伊勢丹のオリジナル紅茶ブランド”ナヴァラサ”
今回は2015年の夏摘みされたばかりのダージリンティーを紹介します。
商品名 ナヴァラサ ダージリン2015年 セカンドフラッシュ
産地 キャッスルトン茶園
品種 スペシャルチャイナ
ロットNo. DJ-125 グレード FTGFOP1 収穫年月 2015/06
購入価格 50g 1,944円(小缶)購入店 新宿伊勢丹
リーフの特徴
リーフの特徴は白毛などは少なく、深い色合いをしています。
開封した瞬間から吸い込まれそうな奥行きのある茶葉の香りが立ち上ります。
紅茶の良し悪しというのは、数多く飲まないと判断がつきにくいですが
初心者でも分かりやすい判別方法の一つに、新品の缶を開封した時に
閉じ込められていた香りが、ぶわっと広がるかどうかにあります。
開けた瞬間に、その紅茶の世界観が広がるような茶葉のほとんどは抽出しても美味しいものばかりです。
抽出と色合い
メーカーの推奨する抽出方法は、分量3gに熱湯300mlで抽出を5分。
一般的にはティーカップ1杯(150cc)に対して2.5~3.0
同じ3gでも2倍の湯量を淹れれることになります。
ファーストフラッシュとは異なり、色味は深いオレンジ。
透明感が高く、琥珀のようなニュアンスも感じさせます。
テイスティングレポート
わずかに熟れたマンゴーの皮のような香りが広がり、濃厚で芳醇な香りが特徴的です。色はすっきりしていますが、香りは清涼感というよりも、重厚感のあるダージリンです。
酸味はまったくなく、渋みも極力抑えられています。ツンと刺すような渋みではなく、美味しい緑茶のように後からじわりと広がるような渋みで、むしろ心地よさを感じます。ファーストフラッシュに見られる爽やかさはありませんが、堂々とした王道のダージリンと言える仕上がりです。もしアーリーファーストフラッシュを20代前半の女性に例えるなら、このセカンドフラッシュは、凛とした麗しい40代の女性といった印象です。温度が下がると、わずかにクルミに似た香りが漂ってきます。
2煎目の特徴
ナヴァラサでは1煎目しかお客様に提供しないと聞きましたが、自分用であれば2煎目も十分に楽しめる茶葉です。2煎目を淹れる際は、100度近い沸騰直後の湯で、5分ほど蒸らすのがおすすめです。
このキャッスルトン茶園のセカンドフラッシュは、まるでボルドーワインのシャトー・ムーラン・オーラロックに似ています。舌にまとわりつくような旨味と、くどすぎない重厚感。タンニンが極力抑えられている点で、紅茶とワインという異なる分野でも、共通点を強く感じさせます。
キャッスルトンの別の区画との比較
正直に言うと、個人的にはミム茶園やアリア茶園のような焙煎が強いダージリンの方が好みですし、欧米でもその評価が高いです。しかし、今回の2015年キャッスルトン茶園のスペシャルチャイナは、焙煎党の私でも唸る仕上がりです。
ナヴァラサ伊勢丹店では、ホワイトシャイニーディライトやマスカテルDJ-126、ムーンライトなど、さらに優秀な茶葉が揃っており、それらは味わいも透明感があり、余韻のキレも素晴らしいです。ただし、価格が少し高すぎるのが気になります。35gで4,860円、100gに換算すると14,000円というのは、代理店のコストやボジョレー・ヌーボーのようなお祭り価格が含まれているように思えます。
このロットは50gで1,944円という常識的な価格なので、紅茶を楽しむのにこれくらいの価格帯がちょうど良いでしょう。今シーズンのダージリンを楽しむには一押しのリーフです。ぜひ店舗でお試しください。
説明書より抜粋
ダージリン南部標高約1,065~1,600mに位置する小さな農園です。
たびたび最高値で取引されることで有名な格式高い農園のひとつです。
約150年前に中国から伝わってきた貴重なピュアチャイナ。
チャイナ種ならではの引き締まった茶の味わいは、熟れた果実を思わせる甘く香ばしいマスカテルフレーバーの魅力を一層深めています。
きりりと澄んだオレンジ色の水色も美しいセカンドフラッシュティーです。