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BMW Mドライビング・エクスペリエンス

2015年5月3日~4日にかけて開催されたMドライビング・エクスペリエンスに参加させていただきました。

今年はスーパーGTの決勝戦の観戦もプランに入っており、翌日にはレースで使用された富士スピードウェイの本コースで体験走行ができます!
レースの余韻が残るサーキットでBMW Mに乗ることができるという、またとない機会でした。
早速BMW Mドライビング・エクスペリエンスのレポートをお届けします。

 

スケジュール

2015年5月3日(日) 10:00-17:00 SUPER GT Rd.2 決勝戦 チームStudie パドック
スーパーGT観戦はこちらで記事になっております。

2015年5月4日(月・祝)
11:00-12:00 集合・受付・軽食 12:00-12:30 事前レクチャー
12:30-13:00 走行準備 13:00-16:00 サーキット走行(レーシングタクシー含む)

このようなスケジュールとなり、何とサーキットのフルコースを3時間近く占用できる贅沢なプランとなっています。

試乗車

気になる試乗車はBMW M3 , M4 , M6クーペ,カブリオレ,グランクーペ。
都内の一部のディーラーでなければ用意がないようなBMW最高峰モデルだけを集めて、サーキットを走行するというプログラムです!

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試乗車はこちら!っと言いたい所ですが、この駐車場は参加者の車です。
半分近い参加者が既にMモデルを所有しているようです。

BMW Japanのスタッフとモータージャーナリストの方がサーキットの概要やコースの走り方などをブリーフィングで説明します。
ここで念を押して、DTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)をオフにしないこと!と参加者に伝えます。

編集部には335iとM5(E60)があるので、DTC位切らないと本領発揮できないでしょ。っと走りだすまで思って居ました。結果的にはDTCにがっつり助けられた話は後で…。

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途中でレーシングタクシーのドライバーが挨拶に、と思ったのですが何とレーシングタクシーのドライバーは昨日スーパーGTのメインドライバーを務めた荒選手とヨルグ・ミューラー選手が担当!

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前日までスーパーGTを行っていたサーキットで、メインの選手がMを運転して横にのれるという驚くほど贅沢なイベントです。

この後、選手と一緒に昼食が食べれるという贅沢すぎる内容です。
食事も「軽食」と謳われていますが、完全に騙されました。
ホテルのビュッフェとしか思えない、たいへん美味しい本格的な料理が提供されます。
眠くなってしまう前に、サーキット走行で大切なシートポジションの決め方や、運転の講習が入ります。

IMG_5437 のコピー

ブリーフィング後は、実際のコースで慣熟走行を行います。
この時にはすでにM135,M3,M4,M6で本コースをゆっくりと走行します。

先導車がラインを丁寧に取り、それを全員がなぞるようにして後続します。

IMG_5441

ピット前には”M”だけで埋め尽くされた圧巻の光景。
BMW好きにとっては夢のような状況です。

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BMW M6(F13)というのは2011年に発売された現行型のMモデルです。
先代のM5/M6に搭載されたV10 NAエンジンではなく4.4LのV型8気筒DOHCが搭載されます。

V8のツインターボエンジンという事でダウンサイジング化されており、ネット上では「フケが悪い」「先代の方が良い」などとしばし言われています。
ヘルメットをかぶり実際にM6に乗り込み、本コースに向かって全開で加速しましたがその不安はすぐに払拭されました。

この新型Mは恐ろしく速いです!
先代の506馬力から560馬力にアップしたというのもありますが、最も大きいのはツインターボエンジンになった事で低速の加速が非常に改善された事です。
先代に搭載されていたSMGというシングルクラッチではなく、DCT(ダブル・クラッチ・トランスミッション)が搭載されるので、振動やロスのない怒涛の加速を見せます。

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ほんの短い区間で、富士スピードウェイの1コーナーに入るまでに瞬く間に140キロをオーバーします。
懸念されていた高回転の吹け上がりですが、V10 NAエンジンと同等に気持よく吹けます。
高回転までつなぎ目無く吹け上がり、本当に素晴らしい仕上がりです。

先代のM5でサーキット走行もしたことがありますが、新型M6のような加速は到底できません。
さらには現行のM6はV8ターボでありながら非常に良い音もします。
エキゾーストノートさえ考えられて、全てが先代よりも良くなるように作られています。

1コーナーのヘアピンを抜けてアクセルを開けると、すぐにある事に気が付きます。
リアタイアがスライドしないようにトラクション・コントロールがアクセルに干渉して出力が自動で下げられます。

このトラクション・コントロールはとても頭が良く、滑りだすギリギリでアクセルを戻してくれる役割をしています。
鬼のような低速トルクを手に入れたM6には腕に自信があってもトラクション・コントロールが必要になります。

プロドライバーのような緻密なアクセルワークを行わないかぎり、あっという間にリアがスライドしてクルッと一周スピンしてしまいます。
筆者も普段から先代のM5に乗っていて自信があったのですが、この新型は全くの別物と考えるべきです。

このドライビング・エクスペリエンスは初心者〜中級者を対象にしたものだと思っていたのですが、先導車は恐ろしく速く全開走行をしても着いていくのが精一杯です。
特にコーナーの立ち上がりで差を付けられてしまうので、非常に繊細な操作をしているようです。

それで居ながら高速コーナーは当たり前のように時速180キロで旋回してゆきます。
ダンロップコーナーの少し前の区間を先導車が、しれっと200キロ程度で曲がってゆきます。

一般的なファミリーカーは、長い直線で時速130〜160キロを出すのが限界です。
排気量が2リッターあるスポーツセダンなどは180キロ出る車もありますが、国産車であればリミッターが掛かります。

そこをM6はコーナーとコーナーの繋がりで、一瞬で200キロまで加速して恐ろしい荷重を掛けながらリアタイヤを僅かに滑らせてヘアピンに向かってゆきます。
直線ならまだしも、180キロでコーナーを曲がってゆくのはアドレナリン全開で過呼吸のような緊張状況になりました。

走行前は、最高速は180キロ位かな?と思っていたのですが、ホームストレートでは先導車が(推定)270キロほど。筆者と後続している1台が255キロで掛け抜けます。
あれほどにも長い富士スピードウェイの直線が、なんと短く感じた事か。

十分な道幅のあるホームストレートですが、時速230キロほどから極端に狭く感じてきます。
遮音性が高く、この高速度域でさえ外の音は少ないですが、タイヤから凄まじいロードノイズが聞こえてきます。

 

そこからのフルブレーキングがあまりに怖く、ビビって相当早めからブレーキを掛けてしまいました。
十分にブレーキを掛けれたから曲がろう、と思った時にフロントガラスに移される速度計に目を落とすと140キロの表示が。

コカ・コーラコーナーではブレーキをせずにガンガン突っ込んで行くので、こちらもラインを真似して侵入しますが、戦闘機のパイロットになったかのような心臓が飛び出そうな緊張です。
ハイグリップタイヤが軋みながら次のコーナーに向かってゆきます。
僅か3周ですが、これほど緊張したドライビングは初めてでした。

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次に試乗したのがM4。
こちらは4シリーズ発表後にリリースされたMモデルで昨年発売されました。

3リッターの直列6気筒 Mツインパワー・ターボは431馬力を捻出します。
筆者はE92の335iに乗っていた時期が長かったので、非常に興味があったモデルです。

さっそくサーキットの本コースにフル加速で飛びでるのですが、何故か遅く感じて驚きました。M6よりM4の方が0-100キロは速いのですが、体感的な加速はM6の方があります。
おそらく重いボディをゴリゴリと押し出す感じが、加速感に繋がっているようです。

非常に良く出来ていて乗りやすい、というのが初めの印象でした。
335iをとことん磨いて、軽量化して、全てのレスポンスを高めた感じです。
どことなく近い部分があるので走行中の操作がしやすかったです。

特にハンドルの切れ込みが速く、コンパクトなボディなだけありクイッと鼻先がインを向きます。
ブレーキングも自由自在なので羽を得た気分になりました。
M3のV8 NAから直列6気筒のターボにダウンサイジングされたM4ですが、こちらも全くターボを感じさせない加速感です。

335iは確かにターボが低速から効いているなぁ、という実感があるのですが、このM4はまるで大排気量NAのようなフィーリングです。
乗るまではこんなに素直で気持ちのよいエンジンだとは思いもしませんでした。

BMWのエンジニアは、車に魔法を掛けているとしか思えません。
燃費や環境性能を向上させながら、先代の大排気量よりも全てが優れた”M”を作るなんて考えられない技術です。

もし、あなたがBMWマニアで大排気量を信仰しているのであれば、ぜひとも新型のMで全開走行をしてみてもらいたいです。
BMWはカタログやスペック表を見るだけでは分からない事ばかりのようです。

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M6カブリオレ。こちらはスペック上ではM6クーペとほぼ同等の仕様となっていますが、今回試乗したモデルでは何故か差を感じました。

連続で交代して走行しているので、その影響や車体の個体差など様々な要因があると思いますが、この時はM6クーペの方が乗り易く感じました。
帰宅してからスペック表を見たのですが、乗った感じではM6カブリオレはショートホイールベースのように思えたのです。

ブレーキング時の安定性や、コーナー後のアクセルオンでの安定性はM6クーペの方が優れているように感じます。

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最後は荒選手とヨルグ・ミューラー選手がハンドルを握るM4に乗り込みます。
プロレーサーのドライビングに同乗するのは初めてなので緊張しました。
今回は荒選手の隣に座らせてもらうことができました。

トラクション・コントロールをオフにしているため、スキール音を立てて加速します。
第一コーナーのブレーキから既に荒選手がプロである事を実感させられます。
一切の無駄なく必要最小限の距離でブレーキングを完了するのです。
今の車速だと、どこれブレーキすれば一番最短で済むのか、といった事を完全に身体で覚えているのだと思います。

隣で思った事は、ドライビングで無駄な操作を無くし、とことん丁寧に磨かれて透き通った運転でした。
少し運転が上手い中級者ドライバーは派手なコーナーの侵入や、パワーに物を言わせる豪快な加速をしがちです。
それと比べると、プロの運転は恐ろしく緻密な技術でありながら地道な作業です。
到底近づく事ができないと思えました。

ただ運転の技術を磨くにあたって、「無駄な部分を減らす」という事が一番重要だと実感させてもらいました。

レーシングタクシーの後半はサービスのドリフト走行!
Youtubeなどで見たことはありますが、BMWのMで行われるプロのドリフト走行は感動モノでした。
M4がスキール音を上げながらコーナーに突入するのは格好良すぎます。

ドリフト走行を派手にやりすぎて、ミッションオイルの温度関係で一台M4をぶっ壊すという演出付きで、たいへん盛り上がりました。

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あまりに充実した内容で、あっという間な一日でした。
今まさにMモデルが欲しいです!どうやってM4を買おうかを考えています(笑)

短い人生BMWのMモデルに乗るために働くのも悪くないなぁ、と思える程の感動でした。
こんなにサーキットを全開走行できるパフォーマンスを持ちながら、デートや買い物、長距離の旅行にも使えて燃費もM4でリッター12km、M6でリッター9kmなんです!
BMWの提唱する「Efficient Dynamics」伊達ではないです。

本当であれば、この新型Mをサーキットで試乗して下さい!と言いたい所なのですが、なかなか試乗は難しいと思います。
「全ての人に良い」とは言えませんが、少なくとも現在少し古いBMWに乗っている方でしたら、99%の方が新型Mに満足して感動を覚えるはずです。

既にBMWの良さを知っている人であれば、試乗せずに思い切って買ってしまうのもアリだと思います。
あとはお財布との相談になりますが…。
お財布と、奥様の許可が出るようであれば、是非ともこのMの感動を365日、自分の手で体験して下さい!

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「BMW Mドライビング・エクスペリエンス」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: BMW 6シリーズの乗り心地と特徴 – 大人になれる本

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