「カメリアシネンシスって10回言って?」
「カメリアシネンシス、カメリアシネンシス、カメリアシネンシス、カメリア……。」
「じゃあ、ダージリン地方で作られている茶葉の学術名は?」
「バラエティシネンシス!」
なんて遊びは、熱心な紅茶好きの男子同士でしか成り立たないですね…。
最近知ったのですが、「茶葉」というのは「ちゃよう」と読むのが正しく、「ちゃば」と読むのは間違いなんだそうです。
紅茶も緑茶も同じ茶葉?
実は、半分正解で半分間違いなんです。お茶の正体は「チャノキ」といい、これはツバキ科ツバキ属の常緑樹です。学術名は「カメリアシネンシス」といいます。
このチャノキには主に3種類あり、中国種、アッサム種、クローナル種が存在します。チャノキはもともと中国に自生していたそうです。イギリスが大英帝国時代に、中国から大量の茶葉を輸入した結果、最終的にアヘン戦争やボストン茶会事件、さらには独立戦争へと発展したことは、歴史の教科書でも習ったことがあると思います。
現代では「イギリス=紅茶」というイメージが強いですが、かつては紅茶よりも緑茶を飲むことの方が多かったようです。しかし、次第に紅茶のシェアが増えていったと、手元の資料には記載されています。
そして、中国人はイギリスへ輸出する茶葉を、緑茶ではなく発酵を進めた紅茶として出荷していたそうです。紅茶は茶葉を酸化させて発酵させたもので、これがイギリス人のアブラっぽい食事に合い、紅茶が主流になったといわれています。
つまり、中国種のチャノキは紅茶と緑茶の両方に使われていたのです。
一方、インドのアッサム地方で生産されるアッサム種は、酸化が進んだ濃い味わいの紅茶に適していますが、緑茶としては使われません。また、クローナル種は品種改良や苗木の掛け合わせで作られており、紅茶向けに生産されることが多いです。
総じて言えるのは、紅茶と緑茶の元となる葉は、いずれもチャノキ(カメリアシネンシス)から来ているということです。