フラメンコギターが聴いてみたい!という人のために、フラメンコギターの第一人者であったパコデルシアの演奏からフラメンコギターの名曲を5曲紹介します。
Entre dos aguas
フラメンコギターの中でもダントツに有名な曲といったらこの、Entre dos aguasですね。フラメンコギターに興味のないスペイン人に対してでも、この曲名さえ挙げれば流石に知っているという国民的な名曲です。
アフリカンなパーカッションと、歯切れのいいルンバのバックギター、そして迫力のパコデルシアのファーストがめちゃくちゃにかっこいいです。
この1976年の演奏は、後年の演奏に比べれば洗練されきっていない、あか抜けていないような印象もありますが、それもまた生き生きとしていていいですね。
Almoraima
Almoraimaはハイテンポでトリッキーなブレリアという12拍子のリズムの曲。メジャーコードのジプシー調のコード進行が、フラメンコらしさを感じさせます。
この曲はまたパコデルシアの演奏が他のフラメンコギターの奏者とどう違うのか、ということが最も分かりやすい曲だと思います。というのはパコデルシアは特に音量のダイナミクスと、リズム感の良さが他のフラメンコギタリストと大きく違いますが、この曲はとくにパコの魔術的な音量のダイナミクスの付け方や、恐ろしく鋭いリズム感覚を聴くことができるからですね。
パコデルシアの曲の中でも、フラメンコに興味のある人しか知らない曲ではありますが、ギターが好きな人には是非聴いてみて欲しい曲ですね。
Malaguena
マラゲーニャは、スペイン南部アンダルシアの街マラガの民謡です。これは少し有名な曲なので、ピアノを習ったことのある人なんかは練習したことがあるかもしれません。そんな有名な民謡をパコデルシアがフラメンコギターで弾いた演奏。
キャーかっこいい!という曲ではありませんが、聴いているうちにメジャーコードのちょっと妖しげなコード進行がだんだん癖になってきて、マラゲーニャが好きになってしまってきたころにはどっぷりとフラメンコの世界にはまっていることでしょう。
実はこの曲、同じフレーズを別のバリエーションで何度も繰り返すという、いかにもフラメンコ的な横着さが作りだす素晴らしい曲なんですね。
三拍子のリズムに歯切れの良いラスゲアート、アポヤンドで弾き出されるパーカッシブで気持ちの良いギターサウンド、そしてだんだんとバリエーション展開されていく、マラゲーニャのシンプルなメロディに注目です。
Malaguena Salerosa
同じマラゲーニャという名前でも、こちらはラテンの名曲をパコデルシアが弾いたもの。歯切れのいい3拍子のリズムとちょっとお洒落な響き、それにラテン的なベースが気持ちよく、ときどきガチもののフラメンコよりも聴きたくなることがありますね。
わりとコンパクトにまとまった曲ではありますが、さらっと聴けて良いです。願わくばもっと音質のいい録音が残っていれば、というところですね。
Rio Ancho
軽快で爽やかなルンバであるRio Anchoは、パコデルシアの曲の中でも非常に人気のある曲です。フラメンコというわりには重々しさがなく、ギターが好きな人ならすぐに気に入る名曲だと思います。もちろんそうはいってもパコデルシアの素晴らしい音楽性と恐ろしくハイレベルなテクニックを堪能することのできる本格的なフラメンコギターなので、皆さんにも聴いて頂きたいですね。
特にこのRio Anchoは例のアルディメオラとのコラボレーションで有名な「地中海の舞踏」という曲でモチーフとして使われている曲なので、そっちを聴いたことがある人は「これか!」と思うはずです。
いかがでしたか?
今回はパコデルシアの演奏から、フラメンコギターの名曲を紹介してみました。
ぜひ他の曲も聴いてみてくださいね!