そもそもタッピングハーモニクスとは
タッピングハーモニクスは、ハーモニクスが出るフレットを右手で軽くタッピング(叩く)することで、ハーモニクス音を出すというテクニック。特にフィンガースタイル系のアコースティックギター奏者が好んで使う技で、有名な人では押尾コータローさんなんかが多用するテクニックですね。
パーンとはじけるようなアタック感のある音とハーモニクスの綺麗なサウンド、それにパーカッシブな金属音が混じって、非常に気持ちが良いテクニックですね。
これはコードと併用して鳴らすことによって、音楽的にも非常に幅が広がります。例えば簡単なものではEmを押さえて1〜3弦でタッピングハーモニクスをしてみましょう。
2〜4本の弦で同時に音を出すのがタッピングハーモニクスの基本ですが、慣れてくれば弦1本でもタッピングハーモニクスで鳴らすことが可能です。
タッピングハーモニクスのやり方
タッピングハーモニクスの音を出すには、まずは12フレットのフレットをタッピングして音を出すことから練習し始めましょう。もちろん慣れてくれば19フレットなんかでも綺麗にハーモニクスが出るようになりますが、特に12フレットは音が出しやすいです。
まずは左手は何も押さえずに、右手の人差し指の側面(手の甲から見て左側)で軽く12フレットを叩いてみてください。そのとき、弦と指はすぐに離します。動きの速さと雰囲気的には、パソコンのキーボードを使っているときにEnterのキーを打つような感じです。ターンという感じで打っていますよね。あの速さと、軽さでタッピングしてみましょう。
これで少しはハーモニクスが出るはずです。
ざっくりですが、これがタッピングハーモニクスのやり方です。
タッピングハーモニクスの上手い下手を判断するには、音の長さと音量を確認しましょう。タッピングした後ハーモニクスが長く続く、大きい音量で出ているようであればタッピングハーモニクスは成功です。
タッピングハーモニクスのコツ
やってみたけど、全然音が出ない。練習しても中々綺麗にタッピングハーモニクスができるようにならない。そんな人のためにタッピングハーモニクスのコツも書いておきます。
すぐに離すこと
タッピングというのは押さえるものではなく、軽く弾くものです。先ほども書いたように、動作としてはキーボードを叩くような感じです。指が残っているとせっかく出したハーモニクスがミュートされて消えてしまいますので、すぐに指を離すようにしましょう。
腕じゃなくて手首で動くようにする
これは非常に大事なことですし、タッピングハーモニクスに限らずギター全般に言えることですが、右手の腕が動いてしまうと音が綺麗に出ないことが多いです。タッピングハーモニクスの場合にも、手首のスナップを意識していきましょう。
タッピングは力を抜く
なぜタッピングで力を抜く必要があるかというと、力が入っていると叩く分には良いものの、離す動作が遅れてしまうからです。また力が抜けている方が音色も綺麗に出ることが多いです。
ギター構える姿勢を無理のないものに、深呼吸をして、腰から上の力を抜くような意識でどうぞ。
フレットと同じ角度=垂直にタッピングする
意外と見落としがちだけど重要なのが、タッピングする指の角度です。これがフレットと同じようにネックに対して垂直になっていることで、音が安定して出るようになります。
これはなぜなら、フレット上が一番ハーモニクスが綺麗に出るポイントで、フレットと同じ角度でタッピングすることで初めて全ての弦をフレット上でタッピングすることになるからですね。
タッピングハーモニクスが出ないアコギと出ない原因
タッピングハーモニクスはアコギで主に用いられるテクニックであると説明しましたが、実はタッピングハーモニクスが出しやすいアコギ、出しにくいアコギがあります。
どんなに練習しても全然ハーモニクスが出ない人は、もしかするとアコギに問題があるかもしれません。まずチェックすべきは以下の二つ。
①弦が錆びていないか
タッピングハーモニクスは、錆びた弦だとあまりはっきりした音で出ないことが多いです。ですからさんざん苦戦したあげく、ある日新しい弦にしたらちゃっかり音が出るようになった、なんてことも多々あります。
②弦高が高すぎないか
弦高が高すぎるアコギは、タッピングハーモニクスが出しにくい傾向があります。これは軽くタッピングしても弦がフレットに触れないからですね。かといって強く叩こうとすると、力が入ってしまって音が綺麗に出ない。心当たりのある人は試しに他のギターでタッピングハーモニクスをしてみると良いでしょう。
いかがでしたか?
今回はタッピングハーモニクスのやり方やコツ、出ない原因などを解説してみました。是非練習に生かしてくださいね!