カポタストを巡る冒険
“人間でも首を締めると「きゃゃー」とか「ひぇぇー」と高い声になってしまう。
ギターも同じで、音を高くするために首を締める。
「カポタスト」という何となく響きも残虐な感じの道具を使うのだ。”
これはフラメンコギターの基本や練習方法を非常に楽しく面白く紹介している名サイトまかなーのフラメンコギター教室さんの格言です。
なるほど分かりやすいかどうかは別として、面白いので紹介させていただきました。カポタストはようするにバレーコードの人差し指がやることを変わりにやってくれるアイテムで、キーを高くするのに使いますが、おそらくこのページを見ている方は、そんなことは百年も前に知っているかと思いますので省略しましょう。
問題はそのカポタストが、他のギター関係のアイテムの例に漏れず「本当に良いもの」に中々出会えないアイテムであることです。
しっかりと付けたはずが音がビビってしまい、綺麗に出ない。付けるのに時間がかかる。使っているときに外れてしまうなどのアクシデントが起きる。重い。などなど、カポタストも意外と選ぶときに悩みますよね。
今回はそんな中でかなり評判の良いKYSER カイザーのカポタストを試してみました。
素早く装着、しっかり保持
ま、今さら知らない人はいないかと思いますがカポは上から付けます(ドや)。これはこの記事を書くにあたってKYSERのカポタストをグーグル画像検索して初めて知りました。世の中は怖いですね。
KYSER カイザーのカポタストを持ったときの第一印象は、軽いこと。独特の形状はともかくとして、さすがに大きめのカポタストなので見た感じはわりと重そうに見える。けれど実際に持ってみると意外に軽い素材を使っているということが分かります。
実際に付けてみましょう。付け方は簡単。手前のハンドルを洗濯バサミのようにつまみ、ネックを挟むだけです。恐ろしく簡単ですね。バネはわりと硬めですが、女性でも無理なく付けられる硬さではないでしょうか。パコデルシアの曲を20曲弾いたあとだったら、もしかすると握力が足りなくて付けられないかもしれません。
付けてみるとカポは安定し、ぐらつきの要素などは一切ありません。つけているはなから非常に信頼感のある印象です。付けるのに掛かる時間はかなり短く、10秒以下だと思います。
ただしあまり雑に付けると弦が変に押さえられてしまって、チューニングがずれてしまいます。こうならないためにはわりとしっかりとハンドルを握って、わりとしっかりと開いて弦に触れないようにして位置を決め、その後にゆっくりと手を離す必要があります。それも踏まえて、最短で5秒ほどではないでしょうか。
曲中で移調しよう、なんていう超絶技をやろうとするならば、少し工夫と練習が必要でしょう。
実際に音を出してみます。なるほど6弦から1弦までしっかりと鳴ります。ここで注意なのは、というか最初に注意して欲しいことですが、カポにはアコギ/エレキギター用と、クラシックギター用の2種類があります。
今回使っているのはクラシックギター用。違いは何かというと、アコギやエレキはフィンガーボードに丸みがあるためカポの押さえる部分にアールがついていて、クラギはフィンガーボードがフラットなのでカポもフラットになっているという点。アコギやエレキにクラギ用を使うと1弦や6弦がビビリ、逆だと3、4弦が残念になります。
しっかりとギターにあったカポを使いさえすれば、綺麗に音が出ます。
実際に演奏していてもKYSER カイザーのカポは見た目の割に重さを感じさせません。布ひもの、奴さんと比べてはもちろん重さがありますが、普通の金属製のカポとは同じくらいの重さと考えて問題ないと思います。
ただ、付けっ放しでギターをハードケースに入れることはできませんので、超絶横着な人は注意です。
いかがでしたか?
付ける簡単さ、音、軽さ、どれをとっても素晴らしいカポだと思います。それでいて値段は3000円弱。色々なカポを買ってあまり納得せずに買い替えたりすることを考えたら、このカポは断然お買い得だと思います。
ぜひ検討してくださいね!