ライター田中流 『かっこいいファッション』の条件

かっこいいファッションとは何か?

皆が気になっていることではありますが、その基準や条件は人によって様々であることもあり、ネット上などではピンと来る情報が見つからないですよね。

そういうわけで今回は『大人になれる本 』でイタリアファッションをメインに執筆している私が、私の思う「かっこいいファッション」の条件を紹介しようと思います。

皆さんの自分なりのかっこよさを見つけるための参考にしていただければ幸いです。

一流の物を知り、好きな物を着る

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もちろんファッションを作る上で、必ずしも一流の品々で身を固める必要はありません。一着40万円以上もするアットリーニのジャケットをいつも着ている必要はありませんし、誰もがそんなジャケットを着る必要はないのです。

しかし、だからと言って一流の物がどんなものかを知らずに、自分が知っている限られた範囲内でファッションを考えるのと、様々な素晴らしいものに触れたうえで「自分はこれが好きだ」と値段に捕われず好きなものを着るのとでは訳が違います。

例えば一流のジャケットを知っている人は、価格が安く普段使いに適したものの中で、最も仕立てがよく見えるジャケットを選ぶことができるでしょう。

3万円でジャケットを買うにしろ、何も知らない人はお世辞にも品質が良いとは言えず、時代が変わればすぐに着ることができなくなってしまうような極端にトレンド性が強いジャケットを買ってしまうかもしれません。しかし素晴らしいジャケットを知っていれば、3万円で可能な限りそれに近い仕様ものを選べば良い。

上質なジャケットを知っている人であれば、下のユナイテッドアローズ green label relaxing グリーンレーベルリラクシングの2万3000円のジャケットが恐ろしくコストパフォーマンスが高く、イタリア製の10万円弱のLARDINI ラルディーニという人気ブランドと、値段の違いから推測するほどには変わらない品質であるということも分かってしまうのです。

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言葉を変えれば、一流のものを一度知れば物を見る目が養われ、どんなファッションをするのにも、そのとき一番良いものや適したものを選べるようになるということです。良い物を選べるようになれば、今一番好きだと思っているブランドに似た傾向で、もっと良いものを扱うブランドを見つけることもできるようになるでしょう。

もちろん最高級品を買う必要はありません。ただいつものお店で服を買う前に、もう少しクオリティの高い服を扱っている店に行って、自分がいつも買う服よりもランクの高い服を見てみると良いでしょう。

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このとき、品質の良い服を紹介している雑誌などを参考にしてみると良いですね。アメカジが好きならSafari サファリなどはおすすめですし、ジャケットなどちょっとカッチリした感じが好きならMen’s Precious メンズプレシャスやTHE RAKE ザ・レイクなどは素晴らしい品質のものばかりを紹介しています。

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そしてそこに乗っているブランドの服を手に取ってみれば、きっと生地の手触りや風合いの良さ、着たときのシルエットの良さ、縫製の美しさなどに大きな違いがあることに気づくはずです。

力を入れすぎず、自然に着る

 

雑誌やネットでは非常にお洒落なスナップ写真などを転用して、こんな着こなしが良い、こんなコーディネートがおすすめなどと紹介されています。

例えば上の写真、イタリアのフィレンツェで毎年2回開催されるメンズファッションの祭典、ピッティウォモのスナップなんかは、もはやお洒落の定番として紹介されています。

しかし本当にそういった写真の着こなしが、我々が着てお洒落かどうかを考える必要があります。

確かにピッティウォモのスナップに写っているバイヤー達のファッションはお洒落です。しかしそれを参考に日本人が作るジャケットスタイルの着こなしは、ちょっと「決め過ぎ」なものが少なくありません。

柄のシャツにきっちりとディンブルを作ったネクタイ、しっかりと丁寧にフォールドされた柄ポケットチーフに磨き上げた靴。

問題はピッティのバイヤー達はそれを毎日のように着ており、それゆえにモノにしているが、ネットを参考にジャケパン着こなしをしようとしている日本人にとって、そういったファッションは慣れないものであることです。

持っているジャケットは真新しくパリッとしているし、靴は教則に従って綺麗に磨いてある。シャツはクリーニングで襟をしっかり立てて、ネクタイとポケットチーフはぴしっと位置決めが済んでいる。これが問題なんですね。

本当にお洒落な人は、服装を自分のものにしています。ローテーションして週に2回着ているジャケットは手入れこそ行き届いているが、ちゃんと年季が入って身体に馴染んでいます。シャツはクリーニングでのっぺり伸ばされてのり付けされているのではなく、いつも自分が掛けている手順で手早くアイロン掛けされている。ポケットチーフはさらっと突っ込んでいますね。

お洒落な人は力を抜いて、当たり前のように自然に着ているのです。

そしてそのことから一つのことが分かります。お洒落になりたい人に重要なのは、デートやお出かけの日だけでなく、いつでもお洒落な着こなしをすること。

すると服は身体の形に沿って馴染みますし、アイテムには適度な使用感が出て、キッチリし過ぎません。毎日お洒落をしている人はネクタイやらポケットチーフやらを、良い意味で雑にセットすることができますので、力が抜けて見えます。もちろん自分で洗ってアイロン掛けしたシャツほど、お洒落さの滲み出るものは他にありません。

「別にいつもと同じかっこうだよ」という余裕と力の抜けたリラックス感こそが本当のお洒落なんです。そしてそういうファッションが当然に出来る本当にお洒落なバイヤー達が、ここぞばかりに決めているのがピッティウォモのスナップに写っている着こなしです。慣れない人が表ばかり真似しても、同じものができるはずがないのです。

スーツで仕事をしている人はスーツの着こなしに注意してみる。カジュアルで良い人はジャケットスタイルを毎日着こなしてみるなど、他人から「面倒だね」と思われるほどお洒落を繰り返しましょう。

癖のようにさらりとお洒落なファッションが出来るようになったときには、そのファッションは周りから見ても説得力がありますし、どんな決めた着こなしをしても自然に決まるはずです。

一緒に過ごす相手で服装を決める

 

 

お洒落は決して独りよがりであってはいけません。

例えばデートだからといってカッチリとしたジャケパン着こなしをしても、相手がカジュアルな服装だったら女の子が緊張して気負いしてしまうでしょう。

またデートで行く先がちょっとカッチリとしたお店だった場合、女の子はそれだけでも緊張してしまうというのに、さらにはテーブルを挟んだ対面にポケットチーフまで差した男が座っていたら、もう楽しむことなど到底できないでしょう。

例えばデートの服装であれば、意識すべきは「相手がどんなことを求めているか」です。付き合う前の初デートならばカッチリとした服装よりも、ちょっと綺麗めな程度に抑えておくのが良いですね。そういったデートでは、主役が男ではなく女の子の方だということも忘れてはいけません。

主役を引き立て、主役に気持ちよく過ごしてもらうための服装、と考えれば自分のすべき服装は自ずと見えてくるでしょう。そしてそんな服装がさらりと出来る人こそ、本当にお洒落なんです。

また付き合っている彼女や奥さんがファッションに理解のある人であれば、彼女とペアコーデをしてみるのもおもしろいでしょう。基本的なペアカラーコーデから、ちょっと突飛な服装、無駄にきっちりしたセットアップコーデまで、デート感があってマンネリ化も防げます。

特に30代以上の夫婦のペアコーデは、周りの人が見ていて楽しくなりますね。

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もちろん男友達と皆で買い物に行く日なんかは、遊びでカッチリと着こなしてみると面白いですね。その際友人達と話し合ってテーマカラーを決めたりすると「なんとお洒落な集団なんだ!」と周りに思ってもらえるかもしれません。

 

今回はこの辺にしておきましょう。

次回をお楽しみに!

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