ウェッジウッド・コレクションと題して特集を行い1年経ちました。
筆者のコレクションが増えてきたので、再び同じタイトルでウェッジウッド特集を行いたいと思います。
希少性の高いものや、インターネット上では存在しないコレクションまで紹介してゆきます。すべての写真は、クリックで拡大できます。Nikon D2Xという一眼レフで撮影しているので、ぜひ大きくして見て下さい。
(※写真の引用はご遠慮下さい)
ワイルド・ストロベリー ピオニー
永遠の定番。2015年の今年に誕生50周年を迎えたワイルド・ストロベリー。
ブルームやパステル、アーカイブ、ストロベリーブルー、プティなどワイルド・ストロベリーには様々なバリエーションがあります。
この写真の柄こそが一番人気で最も定番といえます。
1客もしくはディナーセットでも、所有する喜びだけでなく休日のテーブルを飾ってくれます。
特にピオニーは内側にも絵柄が入るので、とても可愛らしいです。
香りの繊細な紅茶にもぴったりです。
デルフィーといって少し変わったシェイプのカップ&ソーサー。
コーヒーと紅茶の兼用型です。
ティーポットも可愛いので、ひとつあると長く使えます。
サイズ感も良く、2人分のティータイムにぴったりです。
2杯分+おかわりの1杯が入ります。
クイーン オブ ハート ティーセット
トランプのハートのクイーン(女王)をイメージした絵柄です。
どことなく「不思議の国のアリス」を思い起こすのは私だけでしょうか。
独特なシェイプは今までウェッジウッドのはなかったデザインです。
特にティーポットはピオニーのカップと同じような形の蓋になっています。
(現代版のマイセンXフォームなんて言ったら怒ります?)
プレートからカップまで一貫したデザインで可愛らしいです。
真上から見ると美しい造形とパターンが際立ちます。
すべての絵柄とパターンのサイズが揃っています。
子供っぽい可愛さではなく、上質な白磁とパターン印刷の精巧な作り。
食器ではなく”作品”です。そこにウェッジウッドが一流と言われる由縁があります。
コーヌコピア ピオニー
ギリシャ神話で”牝山羊アマルティアの角”を意味するコーヌコピア(cornucopia)=豊穣の角。
無限の愛や幸運を象徴すると言われています。
パラディアン
完全なシンメトリーを追求した美術様式。
このカップ&ソーサーを見た瞬間に何をテーマにしているか分かった方もいるのではないでしょうか。
ウェッジウッドの中では少々珍しいですが、ルネサンス様式によってデザインされています。
古代ギリシャのローマ様式を復興させ、シンメトリー=左右対称とバランス=調和を重視したそうです。
公式の説明を引用させていただくと
”16世紀のイタリア ルネッサンス期の建築家アンドレア・パラディオ氏によって構築された、優美なネオクラシックスタイルのインテリアや建築「パラディオ様式」より想を得てた「パラディアン」
古代ローマ建築を研究し、シンメトリーを基本とする様式を重んじた彼のデザインは、18世紀のウェッジウッドのデザインにも大きな影響を与えました。”
などと、イタリアから受けた影響も大きいようです。
”ポートランドの壺”や、”フェラーラ”などウェッジウッドのアンティークの中にはイタリアをモチーフにしたものが多数ありますが、現行のパターンにもそれは残っているようです。
本来であれば、ハンドルさえも付けたくなかったのかもしれません。
ジャスパーウェア ペールブルー
(以前の記事で書いた文章を再度)
ジャスパーウェアとは、素焼きの様な質感の陶器(ストーンウェア)で、古代ギリシャや古代ローマの美術をモチーフとして裝飾された、ウェッジウッドの独自の食器です。
このジャスパーは、1774年には原型が作製されて、なんと240年にも渡りウェッジウッドの代表的な作品となっています。
白いレリーフには、古代ギリシャの人々がカップ一面に渡り描かれています。
このペールブルーというのは、ウェッジウッドブルーとも呼ばれ、ファッションや色彩の世界で使われる色見本帳にも載せられています。
手に取ると、表面が思いの外ザラザラしていることに気がつくとおもいます。
他にはない質感で、柔らかな印象があるのですが、光がディフェーズされる、このマッドな質感は絶妙で他の窯元では見ることの無いものです。
実際に購入した人は、この特殊な質感から飾る事が多いようですが、このマットな質感のジャスパーは飾るだけでなくティータイムに使う事ができます。
長時間中に、コーヒーや紅茶など色の濃いものを入れていると、染みて汚れてしまいますが、
使った後にすぐに洗い流せば、美しいまま長く愛用する事ができます。
それだけでなく、洗ったり使用していると、少しずつ表面が滑らかになり、自分だけの一客に仕上がっていきます。
新品の状態から、馴染んだ自分の為のお気に入りの一客に育てていくという楽しみもあります。
クイーンズウェア
クイーンズウェアは絶版になってしまったシリーズです。
ジャスパーウェアに釉薬を掛けたような質感です。シェイプやモチーフも、どこなくアンティークを思わせます。
こちらのカップ&ソーサーは何と”ロード・ウェッジウッド”のサインが入っています。
Lord Piers Wedgwood ウェッジウッド卿
ジョサイア・ウェッジウッドの直系8代目 ウェッジウッド卿は、ウェッジウッドの創設者ジョサイア・ウェッジウッドの直系8代目。彼は4代目ウェッジウッド卿として、20年以上に渡りウェッジウッド イギリス本社のあるバーラストンの上院議員として仕えました。また近衛師団(Royal Scots)での英国王室付き武官など、各種軍務を勤めた華々しい経歴を持ちます。彼はウェッジウッドの250年を超える歴史はもちろんのこと、芸術や英国窯業界についても深遠広範な知識を持ち、ウェッジウッドのグローバル ブランド アンバサダー(ブランド大使)として世界各国で活躍しています。
http://www.wedgwood.jp/whats_new/newproducts/20130228_1.html より
残念ながら存命ではないのですが、ウェッジウッド創始者のジョサイア・ウェッジウッドの直系8代目に当たる氏は、積極的にサインを施したりウェッジウッドを広める活動をしていたそうです。
写真が多く、少々記事が長くなってきましたので次のページに行きます。
次はウェッジウッドの中でもグレードが高いコレクションや希少なカップを紹介します。