ファッション・アパレルの宣伝の形
まずはファッション関係の宣伝をするのにあたって、どんな方法があるのかを考えていきましょう。今回は非常に大きなくくりで分類して、二つに分けてみました。
- 視覚的に訴えるイメージ重視の広告
- ブランドの良さを伝える紹介形式の広告
それではいきましょう。
1. 視覚的に訴えるイメージ重視の広告
広告のもっともシンプルな形は、人々の視覚に訴えかけることによって宣伝効果を得ようとすることです。
例えば雑誌への広告掲載ですね。雑誌の1Pや背表紙などにブランドイメージの画像と、ロゴ、簡単な文章を掲載することでブランドの知名度を上げます。その他や街頭の広告看板なども、人々の視覚に訴えかけ知名度を上げることに役立ちます。
これらの広告を出すのに適しているのは、すでにある程度知名度のあるブランドです。例えば最高級のブランドばかりを集めた雑誌の背表紙にエルメスが広告を出していたら、「流石エルメスだ」と感じるでしょう。
知名度を上げるだけではなく、「今も勢いがあり、人々に求められ続けているブランドである」という主張をする意味で、こういった広告には効果があるのです。
このようなブランドが広告を出すときには必ず、情報量を絞り、見た人が憧れを持つようなイメージ写真を用いる。また継続的に広告を掲載します。これはもうお分かりかと思いますが、広告掲載の中断はブランドの劣勢を意味してしまうからですね。
視覚的に訴えかけるこのような広告のデメリットは大きく分けて二つあります。一つには他の広告形式に比べ費用が掛かること。
例えばあるちょいワル富裕層向けのメンズ雑誌広告掲載料は4色刷り1ページで180万円です。これは少し高額ですが、それほど極端な例ではありません。メンズ雑誌で言えば、平均が160万円ほどと言われています。
これを継続的に出し続けるとなれば、かなりの広告費用を準備しなければなりません。
もう一つのデメリットは、知名度と高級感のあるブランドでなければ効果が出にくいこと。今有名なブランドというのは、何か良さがあって有名になっています。
例えばルイヴィトンは19世紀後半にいち早く平らなトランクケースを開発し、そこに革より軽いコットン素材を使用した。
更にそれに防水加工を施して「グリ・トリアノン・キャンバス」と呼ばれる丈夫な素材にしたことで、その時代で最も軽くて丈夫なトランクケースを作り出したことが評価されて、世界的なブランドになりました。
例えばこのルイヴィトンが最初から、今出しているようなイメージ重視の広告を出したならば流行したでしょうか?これは否ですね。人々は情報量が絞られ、イメージ重視の写真で作られた広告ではそれが何かさえも分からないため、ブランドに興味を持つことができません。
ですから今素晴らしいデザインや品質の服を持っていて、それを人々に知ってもらいたいの場合には、最初から視覚的に訴えるようなイメージ重視の広告だと、うまく行かない可能性があります。
2. ブランドの良さを伝える紹介形式の広告
さて、そこで検討すべきがもう一つの形式です。これは雑誌やウェブマガジンの記事の中で紹介形式の広告ですね。
具体的には商品やブランドをライターが取材し、記事を作成して雑誌やウェブマガジンに掲載するというもので、詳細なレビューをすることができるので、今から新しくブランドを広げたい人や、知名度を上げたいという場合に適しています。
例えば先ほどのルイヴィトンで考えてみましょう。
世の中にはまだ重く、丸くて重ねることのできないトランクケースしか存在していません。そこで、富裕層に人気のあるサロンに細かな商品レビューの広告記事の入った新聞を置いてみましょう。
「ルイヴィトンのトランクが海に浮かぶ理由!」だなんてキャッチコピーがついて、その軽さと便利な形状、防水機能にデザインの美しさを解説する記事が載っていたら、欲しくなってしまう人は多いはずです。
これが紹介形式の広告のメリットですが、注意すべき点もあります。大きく分けて以下の三つです。
- 興味を持ちそうな人のいる場所(媒体)で宣伝すること
- 購買力のある人に宣伝すること
- ブランドイメージを高める宣伝をすること
詳しく見ていきましょう。
読者層を見極めよう
まず紹介記事を掲載する上で大事なのは、その媒体の読者層がブランドの求める顧客層とマッチしているかです。
例えば今宣伝したいブランドが、カシミアやシルクを大胆に使って作る最高品質のメンズテーラード服のブランドだったとしましょう。
その広告を「アクセス数が多いから」と言って、アニメゲーム関係のまとめをしているサイトに出してしまったら、それは多くの場合上手くいきません。
アニメやゲームの関係のまとめサイトに広告を出して結果が出にくいのは、高級メンズテーラード服を求める顧客がそこに少ないからです。もしそのサイトが月間1000万PVだったとしても、月間1000PVのハイエンドなイタリアファッションばかりを紹介しているブログに掲載する方が効果が出る可能性も少なくありません。
まず大事なのは自分達の顧客になりそうな読者が多く集まる雑誌やウェブマガジンを選ぶことです。今の例であったら、高級外車や高級なメンズファッション、レストランやバー、旅行などを総合的に紹介するウェブマガジンで特に効果が出やすいでしょう。
また同じファッション関係のウェブマガジンだとしても、それがカジュアル系なのかドレス系なのか、また年齢層はどのくらいなのかなど、そういった所を注意しましょう。大抵の場合、そのウェブマガジンを読んでいけば読者層が想像できるはずです。
購買意欲の高い読者がいる媒体に掲載すること
次に大事なのは、購買意欲と購買力の高い読者が集まっている媒体に広告を掲載することです。
例えば常に政治的なニュースや事件事故の話、ツイッター等のSNSで問題になった件などを更新しているまとめサイトと、日頃からお洒落なライフスタイルや上質なアイテム、旅行などについてを綺麗な写真と合わせて紹介しているサイトではどちらが購買意欲の高い読者が集まっているか?
そう考えてみれば、すぐにでも「どのような所に購買意欲の高い読者が集まっているか」分かるはずです。
もちろんアパレル・ファッション関係のものに関して最も購買意欲が高いのは、ファッション関係等のウェブマガジンの読者です。
ファッションというのはともするとこだわる必要がなく、買う必要のないものばかりです。しかしそのブランドストーリーやレビューなどを見て、多くの人々が何かを欲しいと思っています。
例えば「お洒落なサラリーマンならこういう上質なスーツを着よう」という記事の横に、「今最もコストパフォーマンスの高い、上質スーツブランド」というタイトルで広告記事を出すことが出来たら、それほど売り上げに直結するものはないはずです。
ジャンルが違ったとしても、常に「この商品がこんなにおすすめ!」と普段からポジティブな記事をメインに掲載しているウェブマガジンであれば、効果は出やすいでしょう。
またこんなことを言ってしまっては怒られてしまいますが、広告を出す先はある程度金銭的に余裕のある人が集まっている場所の方が良い。
面白い話があります。
車総合レビューサイトと、車を含むライフスタイル全般サイトどちらが読者の平均年収が高いか?これは後者です。
なぜならば単に車が好きという人は非常に多いですが、車をお洒落なライフスタイルの一環として考えており、その他お茶や料理、ファッションや旅行にまで関心を持っている人というのは生活にかなり余裕のある富裕層である確率が非常に高いからですね。
つまり高級車の広告を出したい人は、月間100万PVの車総合レビューサイトと、月間50万pvの車を含むライフスタイル全般サイトがあったら、PVだけで決めてしまわず、非常に慎重に購買力と購買意欲の高い読者の集まる方を選ぶことが大事なのです。
このように、購買力と購買意欲の高い読者の集まる媒体を選ぶことは必須です。そこは絶対に失敗しないように(アクセス数やうたい文句のみに捕われないように)注意しましょう。
ブランドイメージの高まる記事を掲載できるか
これまで解説したことは、一言で表してしまえば「媒体の質」です。媒体の質が良ければ良いほど興味と経済力、購買意欲のある読者が多く集まっており、アピールすることで知名度が上がりやすく、売り上げに直結しやすいということですね。
もう一つ重要なことがあります。
それは広告記事そのものの質です。
例えば先ほどの高級メンズテーラード服の紹介記事を書いてもらうにしても、スーツの知識を持っていないアルバイトのライターがネットで調べて書く文章と、プロのメンズファッションのライターが書く文章では質が違います。
例えばスーツを表現するとき。
ライターA
「このブランドのスーツはまさにラグジュアリーの一言。生地も仕上げも、同じ価格帯のブランドとは一線を画しており、本当にコストパフォーマンスが高いです」
ライターB
「一着50万円のイタリア最高級ブランドのコレクションから抜き出してきたような贅沢な生地を使い、手縫いによって丁寧に、着る人の動きに寄り添う柔らかさと共に仕上げられるスーツ。この価格帯でこれほど特別で上質なものが手に入ることを知ってしまったら、残念ながらもう他のスーツには興味が湧かなくなってしまうでしょう」
どちらも大して難しい用語を使っているわけでもなく、誰にでも分かるような優しい言葉を使ったものですね。しかしその差は歴然です。
これは例ですが、やはりそのカテゴリを常に研究しているプロのライターと、アルバイトや怠惰であまり向上心がないライターの書く文章はずいぶんと異なります。
実際に多くの媒体がライティングを外注に出しており、広告記事を頼んでも本当に書いているは在宅のアルバイトライターだった、なんていうことも少なくありません。私の友人が実際にそのアルバイトをしていましたが、下請けの下請け、そこからの外注というパターンでした。
これでは30万円で広告記事を依頼しても、メディアが5割、下請けが4割と取っていって、結局アルバイトが一本数千円で記事を書くことになってしまいます。
大事なのは高品質な記事を書いてくれそうなメディアに広告掲載を依頼することです。またその際どのライターが実際に記事を書くのか、ということが分かればより良いでしょう。
質の良い記事が、しっかりと内容にこだわった記事ばかり掲載されているウェブマガジンに掲載されれば、ブランドのイメージ自体が良くなっていくはずです。
いかがでしょうか。
再度確認となりますが、大事なことは以下の通りです。
- 興味を持ちそうな人のいる場所(媒体)で宣伝すること
- 購買力のある人に宣伝すること
- ブランドイメージを高める宣伝をすること
これらを意識して、広告の掲載先や形式を決めるようにすると、少ない予算でも大きな結果を得られる広告掲載、広告出稿が出来るはずです。
◎現在『大人になれる本』に広告掲載が可能です。
細かい広告の形式や料金は媒体資料に記載しております。ご希望の方は以下のフォームより媒体資料をご請求ください。