体のラインに沿ったシルエットをベースに、(現在の感覚からしたら)太いラペル、長めの着丈、タイト過ぎないバランス感を持っています。
こういったスーツは全体のシルエットが堂々としています(緩いというわけではありません)。
クラシックなシルエットのスーツはどうやって見つけたら良いでしょうか。
イタリアの有名インポートブランドで言えばKiton キートン、Attolini アットリーニなどがクラシックなシルエットを持っていますが、これらは安くても40万円〜といった高級品。こういったブランドのスーツの写真をたくさん見て、それに近いシルエットのものを探せばOKです。
幅広ストライプやチェック柄も有効活用
シルエットほどに大きな効果はありませんが、ピッチの広いストライプや大きめのチェック柄などのスーツを選ぶのも、相対的に顔を小さく見せてくれるテクニックです。
例えば上の写真のようにピッチ(線と線の間隔)の広いチョークストライプやペンシルストライプのスーツ。
細かいストライプに比べてスーツの存在感が大きく、顔のインパクト(!)を緩和してくれることが期待されます。しかも見る人はストライプと言えばもっと間隔の狭いものだと思っているので、相対的に布に覆われていない部分、つまり顔が小さく見えたりします。
ちなみにこういったストライプのスーツは英国のジェントルマン御用達でもあり、ビジネスで使えないということはありませんが、日本のビジネスシーンにおいては「上司」と「場の空気」というドレスコードが優先されますので、そちらを尊重してくださいね。
シャツとネクタイ顔の大きさが変わる
さて、スーツの着こなしを支配しているのは、実はスーツだけではないことを皆さんはご存知でしょうか。シャツやネクタイの選び方や着こなし方が良くて初めて、スーツの着こなしは一流と言われます。
ということは、顔の大きさの印象を変えるにはスーツだけではなく、シャツやネクタイにも一工夫を加えるのが効果的。スーツが準備できた人は、今度はシャツとネクタイについて考えてみましょう。
大きめの襟が顔を小さく見せる
シャツは見える部分が少ない、ということで軽視されがちなアイテムですが、実はスーツの着こなしの中で最も顔に近いアイテムです。つまり、顔の印象をダイレクトに左右するアイテムなのです。
ですからシャツの印象によっては顔が大きく見えることもあれば、逆に小さく見えることもあります。
重要なのは「広がった雰囲気」で「大きな襟」のシャツを選ぶこと。特にイタリアのブランドに多く見られるような大きめのワイドスプレットカラーは、襟に存在感があるために、顔を相対的に小さく見せることができます。
逆に選んではいけないのは、タブカラーシャツや襟の小さいボタンダウン。首が詰まって、しかも顔の直下に小さな可愛らしい襟が来るので、顔を大変大きく見せてしまいます。
それから、最近トレンドとなっている、襟が後ろに流れるようなデザイン、ホリゾンタルカラーも正面から見ると襟が非常に小さく見え、さらには襟のかなり小さいモデルが多いのでお勧めできません。
おすすめは大きい襟のワイドスプレッドカラーです。試着してみれば「俺イケメン!ジローラモ!」と思うこと請け負いです。
太めのネクタイが顔を小さく見せる
さて、そのシャツに一体となってコーディネートを支えるネクタイの影響力もまた、見逃してはいけません。
ネクタイは時代によって太さがかなり変化しており、現在はスーツやジャケットのスリム&ショートの流行に合わせて、だいぶ細めのものが多いですね。
しかし細いネクタイは非常に貧相に見えますし、ノット(結び目)も綺麗になりにくいことが多い。そのうえ、顔の大きい人が選ぶべきクラシックな堂々としたスーツには相性が悪いという難点があります。
おすすめはやや太めのネクタイ。
太めのネクタイはノット(結び目)が大きくなり、大きめワイドスプレッドカラーのシャツや、幅広めのラペルのスーツと相性が大変良いです。また、顔の直下に存在感のあるノットが来ることで、顔が相対的に小さく見えます。
さらにそのネクタイを、少し手前に引っ張る要領で立体感を作ります。
するとよりネクタイが存在感を増しますし、ネクタイが手前に来ることで顔が「奥」に見える。ここでも小顔効果を狙うことができます。もし職場が自由なところであったり、カジュアルなジャケットスタイルでネクタイをするのであれば、写真のようにネクタイの小剣をずらして、幅の広さを作っても良いでしょう。
いかがでしたか?
スーツやシャツの選び方や、ネクタイのあしらい方等を知っておくだけで、顔の大きいというコンプレックスはずいぶんと解消されていきますね。
皆さんも是非これらの知識やテクニックを活用して、もう人に「顔でかいね」と言われないスーツ着こなしをしていきましょう!