数あるウイスキーの中でもひときわ華やかな香りを持つモルト「マッカラン」
その中でも特に人気なのが、”カスク系”のボトルです。
カスクとは樽を意味します。
そのためカスクストレングスは「樽出し原酒」と表現することが多いです。
カスクストレングスの人気
なぜ通常のマッカランよりも人気かと言うと、冷却ろ過や加水をしていないので、原酒そのものの味が楽しめます。
本来であれば「12年」や「18年」など、中にある不純物を取り除く作業をした後に飲みやすいように加水といって、蒸溜所の水で40%程度までアルコール度数を抑えます。
また専らの噂では、大量に出荷される通常商品よりも、カスクストレングスの方が上質で厳選された樽を使われると言われています。
ウイスキーの樽というのは、同じ時期に仕込んだものでも、置いてある場所やロットによって味が異なります。
そのため、カスクストレングスやレアカスクなどの商品は、ウイスキーマニアからすると人気の高いボトルなのです。
あるイベントでレアカスクの試飲を行って居たので、手元にある「カスクストレングス」と「レアカスク」の違いを紹介したいと思います。
マッカラン カスクストレングスは、数年程前までサントリーが正式に輸入していたウイスキーで発売価格が税別10,000円でしたが、かなりの人気がありました。
発売終了してからは、オークションやECショップで価格の高騰があり、楽天市場では現在8万円近い価格で販売されています。
マッカラン カスクストレングスの特徴としては、強烈な甘い香りと延々と続く余韻です。
甘い香りというと、スコッチウイスキーではなくバーボンを想像しますが、このマッカランはパイナップルのドライフルーツをより濃くしたような甘い香りです。
フラワリーというよりは完熟フルーツのニュアンスを感じさせます。
先ほど説明したように、加水されていないアルコール度数は60度で本来のウイスキーのポテンシャルが100%発揮されています。
ワイングラスに鼻を近づけると、むせてしまうほど揮発してくるアルコールに甘美な香りを纏っています。
一口飲むと、まるでタリスカーのように一気にアルコールの刺激が広がります。
その後に色彩を変えた香りが変化しながら口の中に残ります。
何も入れずにストレートで飲むと本当に美味しいです。
一方の 「ザ・マッカラン レアカスク」は、アルコールの刺激や辛さが少し抑えられて、甘みをより増やした香りと味わいです。
価格は700mlで2万5千円という倍近い価格となり、より希少なカスクを使用しているとのことです。
カスクストレングスではなく、こちらはアルコール度数43%と少し控えめですが、「薄い」と感じる事はなく、ボディの厚みはきっちりと残り華やかで王道のマッカランそのものです。
公式の紹介のような「レーズンやチョコレート」という香りは見つける事ができませんでしたが、先ほどのカスクストレングスをより洗練させて大人しくされた印象です。
個人的な感想では、カスクストレングスは刺激的でパワーを持つ原石で、レアカスクは穏やかで磨かれつつもパワーがある、といった印象を受けました。
いずれも開栓して、グラスにあけてから刻々と香りが変化していくのが素敵です。
時に飲みきったグラスが少し乾くと、上質なはちみつを温めた時のような甘い香りがしてリラックスできます。
どちらのボトルも、モルト専門のバーであれば取り扱いがあると思うので、ウイスキー好きであれば是非とも一度は試してみて下さい。
スモーキーや潮味が好きなアイラ党でも、きっと楽しめるはずです。
「ザ・マッカラン レアカスク」
容量700ml、アルコール度数43%、希望小売価格25,000円(税別)。
「ザ・マッカラン カスクストレングス」【販売終了】
容量700ml、アルコール度数60%、希望小売価格10,000円(税別)。